歳を重ねると、どうにも泣きやすくなるのは困るものでして。
長編では世間や大衆に毒づいて、短編では人の死を描くことで、やりきれない何かを腑に落とすことに挑戦してる私ですけど。
こんな毒吐きの奴でもいちおう泣きますよ。
人間だもの。
旧のぶドラの「ドラえもん」で、のび太がおばあちゃんにランドセルを背負った姿を見せに過去に戻る回が好きですね。
同じく酒に酔って大虎になるのび太のお父さんに、タイムマシンでおばあちゃんを連れてくる話も。
おばあちゃん関連のエピソードは割とどれも神回だと思います。
それは私の祖母も母も、もはや会う事すら叶わないからですかね。
この歳になってこの立場になってホントありがたいものだと痛感します。
ちなみに母方の祖母だけは百三歳でも元気に頑張ってますけど。
唯一、この歳でまだ孫をさせてくれるという感覚は、本当に嬉しいものです。
でもまぁ、僕は外孫ですからね。
その辺はなかなか会えないし声も聞けないのも、仕方ないなと思いつつ。
だもんで、短編でサクッと泣ける話を書ける先生方は本当に素晴らしい才能ですよ。
たった数千文字で私の涙腺を刺激するとは、なかなかの強者。
でも今宵は酒の力を借りたのですから、私の分が悪かっただけ。
別にシラフで飲んだら二回に一回くらいしか泣きませんから。
泣かせるとか感動系って難しいですよね。
露骨にお涙頂戴だとうすら寒くなる場合もあるし、それが自分の体験や経験や記憶にマッチして、心境と深い部分でシンクロした時、初めて泣いた涙が内から込み上げる素直なものだと思うのです。
ならば私も長編で泣けるコメディを書くぜ!と思ったら、あまりの低PVに驚きつつ。
短編ならば、別に泣ける話でもない、ただ人の死が関連するだけ。
つまり私はただ人の死を淡々と、いろんな角度で描くだけの「死神」作家ですね。