西フロイデ

寝つけないのでちょっと設定裏話を……。

＃１
青のライダー、アマトウは、２部が初出で意外と古参です。じつは、２部でフィルが人間の国に出奔したさい、フィルに似たイケメンを出す予定で考えていたキャラでした。今のキャラでいうと、ハズリー（レヘリーンの愛人）が近いポジションでしょうか。竜族・人間の混血でイーゼンテルレの貴族という設定でした。

そのため、初期の設定がちょっとフィルに似ています。アマトウが茶髪なのは、当時まだフィルの髪色が茶か金かさだまってなかったので……（いまはくすんだ金髪というか、砂色と書くことが多い）

そしてハズリーは、初出時アズケムという名前でしたが、アマトウと混同しやすそうだと思ってあとから（７部で）変更したのでした。

＃２
５部からレギュラー入りした竜騎手ロールですが、姿だけなら４部おまけからでています。
ロールという名は、もともとフィルに用意していた名前のひとつでした。（フィルは、なかなか名前が決まらなかった）
デイミオンの名前の由来のひとつが、ダン・シモンズのSF小説『ハイペリオン』シリーズの主役（ロール・エンディミオンという青年）で、この名前を二つに分割してロールとデイミオンというキャラ名を作ったのでした。

なんとなく気に入らずにお蔵入りとなり、あとでモブキャラに名前をつける必要ができたとき、この名前を流用しました。

主役用に用意した名前だったせいか、モブキャラだったはずの青年ロールはのちのち重要な役どころに……。
ほかにも、モブ役で出たおまけSSで「ハチドリの竜騎手」と呼ばれていたことから、彼はのちにリアナの誓願の竜騎手になります。リアナの印章がスイカズラなので、相性がよさそうと思ったのでした。

そういう意味では、偶然のかさなりから出世したキャラです。

＃３
フィルがリアナにわたしていた指輪。一度だけ通信用に使えるという、いかにも意味ありげな設定の小道具です。

もともとは、フィルが想定していたとおり、リアナのピンチのときに使わせる予定でした。デーグルモール化したときなど。
今回、そのエピソードが入らなかったので小道具の設定が宙に浮いてしまい、使いどころに悩み……でも、ああいう使い道で正解だったといまは思います。いかにもリアナらしいので。

＃４
少女エリサについて。
北部領に隠されていた、リアナの母のクローンです。
もともとは、エリサ本人を出す予定でした。死んだはずがじつは……という。あつかいが難しいキャラなので、登場してすぐ死ぬ予定でしたが、そういうご都合主義なキャラを出すのもどうかなと思いボツに。

子どもの姿も、もとは亡霊かなにかにするつもりでしたが、気づいたら実体になっていました。こんなに活躍するとわかっていたら、４部あたりから伏線をしこんでおいたんですが……

リアナとフィルのあいだに娘（ローズ）が生まれたことで、デイとのあいだにも子ども的な存在がいたほうがバランスがとれるかと思い、エリサは王都にやってくることになりました。もしエリサがいなければ、物語の結末は違っていたと思います。なので、けっこう、大事なキャラクターです。

エリサは次世代とのつなぎにもなり、もし続編を書くとすればそこそこ重要な役どころになると思います。今はちびっこ魔王さまですが、成長してからはそこまで傍若無人ではなく、母エリサともちがう落ち着いた女性になります。

今はわりと仲がいいデイとエリサですが、成長してからはリアナをめぐって反発しあうことになります。また、ローズとの関係もけっこう複雑で……
そしてあいかわらず、自分にふりむかない美男子ばかりを好きになる運命がつづきます。

＃５
設定は作ってあったのにあまり活躍しなかったのが、『暁のイディス』とその部隊員たちです。フィルの指揮のもと、西部で活躍する予定だったのですが……
あまり西部編がながびくと本筋がわからなくなってしまうので、かなりプロットを削ったため、出番がなくなってしまいました。
イディスは最初の出番も地の分の説明のみで、個性はあるのに出番が減ったかわいそうなキャラでした。もともとは４部で出てくる予定でした。（武術大会で失格になって……という話が会話でだけ出てきますが、それがもともとは独立したお話でした）

リアナが西部に来ていれば、もっと活躍したと思います。

＃６
リアナと地下の民とのかかわりも、あんまり本編に盛り込めませんでした。
４部あたりで出す予定でした。
ルーイとばちばちやりあっていたあたりで、炊き出しの帰りに雨にふられたリアナが彼女の竜車に同乗するというエピソードがありましたが、あのあたりです。

