塩

いろいろな場所へ迷い込む旅人の話。 短編連作です。 異世界風土記さんの21年の企画『創作芋煮会（いふに）』で配布されたお題（フレーバーテキスト無しver）を使って書いた断片を短…

その国は、本国では『化け物』『呪われた目』と蔑まれるこの目が『生き神の徵』として貴ばれる地だった。 大陸にある大国から南海の島国へと島流しのように使者として送られた先で、まさに…

炎の中に開いた〈眼〉によって故郷を追われた少女フラエシルトゥは、自身も知らぬうちにその身に魔を宿していた。 馴染まぬ力に翻弄されながらも、少女は黒衣の〈血〉の魔術師に連れられ都を…

地の底から静寂があふれ、天の帳が星の瞬きさえ封じたとき、腐臭をはらむ錆びついた夜が集落を襲った。すべてを失った青年ヨドに残されたのは守狼のバルのみ。 夜に囚われた少女を取り戻すた…

「シャンクフラウンの左目」 隠遁した画家シャンクフラウンへ、私は北の王の依頼を告げにいった。しかし彼は、もう絵は描けぬという。そして「描けぬ」ということを証明してみせるといって、…

少年は落ちた鳥と出会い、また少年は失われた星と巡り会う――。 赤い岩砂漠に囲まれた砦の街ティシサに住む少年たちの物語。 死んでいくもの生まれるもの、そして受け継がれるもの。旅路と…