俺が女湯に入ろうとするとモーゼリアとルゥナが出てきた。
「ルゥナさん、いい湯でしたね」
「ええ」
俺は急いで物陰に隠れる。
なんで、こんなことをしているんだろうな……?
変質者すぎて嫌になる。
うう。人助けなのに……。
2人が去ったことを確認する。
彼女らの下着は後回しだな。
更衣室にある女児たちの下着チェックが優先か。
扉を開けると女児たちが着替えをしていた。
マイカの声が響く。
「きゃあ!」
彼女とレナンシェアは急いでバスタオルで体を隠した。
俺を見て喜んでいるのはミィとロロアである。
しまったな。
もう風呂から出ていたのか。
「あ、てんてぇだ♡」
「先生も僕たちと入りたかったの?」
彼女らには悪いが、下着はアークアーツ、烏眼を使って入念に確認させてもらった。
「すまん! 男湯と間違えた」
俺は急いで扉を閉めた。
タイミングが良いのか悪いのか。
全員が下着を付けていたところは良かったかもしれない。
さて、確認だ。
マイカの下着。
上下ともに白い布の生地。スポーティーなデザイン。
アルファベットの文字が散らばった柄だった。
上は子供らしくリボンの付いたスポーツブラである。わずかに膨らんだ胸を覆い隠す。
12歳らしい下着だな。
擬態した爆裂虫は見受けられない。
レナンシェアの下着。
上下ともに灰色の布生地。豪華なレースが付いており、ブラジャーは小さいながらもワイヤーが入った大人向けのようなデザインだった。
10歳とは思えない豪華な下着だ。とはいえ、所々にピンクのリボンが付いており、子供用にキュートに仕上げているのはわかった。
発育もそれなりで、マイカより大きな胸である。食ってる物の違いなのか? 流石は公爵の娘だな。
彼女のも異常は無さそうだ。
ロロアの下着。
上下ともに黄色の布生地。上はチューブ状のスポーツブラ。
バナナやリンゴ。果物の柄が散りばめられていた。
8歳ではあるが、4人の中で一番、胸が大きい。
幼い顔にこの胸の大きさはアンバランスだが、半犬人は人間より発育が良いのだ。
うーーん。特に異常なしだな。
ミィの下着。
彼女は下しか着ていない。上はぺったんこの胸だからな。隠す必要はなさそうだ。
ピンク色の生地で、その正面には可愛い熊のキャラクターが大きく描かれていた。
生地の面積は他の女児と比べて随分と大きい。
まぁ、6歳らしい下着だよな。
異常なしっと。
あれ?
4人の下着を入念に調べたが異常は発見できなかったぞ?
「一方方向からしか見れなかったから、別の角度から見る必要があるのだろうか?」
『いや。その確認は必要ない。我が見れば、爆裂虫の存在は直ぐに見分けがつく』
「え? じゃあ、俺が入念に見る必要って?」
『ないな』
「それを早く言えええええッ!!」
しかし、どちらにせよ、ドラゴンに下着を見せる必要があるのか。
あとはモーゼリアとルゥナだな。
うう、こっちは大人な2人だからな。
どんな下着なんだろう?
め、めちゃくちゃドキドキしてきたぞ。
同時に凄まじい罪悪感が……。
でも、これをしないと彼女たちの命が危ないんだ。
やらざるを得ない。