• 詩・童話・その他

然し岩城琴美

 吾が輩は麦茶を飲む。

 吾が輩は携帯小説を書く。

 吾が輩は物語る、新しく時を進んでいることに乗る寸前。

 面倒くさいことは無い。只今。

 只今。

 彼女の仕草を眺めていくだけ。それを幸せと云ふ。


 吾が輩は今日は食欲が無い。
 うどんを食べる気分にならない。
 焼きそばを食べる気分にならない。
 シーチキンを食べる気分にならない。

 今日はいつもの時間が無い。
 テレビは繰り返さ無い。
 然し僕たちは繰り返す。
 やっぱり僕は彼女を見る。
 季節が変わる。
 僕が吾が輩に変わる。


 然し岩城琴美。

 時は進んでも、繰り返さ無い。

 然し岩城琴美。

 然し、岩城琴美。




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