平易な言葉で美しくつづられる情景描写に引き込まれます。油彩画が出てくる物語ではありますが、どちらかといえば絵筆に水をたっぷり含ませて描いた水彩画を思わせるような、澄み渡って儚い持ち味の文章だという印象を受けました。時代背景にもよく合った地の文で、続きが楽しみです。
じっくりと読書をしたい方におすすめの作品です!情景描写がとにかく細かく、風の音すら聞こえるほどの臨場感があります。また、語り口は硬いのですが、まさしく主人公が語って聞かせているような抑揚が感じられ、読み進めるのが全く苦ではありません。結末が明らかになってしまっているとしても、二人の間にどのような思い出があるのか、ぜひ聞かせていただきたいと思います……!