「赤」という日本語は奥深い。
特に、「真っ赤な嘘」という用法は知っているが、語源が定かでない。
結局、聖書から調べる事にした。
「赤」と呼ばれたエサウは、確かに「嘘の誓い」をした。
彼はヤコブに「長子の権」を譲ると誓ったが、いざ父からの相続を絶たれてしまうと、「あいつを殺してやる」と態度を変えたのだ。
「誓い」は嘘だったのか?
「エサウ」・・・
後にエサウは、他民族から妻を娶り、他人になってしまう。
創世記26章
34 エサウは四十歳の時、ヘテびとベエリの娘ユデテとヘテびとエロンの娘バスマテとを妻にめとった。
35 彼女たちはイサクとリベカにとって心の痛みとなった。
…これが、「赤の他人」の語源ではないかと私は考えている。
イサクが妻を娶る時、わざわざ親戚の土地に人を遣わし、同族の中からリベカを選んだからである。
エサウの家庭はそのしきたりを破って、系図上の他人となってしまった。
つまり、同族の中で「赤の他人」はいないのであり、神の民は全てが親戚関係だからである。
「赤っ恥」もまた、エサウの周辺に始まったのかも知れない。
「彼の意識はそれほど軽いのか?」
契約を重視する神の民には、考えられない話なのだ。
神社の千木は、神との契(ちぎり)であり、その契約が信頼できないなら、内外に恥をさらすのである。
「エサウと真っ赤な嘘」の関係は、私の中で最有力候補となっている。