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小説と全く関係ない『超探偵事件簿レインコード』感想

前々から気になっていたゲーム、『超探偵事件簿レインコード』の本編をクリアしたので感想書きます。ただし仲間との会話とかDLCは網羅してないです。
ネタバレあり。


まずは面白かったです。遅ればせながら買ってよかった。

ダンガンロンパスタッフの新作だと聞いていたので過去にダンロンに触れたことのある身としては期待値が高かったんですが、基本システムはあまりダンロンと変わらないもののグラフィックが綺麗な3Dになっていたり、探偵ものになったことでかなり印象が違って飽きませんでした。

また、ダンガンロンパと言えばプレイヤーの予想を大きく覆すシナリオの数々。過去にキャラを容赦なく殺しまくったという嫌な実績によってプレイヤーを疑心暗鬼にさせたり、伏線を仕込んでおくのが上手いなぁと感心しました。
特に後半は、ダンロンプレイヤーなら絶対に騙されるまさかの仕込みが発覚して思わず笑ってしまったり。
メインキャラクターも皆個性的かつ魅力的で、死ぬかなー死なないかなーと割とずっと半信半疑でした。ちなみに個人的にはとにかく懲りないデスヒコがお気に入りでした。そのうちヘルヒコに進化しないかな。

予想を裏切ると言ってもダンロンに比べればヒントは多かったですが、そうした細かなヒントを頭の中で繋げて自分なりに考えるという楽しみ方が出来たので、理不尽な裏切りと感じるところもありませんでした。
ナンバー1ジジイの声が神谷明なのは面白かったなぁ。絶対毛利小五郎ポジじゃんと思ったら案の定そうでした。

ここからはもっと踏み込んだネタバレです。
結構ペルソナ5感あったのは題材が似ていたからもあるんだろうけど、それはさておきます。
物語の結末が思っていたより平穏だったことにはもしかしたら賛否あるかもしれませんが、行き当たりばったりでもやってみればなんとかなるみたいな主人公ユーマの考えが、嘗ての感情を捨てて全部自分で背負おうとしたもう一人のユーマであるマコトを変えたという意味では感慨深いと思いました。
あれは死に神ちゃんと一緒だったからこその勝利でしょう。
ちなみに作者はユーマナンバー1説とユーマホムンクルス説の二つを考えたものの、ナンバー1説を唱えてからクリアするまで間が空きすぎてそっちの説をすっかり忘れて見事に予想を外しました。ムービーでは疑ってた筈なのに、このうっかりさんめ。

BGM。良かったですね。ダンロンの時もそうでしたけど、音楽自体はそんなに多くないんですがアレンジなどを上手く使って場面によくマッチした曲が多く、その辺は流石だなと思いました。

ゲーム性。概ね良かったですが、ちょっと荒削りに感じる部分もありました。
ゲームは基本的に町をうろつくパート、事件の調査パート、謎を解く謎迷宮パートの三つに分かれています。

まず町をうろつくパートですが、ほどほどの数サブイベントがありました。ただ、一つ一つが結構あっさりめで続きのないものが多く、ちょっと当たり外れがあるかなと思いました。本編を阻害しないために敢えて抑え気味にしたんだと思うのでこれは好みによりけりかな。

調査パートはそのまんま調査パートですが、基本的に主人公達が保安部に追われているというシチュエーションからちょっとしたアクション、QTEが織り交ぜられていて……まぁよく死にましたね。普段QTEのあるゲームをあまりやらないのでボッコボコでした。でも超探偵の能力が一つずつ明かされ、それをしっかり活かした上でユーマや死に神ちゃんの力と絡めていたので毎回変化があって楽しめました。

さて、問題は謎迷宮パート。
個人的には迷宮のデザインが非常に凝っていて内容も楽しめましたが、改善の余地があるんじゃないかという感想です。
先ほども説明したんですが基本システムはダンガンロンパとあまり変わっていません。難易度自体もそんなに難しい訳ではなく何度もやり直しができるので、詰む人はまずいないと思います。推理ゲームとしては優しく、早送り機能もあってテンポがいいです(※アプデ前は推理デスマッチというモードだけロードが恐ろしく長かったですが、アプデで改善されました)。逆転裁判との差別化がより進んでそこはよいと思います。
個人的にですが、ちょっと問題かなと感じたのは下記のことです。

・後半のQTEの多さ
・基本は変わらないのに難易度だけ上がっている部分があった
・ゲームの提示する答えとプレイヤーの答えが微妙に合わない

QTEについて。
ゲームには定期的にQTEが登場し、特に後半になってくるとQTEがバンバン出てくるんですが、謎迷宮内のQTEはかなりめんどくさいです。
特に嫌だったのが、敵が一つの疑問に対して複数の言葉を順番に飛ばして攻撃してくるもの。言葉その中に一つだけ疑問への答えがあるのでそれだけQTEで撃ち返せば進むというシステムです。外れの言葉は押さずにスルーできますが……僅かな入力時間の間に飛ばしてきた言葉を読解して成否を判断し撃ち返さないといけないので結構難しいんですよね。私がQTE苦手というのを差し引いてもちょっと推理ものに組み込むにはかみ合わせが悪いなと思いました。

難易度上昇について。
ゲームの難易度が上がること自体は悪くないんですが、以前より難易度は上がったのに対してカタルシスは変わっていません。
難易度が値段でカタルシスが買って得られる利益だと考えれば、ただ値上げしただけになっているということです。
特に死神ちゃん危機一髪は過去のダンロンにあった閃きアナグラムと基本的には同じですが、閃きアナグラムがややぬるかったのに対して死神ちゃん危機一髪は使える言葉が把握しづらいので難易度が急激に上がっています。

最後に、これら二つの足を引っ張るのがプレイヤーが推理して導き出したワードとゲームの提示するワードがちょっとずれてるというのがあります。これは推理系のゲームでは割とよくあることなのでレインコードだけの問題ではありませんが、答えは分かっているのに思い描いた単語と求められる答えが違うのが体感で結構あったと思います。
それが上記の問題と絡まってくるので余計に厄介でした。

ただ、ダメだったときのペナルティは大したことないし強化要素も少しはあるので一応苦手な人への配慮は感じられました。

という訳で総評。
『超探偵事件簿レインコード』は一部ちょっと苦戦するけど全体的にやってよかった素晴らしい作品でした。

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