七沢ななせ

フローミィ王国の侯爵令嬢レイ•ハインリヒは、王子の婚約者でありながら実質雑用係としての毎日を送っていた。王子がこなしたことになっている仕事はすべて、レイがこなしたもの。浮気され、…

「私、あなたを買うわ」 拳闘士として閉じ込められていた奴隷の男のもとに現れたのは、蜂蜜のように煌めく金髪と宝石のような青い瞳を持った令嬢だった。金持ちの道楽なら、買われない。下…

精霊の申し子と呼ばれる女がいた。彼女の名前はミリアリア・スワン。幼いころから聖女と呼ばれ、その強さから国防の一柱を任されていたミリアリアだが、ある日突然その役目を解雇され王都から…

立て続けに爆音が響き、血と悲鳴が響き渡る戦場の、唯一の安息所。それは治癒テントである。怪我をした兵士たちが癒やしを施される場所。そこを取り仕切るのは、一人の女。兵士たちの間で「癒…

「みんなは私が守る！」 姫騎士と呼ばれる彼女は、戦斧を振りかざして不敵な笑みを浮かべた。 世界魔法大戦が終了した世界。かつて栄華を極めた地上の楽園は、荒廃した廃土と化していた…

「ここじゃおまえはただの椎名蕾じゃ」 白い歯を見せて笑う彼の髪が揺れる。耳元の銀のピアスが光った。 椎名蕾は許嫁の甲斐晴臣と同居するために、都心から離れた田舎町「火崩町」に引っ…

「アレクサンドラ・フォン・ベルナール。おまえを第一王子殺害の罪で国外追放を命ずる」 （こくがいついほうって、そんなに大変なことなのかしら？） 与えられたのは、死刑宣告とも等し…

水瀬美弦は、人魚の血を引く家系に生まれた。大きな秘密を抱えている。満月の夜になると全身にうろこが生え、激しい苦痛に苛まれるのだ。人魚を食し、その罪と引き換えに不老不死の力を手に入…

「すまない、君の妹が俺の子供を身ごもってしまったんだ」 アルテミシア・フォン・ローズガーデンは、結婚式を明後日に控えたその日に告げられた。絶望的な宣告。大好きだった婚約者が浮気…

ユリアナ村で平民として生きてきたルークが初恋した相手は、伯爵令嬢アルテミシアだった。彼女と結婚する！　そして平民生活脱却のため、ルークは平民から貴族になりあがることを決める。必要…

フロイドは奴隷だった。親もいない、見よりもいない。大切なものといえば、双子の妹サリだけ。地獄を2人きりで生きてきた。誰かに愛された記憶はなく、あるのは殴られ鞭打たれた記憶だけであ…

白銀天使と呼ばれた美貌の令嬢がいた。伯爵家令嬢サフィラ・ミアストーンは、その美貌から公爵に求婚される。しかしすぐに浮気され、あっという間に離婚してしまった。そんなサフィラを好いて…

高校最後の夏が始まる。私が好きなのは、私のおさななじみ。私の好きは彼にとっては「好き」じゃなくて、彼の「好き」は私にとっての「好き」じゃない。代わりじゃなくて、妹でもなくて、私の…

ある日、俺が見てしまったのは、最愛の彼女が知らない男と――。これ以上は言いたくない。俺が体験したすべてのことを、そしてその起死回生を、あとはその目で確かめてほしい。ただただ胸糞で…

激動の昭和初期。作家を生業とする風間は、避暑のため軽井沢高原へ訪れる。そこで出会ったのは、黙々と山々を写生する少女だった。名家の令嬢だという志乃と、風間は徐々に惹かれ合っていく。…

森に包まれたその場所に、カヴァーフォーンという悪名高き村があった。 森に隣接する閉ざされた村。そこには、太古より生きると噂される怪物、大狼がでる。夜に現れ、人を食い殺しては去っ…

リアルな内容も含まれますので、一応R15です。性描写は保険で。

人間に恋した人魚姫が、海の魔女に差し出したものとは。

大河ライン川に、古くから伝わる伝説。 美しい精霊ローレライは、その声で、舟人を引き付けるという。

時は高度経済成長期。 地価は高騰し、悪質な地上げが横行していた。 そんななか、一軒の民家が立ち退きを頼まれる。そこに住んでいた老女は頑なに立ち退きを拒否するが、嫌がらせはエスカレ…