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岩城琴美のマシーン2

 岩城琴美は例の如く大人しく座り可笑しくはないのに僕を笑わせた。
 猫の云ふ人間とは違う僕たちは、新しく吾が輩と云ふことに乗る。
 上巻のまだ途中経過。兎に角忙しい日々を越えている。
 仕舞には二杯酢を飲むことに乗る寸前、不思議と云ふ仕草を繰り返さ無い。


 好い有り様で居る彼女は誰の人でもなからう。只時を超えることこそ今の恋愛事に相応しい。
 玄関を出て隣り合わせの敷地の草花を只愛でる。そう云ふ彼女が可愛い。



 是を書いて居るのは生憎彼女が久し振りに大阪市に帰ったから。 永らく神戸に一緒に風呂場で暮らしていたから吾が輩一人では張り合いが無い。


 別段是と云って困った事になったわけでは無い。 然しこう暑くては岩城琴美も苦しいと見えてしきりに汗を拭いていた。 お陰で服は着ないで下着だけだったので目には有難かった。居ないと矢張切なる気分が高まった。



 此の通り彼女が居ないと御馳走も可笑しく無い。大人しく帰りますと彼女が云ふまで待つことだ。

 岩城琴美もあんな帽子を買ったらいいでせふ。テレビを見てそう云ふだけの暮らしが有難い事が一人だと吾が輩は知った。




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