最新話『第58話 誠の知らない『地獄の国』』更新しました!
アンが去った後も、誠の脳裏にはその銃創が思い出された。
今十七だと言うがあの銃創からしてよほど幼い時からアンは戦場に身を置いていたのだろうと誠は思った。
東和の平和は『ビッグブラザー』の意志でアナログ式量子コンピュータとそれがもたらす経済力によって成り立っている。
そのことをアメリアに言われた時それを自然に受け入れていたが、今の誠はそれのどこが悪いのだと開き直っていた。
同盟成立により『修羅の国』北部ベルルカン大陸にもいずれ平和が来る。
誠はそう信じていた。