エリート軍団の竜騎手たちは、じつは市民にあまり人気がありません。
なので、ライダーたちの評判をよくする目的もあって、リアナはあれこれ慈善事業を計画していました。設定だけは、ちょこちょこ出てきますが……。

＃７
エンガス卿の最後は、５部あたりで書く予定でした。５部の前半で活躍したのはその伏線でもありました。
いざとなるとけっこうしぶとく生き残ってくれて、６部で生き返った（？）ときは、これでもうシリーズ中では死なないかもな～なんて思っていました。

でも、これしかないという結末になって、悲しいなりに満足しています。

＃８
前半の、寵姫たちと新人イビリの話は書いていて楽しく、尺さえ許せばもっといっぱい書きたかったです。
リアナは逆境に強いというか、ライバルの女性がいたほうがやる気が出るタイプかも。
ただ、フィルの浮気シーンを書くのは平気だったんですが、デイの寵姫たちは意外と書きづらかったです。デイのほうがあんまり気持ちがのってなかったからかな。「全員まとめて来い」とか、おいおい……という感じですよね。

デイのほうは、別れているあいだもじつは「つがい第一主義」がゆらいでないというか、それ以外の女性は遊びか繁殖かで割り切ってしまうタイプのようです。

フィルは逆に恋に落ちやすく、フェリシーのときも本人はけっこうまじめでした。なので結婚の話をしたり、母親に紹介したりもしています。
本心ではリアナを忘れられなかったはずですが、自分で自分を騙すというか、別の子を好きだと思い込んでいたというか……めんどくさい男です。

自分の気持ちににぶちんなフィルは、リアナへ愛に気づくのも遅くて、そのあたりでもデイに後れをとったのでした。（１～２部など）

寝ます～
思いだしたらまた書きます。

やった！設定語りしてくださってる！

｢ほほう、なるほど～｣ってところや、｢うんうん、そう思ってた！｣ってところもあり、楽しく読ませていただきました。

実は私、デイミオンの名前をよくエンディミオンと混同するのです。
そしたらデイの名前の由来のひとつがロール・エンディミオンだと。じゃ間違っても仕方ないのでは、と(よくない)
ちなみに私がよく間違う方のエンディミオンはうさぎちゃんの彼氏の方の彼です。当時の私の憧れの王子様でした…
ロール・エンディミオンさんはどんな方なのか気になりますが、元のお話を読むには気合いが要りそうですね( ^_^ ;)

＞@asami-k様

えへへ
毎度見てくださり、ありがとうございます！

エンディミオン⇒デイミオンの話は何度かしてるので、混同するのもあたりまえだと思います！　うさぎちゃんの彼氏ももちろん頭にありましたよ～。よくさらわれるとことか、ヒロインっぽいところがデイに似ているかもしれない。黒髪青目なのもいっしょですよね(*´∀`*)

ロール・エンディミオンも、わりとヒロインに助けられてばっかりの男なような……。大長編だし、けっこう残酷なシーンもあるので、気合がいるのはそのとおりかもです。ヒロインが強くてかわいいんですよね。

＃９
急にでてきたご先祖様ことタムノール。
以前からちょくちょく、伝説のように名前だけ出てきたアルナスル王と同一人物だと思われます。
ぜんぜん出す予定ではなかったのに、気がついたら２話ほどさいて出てきていました。デイをイケオジにした感じの人です。

７部の歌劇では「嫉妬のあまり妃を殺した」となっていますが、実際のところどうだったのかはわかりません。ただ、つがいの女性を失ったのはたしかなようです。

＃１０
地理と歴史についてすこし。

東部は広大な荒野で、いろいろ謎の多い場所です。最初の入植者たちが、北⇒西・南⇒東と開拓していったので、いちばん未開で原初なものが残っています。
逆に北部は、人類の最初の入植地なので、現代文明のなごりがあります。５部で、ナイルがリアナに北部領の説明をしている箇所がありますが、あのあたりですこし語らせています。「セント・ポール」などキリスト教由来の地名が残っているのも北部の特徴。

イケオジタムノール様、かっこいいんでしょうね〜
絶対好み！エクハリトスの男にハズレはいない(見た目は)

地名は、北部が詩的で美しくて印象的でした。
対して西部の｢池！｣｢湖！｣には笑ってしまいました。
歴史的な背景もあっての名前なんですね。
北部は他地域を田舎と下に見ているようですよね。
南部と東部の関係はどうなんでしょう？
東部が一番未開ですが黒竜のライダーが多く勢いがありそうです。

