久々の土日。どうお過ごしですか。もう月曜だけど。
3月も残り僅かとなってきましたが、私は時間のある限り地道にヨムマラソンを続けています。
しかし現在ヨムマラソンで読んでいる作品は5月に迎える大賞作品の予想を立てておこうと思いまして、カクコン8エンタメ総合部門の中間を通った作品に目を通しているところです。
予想なんて立てられるのか? 基準はどこだよ? と思う人はいるかもしれない。
そもそもカクコン8特設ページに、こんな作品を求めているという感じで「参考作品」が3つ並んでいました。
①『六人の嘘つきな大学生』②『レゾンデートルの祈り』③『横浜駅SF』
こちらの3本です。
エンタメ総合に応募した方々は、目を通されたでしょうか?
①『六人の嘘つきな大学生』は、超人気のIT企業に最終選考で生き残った6人の大学生の話。数千人の応募者がいて激戦を勝ち抜いて最終選考を受ける大学生たち。その時点で全員合格にしとけよ!と突っ込みたくなるのですが、この最終選考には飛んでもない罠が仕掛けられているというエンタメ性の非常に高いミステリー作品。
②『レゾンデートルの祈り』は、安楽死がテーマのお話。舞台は近未来。2035年。感染症の蔓延をきっかけとして安楽死が制度化(合法化)されたお話。安楽死を受けられるには条件(年齢や病歴等)があり、しかもアシスターとの面談が最低10回必要。主人公はアシスターになるべく専門学校に通うところから序盤始まります。これ。今こそ、この時代に読むべき話。2021年に書籍化。続編2巻目が2022年に刊行。時代を先取る物語。
③『横浜駅SF』は、増改築の続く横浜駅が舞台の話。増改築って、よくある複雑化する地下鉄の構造がありますが、あるがままを説明すると、横浜駅が “ 自己増殖 ” を始めて200年が立ち、日本の本州がほぼ横浜駅化になる。←この説明の時点で、意味が分からないと思うかもしれない。そんな中、JR福岡駅と横浜駅、北日本と横浜駅という攻防戦。主人公が、自己増殖の進む横浜駅化を食い止める!?という感じの話。非常にぶっ飛んでいる。驚くべきは、本文一行目。表現力、語彙力が光る。
とまぁ、見本となる作品が幾つか紹介されていました。
特設ページの各部門(参考作品)においては、過去受賞作が紹介されていましたが、エンタメ総合のミステリーの見本は『六人の嘘つきな大学生』になりますでしょうか。
この時点で気づいた人もいるかと思いますが、『六人の嘘つきな大学生』はカクコン受賞作ではなく、ブランチBOOK大賞2021の大賞作品でKADOKAWA刊行のもの。
作者:浅倉秋成氏自身は、2012年講談社BOX新人賞受賞でデビューされた方です。
なので『六人の嘘つきな大学生』というのは、著者にとって6~7作目あたりに刊行されたものであり、ミステリーに書きなれた傑作。また受賞歴も凄い。
ブランチBOOK大賞2021大賞のほか、吉川英治文学新人賞候補、
2022年本屋大賞ノミネート、このミステリーがすごい!大賞2022年版国内編第8位
などがある。
浅倉秋成氏のKADOKAWA刊行作品には「教室が、ひとりになるまで」もありますが
『六人の嘘つきな大学生』は、オーディオブック化、舞台化、漫画化、そして近年に実写映画化予定されているほど、大注目作にあたるわけです。
だからこそ、エンタメ総合部門の応募で欲しいミステリーのラインとなると、上記のような注目作・受賞歴に匹敵する作品を求められる…想像に難くないわけですが、そのような基準を超えられるカクヨム新人作家は、果たして現れるか!?
というところ、でしょうか。
ここまで書くと、過去に第2回~第7回において、ミステリー大賞発表なしであったというのが、物語っている気がします。ある意味では、ミステリー界隈で、
このミス!に応募を考えている作品くらいでないと、厳しいのではないかと考えてしまうところですが「どういうトレンドを持たせたいか?」を考えたとき、もしかしたら今回、第8回目では大賞は出るのかもしれない。
その根拠としては、一つの疑問があるからです。
エンタメ総合部門の「参考作品」には、時代小説の見本がないような気がします。
ある意味、②③は時代小説として読むか!?と、ふと考えたのですが、いや、そこはSF枠なのではと思うところ。
それじゃあ、ぱっと思いつくエンタメ性の高い時代小説だと例えばですが、例えばですよ!アイヌの話が軸となる『熱源』、沖縄の地図に載らない基地を舞台とする『宝島』、これらは直木賞受賞作品ですが(どちらも凄い面白い!)時代を知らなくても楽しめる時代小説であり、また戦争小説だと近年には『同志少女よ、敵を撃て』(直木賞候補だったけど、2022年本屋大賞した作品)などがある。
いずれもKADOKAWA刊行作品ではないため「参考作品」には取り上げられないけれど、もしかしたら、そのような作品を、歴史・時代・伝奇で応募している作家に求めているところではないかと推測します。
今回、1万を超える過去最高の応募総数。そのような作品が、紛れ込んでいても可笑しくないのではないでしょうか。
とりわけ、エンタメ総合部門の中間通過作品は、218作品(実際、自分で数えた)
その中に、あるかもしれない。
という感じで、ヤバくて凄そうな作品があるのであれば、読んでみたい!!
なので、中間を通った作品を主に優先して読んでいるところなのです。
こんな時間に近況ノートに、つらつらと書いてしまったけど
実際、面白い作品はあったか?というと、なかなか興味深い作品がチラホラあります。
特に構成が興味深い作品は終盤まで目を通してはいる。
でも今月中には読み切れんよ。
今月は、本業の仕事が一年の中でも殺伐と忙しい年度末。年度末というのは、納期が多い。多いというか、息できないほど多すぎる。
だから休憩的に読んでる。それで精一杯。書くのは今月むりです。
仕事が落ち着く来月に入ったら、書くより、次は何を書くか。
まだ何も決めてない。それを決めなきゃなぁと思ってる。思っては、いる。
※上記に記載したラインの話は、個人的見解による勝手な話なので、本気にしないでくださいね。