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魔法の設計士。後日談2 カルナ視点



「え? S級の賢者ですって?」


 研究所でアリアスとお茶をしていると、門番がやって来て難民の受け入れ要求をしてきた。

 その難民は、凄腕の賢者らしい。

 もしかしたら、大賢者さまかもしれないわ!

「へぇ。良かったじゃないか。S級の賢者なら国にとって財産だろ? 儲けたな」

「う、うん……。そうなんだけど……」

「魔車で王都門まで送ってあげるよ」

「あ、ありがとう」

「なんだよ。僕の方をチラチラ見てさ」

「え? あ、うん……」

 大賢者さまだったらどうしよう……。

 初恋の人。

 ……今でも、愛していると言って良い。

 憧れの人。

 ああ、なんだか胸がドキドキしてきたわ……。

 でも、なんだろう、なんだかモヤモヤもするのよねぇ。

 私は魔車を運転するアリアスを見つめた。

「なんだよ。さっきから僕の顔なんか見てさ。変な奴だな」

「べ、別に! なんでもないわよ! ふん!」

 王都門に着いた私は口が開いた。

「ヒョッヒョッヒョ。これは可愛らしい騎士団長さまじゃのう」

 S級の賢者はお爺ちゃんだったのだ。

 ああ、とても大賢者さまじゃないわね。
 あの方ならまだ20代とか、その辺の年齢だろう。

「優しそうな人だな」

 そう言ってアリアスはケタケタと笑う。

 ああ、なんだか、腹が立ってきた。

 ギュゥッ!!

「痛っぁあああッ!! なんで急に常るんだよ!!」

「別に……」

「ぼ、暴力反対!」

 あーー。

 なんかホッとした。

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