＞エクハリトスの男にハズレはいない(見た目は)
カッコの中身が重い！(笑)
各竜種のライダーたちが集まったところを見てみたいものです。エクハリトス家は美貌かつ真っ黒で壮観だろうな～と思います。

＞北部は他地域を田舎と下に見ている
そうなんです、覚えてていただいてうれｃです。
ナイルの第一夫人がいけずなことを言ってましたよね。彼女にかぎらず、白竜のライダーたちは自分たちが一番えらいという意識がけっこう強いです。宇宙船のなかでの序列が、白竜が一番だったことのなごりかも。

黒竜と赤竜のライダーたちは仲間意識があるので、南部と東部の関係は良好なようです。東部は王都から遠く、荒涼としているので、赴任地としてはあんまり人気がありません。南部は人間の国家と国境を接しているので、文化が混合していて華やか。

西部は（ライダーが少ないため）中央とかかわりがうすく、のんびりした穀倉地帯がひろがっています。

＃１１
幼なじみ４人組（ロール、フラニー、サンディ、ザック）について。
じつは４部のおまけSS（お妃選び競技会）にモブで出ていた……という話は何度か書きましたが、サンディだけは例外で、５部からの新キャラです。

かなり初期なんですが、デイとフィルの兄弟設定ができるまえに、デイの弟として何人か考えていました。そのうちの一人が、サンディの原型です。性格はいまのまんまの高慢ちきで、フィルをいじめさせるつもりでした。
この設定はフィルが弟になったためになくなりましたが、名前はマルミオンに、外見や性格はサンディにそのまま流用しています。

余談ですが、
名前を考えるときに、日本語ぽかったり英語ぽかったりすると覚えやすいのではと思っていた時期がありまして。
アマトウは「甘党」っぽく聞こえて覚えやすいかなと……
そしてサンディ（サニサイド）はSunny sideと聞こえて覚えやすいかなと……

そんな感じで安易につけました。
覚えやすそうな名前シリーズはまだストックがあるので(笑)そのうち新キャラで出すかもしれません。

ところで唐突にBでLな話になるんですが、
しばらく前に見かけたツイートで「敵組織に追われて二人で車で逃亡する場合、窓からガンガン銃を撃っているほうが受け、ハンドルを握っているほうが攻め」
というのがあったんですよ。

それでいうとロールが攻め、サンディが受けになります。びっくり！！

でもこの二人が恋愛する場合、主導権を握るのがロールなのはまちがいなさそうです。

わーい、見る度に増えてる！

名前は、今回の話題とはちょっと違うんですけど、愛称呼びが馴染みがなくて初めのうちは混乱しました。
デイミオン→デイ、フィルバート→フィルは頭をそのまま使っているのでわかりやすくスっと入りました。
ロレントゥス→ロールは初めのうちは同一人物とぱっと認識できず。幼なじみ組は皆すこし引っかかっかったかもです。
日本名だとここまで変形することはあまりないですしね( ^_^ ;)

ライダーだから美しい堅苦しい名前つけられてるのね、とか、アーシャ姫やベスみたいに本人が愛称呼び推奨してるとか、今ではその設定込みで楽しんで覚えられてますよー！


BなLのお話は大変興味深いです。
今まであまり読んでこなかった分野なので…
受け攻め考えるだけでもこんなに楽しめるんですね！
ロールとサンディのおかげで新しい沼にはまりそうです～

設定がたり、永遠につづきそうで怖いです(笑)

幼なじみ組の名前まぎらわしかったですよね。私もぜんぜん覚えられなくて、ザックとサンディをよく混同していました。さすがにいまは大丈夫ですが……。ロレントゥスも、誤記が多かったです。ロラントゥスとか。

アーシャ（アスラン卿）とかロール（ロレントゥス）とかは、おっしゃるように愛称と名前が結びつかないだろうな～と思うので、両方いっしょに書くようにしてます。ロールがとくにね～。わかります。

BでLな話は、本編ではあんまり踏みこまないと思うんですけど、つい好きであれこれ想像してしまいます(*´∀`*)　サンディはデイとおなじ顔だけど抜けてて隙が多くて、だんだん愛着がでてしまいました。

ロールは同性愛者であることに葛藤しつつ、しかもライダーとしての能力がとても高いので、恋愛面では「なぜあえてそいつを」という相手を選ぶんですよね。
前にも書きましたが、デイとフィルならフィル派で、完璧美男子よりもめんどくさい男が好き。「この人は私がいないとダメなのね」みたいな男を選ぶところがあります。

ラブな関係になることはありませんが、リアナの「第三の男」として、次世代でも重要な役どころになります。フフフ。