最新話『第19話 頼りになる白石さん』更新しました!
白石さんは隣の菱川重工豊川工場の工場長とも長い付き合いだった。
工場長は社会人野球の注目選手として菱川重工に入社したと言う。
当時はプロ野球のドラフトの有力候補としてマスコミの取材が工場に押し寄せるほどだったと言う。
ただ、都市対抗の大会終わりの練習で足を痛めると野球人生は暗転した。
守備のリズムを打撃に活かすタイプの工場長はそのまま打撃のリズムをつかめずわずか三年で社業専念を理由に社会人野球を引退した。
しかし、本社の法人営業部に移ってからも大活躍をつづけ、出世街道を驀進した。
そして四年前に取締役執行役員兼工場長として菱川重工豊川に戻ってきた。
その意地をかけてのこの工場の兵器工廠としての最後のシュツルム・パンツァーが05式だった。
『近藤事件』での05式の活躍を工場長も喜んでいるだろうと白石さんは笑顔で行った。
誠はそんな工場長に会ってみたいと思うようになった。