約10ヶ月におよぶ連載が終了しました。
「スノーウィ・ハンド」はこれにて完結です。

11月に開始して、あっという間に冬が過ぎ、現実では夏まっさかりの時期に作中ではもっとも寒い雪の季節を書いて、ふたたびの11月を迎える前に、走り終えました。

実際に雪が降っている季節には、雪明かりというものを体験しました。

夜なのに明るーい! これはなぜだーと調べて、せっせとメモに残して、物語が雪の季節になったときに活用しました。

また、わたしの母が寝起きに転んで頭を切ってしまうというアクシデントもありました。

縫う必要もないほどの軽い怪我だったのですが、出血量が多くて、「小さい傷なのにねえ、こんなに出るもんかねえ」と医者に不思議がられたそうです。

この話を聞いたわたしは、……はい、とある場面を書くときに大いに役立ててしまいました。ありがたや。(あ、母は今も元気です)



さて、「スノーウィ・ハンド」です。

訳すと、雪まみれの手、あるいは、雪のように清らかな手、といったところですかね。

誰の手のことなのかな、と考えてみてくれたら、うれしいです。


雪のよう、と形容されるものはいくつあるのでしょうか。

雪のように白い。雪のように純真。雪のように消える。あるいは、積もる。
やわらかい。冷たい。軽い。重い。静か。

雪のように消えてしまった人がいました。
白い闇ですべてを隠そうとした人がいました。
純粋無垢な心で闇に寄り添おうとした人がいました。
雪をはらって剥き出しの地面を見ようとした人がいました。
吹きつけられる冷たい現実に耐えようとした人がいました。

彼らの上に隙間なく雪は降り、そして冬が終わりました。
事の始まりも、終わりも、スノーウィ・ハンドによってもたらされた。
そういう物語を書きました。

最後までおつきあいくださった読者の皆さま、ありがとうございました。


「スノーウィ・ハンド」の更新はもうありませんが、作中で飛ばしてしまったエピソードを新作中編(2万文字をすこし超えるくらい)として公開する予定です。

主人公はエリではありませんが、こちらもよろしくお願いします。
公開は9月6日を予定しています。