雛野かなえ

診断メーカーのお題を使った短編です。前後はご自由にご想像ください。

世界の果てまで続く森に囲まれた国──クレイドル。 王直属の近衛集団『第一師団』に所属するチーニ･アンブラは、今日も暖かな夢で目を覚ました。残酷で、最悪で、悪趣味な現実を生きるチ…

どうか君が幸せでありますようにと願った人と、どうかお前を幸せに出来ますようにと手を伸ばした少年の話です。 「どうか忘れないで。君の輝かしくも辛いことで溢れているだろう未来には、…

優しいウソと、素直さの眩しさと、ウソの狡さと、素直さの鋭さを書きました。

吸血鬼を先祖に持つ、吸血衝動持ちのウソツキ王子佐伯友広と、血液が過剰生産されてしまう体質持ちの正直すぎて馬鹿を見るタイプの藍沢一樹は、今日も保健室で密かな吸血を繰り返す。 ※こ…

世界の外、此岸と彼岸の境に位置する悪魔の喫茶店。代償を払えばなんでも願いを叶えてくれると噂されるその店に、ひとりの青年が訪ねてくる。好きだから触れていたい。嫌われたくないから手を…

図書室の窓際にある入口から一番遠い椅子。そこに座って眠る間だけ、僕は死んでしまった彼女に会える。

茜と東雲。二人の少女のお話。 きっと彼女は毒見をしていたのだ。町中の青いものを片端から飲み込んで。

世界の外に迷い込んだ少女と店主の刹那のお話。

私立「神谷原学院」に通う天海、桜葉、春井の三人は学院長の許可がおりていない非公式の部活───「キタク部」を運営している。 学院のある制度を改革するために、一年間活動を続けてきた…

暑い夏の日に、ほんの少しだけ友達の輪郭を掴む。 そういうお話です。

「ボク」と「ワタシ」のお話。

一日しか記憶がもたない少女。 その少女をそばで支えてきた少年。 二人の小さな恋の終わりの話。 僕はずっと散歩していたんだ。彼女の隣で、柔らかくて暖かい寄り道を。

「心残り撲滅作戦」に巻き込まれた後輩と、幽霊部長の最期のお話。

僕と変わり者の君だけしかいない。 そんな一夏のお話です。

くだらなくて些細で、深呼吸の間に忘れてしまえるような日々の断片。 それぞれのお話に繋がりはありません。もしかしたら、同じ少年少女かもしれないけれど、違うかもしれない。

あ【あなた】から【ん？】へかけて、五十編の短編を書きました。