藤光

中国の歴史を題材にしたファンタジー「後宮小説」などで知られる作家の酒見賢一（さけみ・けんいち）さんが7日午前4時45分、呼吸不全のため死去した。59歳。福岡県出身。葬儀は近親者で行った。（共同通信）

第1回ファンタジーノベル大賞受賞作である『後宮小説』は、わたしの青春の一冊でもあり、ショックだ。亡くなるには若すぎる。

魔術的な文章を駆使する人で、孔子の弟子として知られる顔回を主人公に据えた『陋巷に在り』は、わたしが読んだ小説のなかでも指折りの奇書。すごい作家だった。