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完結「銀色の兎姫」&小ネタSS/カクヨムコン(短編)中間通過しました


こんにちは、ご訪問ありがとうございます。

❁ 「銀色の兎姫」、完結しました!
https://kakuyomu.jp/works/16817330664507318984

コンテストの関係で急ぎ足の更新となってしまいましたが、無事完了できてよかったです。
他所からの転載ではありましたが、カクヨム掲載時にちまちま見直し&加筆したところ、気づけば全体で数千字増えていました。再読くださっている方々にも、読みやすさなどがアップしていたらいいなあと思います。

また、投稿再開準備をしていた2月後半〜、家庭のことで恐縮ですが心身共に疲弊してしまって。もう創作続けられないかも、と思った瞬間があったのです。
再開するって公言していたのでなんとか再開はしたのですけど、PVや反応が0だったら正直失踪していたかもしれません……。
続けられたのは、早速読みに来てくださったり、♡や星でのリアクションをくださった皆様のおかげです。ありがとうございます(* . .)))

もちろん、新たに興味を持ってフォローくださった方や、完結後にゆっくり読もうと思ってくださっている方にも感謝です。
お忙しいなか目をとめてくださって嬉しいです。どうぞお好きなタイミングでいらしてくださいね。

それと、完結後のちょっとした小ネタを書こうと思ったら、1300字程度のSSになりました。こちらの最下部に載せますので、よかったらご覧くださいませ。


❁ カクヨムコン短編賞の中間選考、一つ通過していました。

「想い 記憶 ラング・ド・シャ」
https://kakuyomu.jp/works/16818023212261897924
現実世界/文芸。即興詩を元に文章にしたものです。

読者選考などの仕組みをあまりわかっていなくて、参加することに意義がある!と短編数作のみ出していたのですけど、一つ残していただけて嬉しいです。
お読みくださった方、応援くださった方、誠にありがとうございました。

そして、通過された皆様、おめでとうございます!
(応募総数&通過作リストが膨大で全て見られていないので、あとでゆっくり見てきます。)


それでは、最後に「銀色の兎姫」小ネタSSを置かせていただきますね。
本編完結まで(主に二章〜)の内容を引いたものとなっております。
小ネタというか、物語を一段深く味わっていただけるエピソードになっていたらなと。

❁ 小ネタSS 〜 兄弟の会話 〜
(完結後、リオレティウスが帰国して少し経ったある日のこと/兄目線)


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「兄上。そういえば、俺が戻ったら話すと仰っていたことは?」
「ああ。では……今晩、二人で酒でも飲みながらにしよう」
「酒が必要な話ということですか」
「まあ……そうだな」
「……義姉上にご関係が?」
「お前、そういう話には疎いんじゃなかったか」

 第一王子エドゥアルスは冷静な表情を崩すことなく、ちらとだけ弟王子リオレティウスを一瞥する。
 弟は屈託のない笑顔を見せている。やはり眩しいな、と思う。

 弟からの問いは無視し、エドゥアルスは続けた。
「今年はセレス地方のワインの出来が良かったらしい。献上品として来ていたからそれでも――」
 が、途中で何かに気がついたように言葉を止めた。


 セレス地方はこの国の南東に位置し、ワイン造りで有名な土地だ。特徴的な白色の土壌を持つ地であり、他では生育できない珍しい品種の葡萄が栽培されている。
 葡萄の品種名は「シェリア」。隣国ガイレア語風に発音するとすれば、「シェリエ」だ。熟れた粒の淡い薄緑色は、ワインとなった際にもそのまま綺麗に発色する。

 偶然とは、言い難いな。弟王子が隣国から迎えた妃のことを思い浮かべて、エドゥアルスは心の中で独りごつ。
 彼女の瞳はまさしくこの白葡萄に似た、淡い薄緑色をしている。

 だが、件の葡萄は隣国では栽培されていない。土壌や気候等の諸条件が揃わないと実らぬ希少種ゆえ、この国でも採れるのはセレス地方のみだ。
 特産品であるワインは大量製造できるものではなく、もちろん長年敵国であったガイレアへの販売経路はなかった。

 但し、定住地を持たぬ旅の芸人や商人を通してということなら、隣に渡る可能性はある。
 にしても、当時は敵であった国の葡萄を人の名付けに使うとは相当風変わりな――。


「……数年前、ガイレアから一度目の和平案が挙がったとき。父上が無条件にこれを受けた理由を知っているか?」

 いえ、と小さくかぶりを振った弟に、エドゥアルスは微笑みかけた。

「私も真相は知らない。だが、その話も後でしよう」

 ガイレアから提示された姫の名に込められた意味を、ウレノス王である父は知っていたのか。もしくは知らずとも、ウレノスの固有名詞由来であるその名に、何か思うところがあったのか。
 聖像のような佇まいをし、人の心など見えぬと思っていた父は意外と……


 ――人の想いが、何かを動かすこともあるのだな。

 改めて、弟夫婦のことを思う。彼らは長年敵対していた二国を繋いだ。
 しかし、弟にもその妃にも言えることだが、彼らという一人の人間に絶対的な力があったわけではない。言ってしまえば、運がよかっただけかもしれない。

 弟はたまたま、王の許しを得て自軍を動かせる立場にあった。少女のほうは、偶然出会った女性が頼れる協力者となった。
 弟が単身で駆けていったところで蛮族戦には勝てなかっただろうし、少女の意思を伝える女性がいなければ状況は動かなかっただろう。

 でも、そうした周りの助けを得られたのは、やはり彼ら自身の想いがあったからだ。ウレノス王や軍の面々も、ガイレアの女性も、彼らに心動かされた。エドゥアルスもその一人だ。

 相手を想う気持ちだけで国の在り方を変えてしまうとは、まったくすごいとしか言いようがないな――。

 こうしてエドゥアルスは、冷静な瞳の奥で静かに祈った。弟夫婦がこの先も末永く幸せであることと、両国の未来を。



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(本編対応箇所補足)
シェリエンのお父様がどういう人かというのは「銀の太陽 -2」
兄弟の“戻ったら話す”うんぬんは「青の援軍 -2〜3」
それと、「王子妃としての日々 -1」の第二章プロローグにも要素が散りばめてありました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330664507318984

小ネタまでお読みいただき、ありがとうございました!

4件のコメント

  • おめでとうございます♪
    ssもありがとうございました。名前の由来ですね。
    あの二人の会話が目に浮かびました。そこまで追いつくの楽しみです。
  • おめでとうございます☆
  • > 深月さま
    おめでとうをありがとうございます!
    名前の由来は、思い出の葡萄(ワイン)+指小辞なイメージでした^^
    日本語にたとえるなら“小梅”ちゃんみたいな方向性? なんか古風…笑
    SS楽しんでいただけてよかったです♪
    ちまちま加筆はしてますが、話は変わってないし作者以外は気づかないレベルかもしれないので、どうぞゆっくりで!
    再読しようと思ってくださっただけでとてもとても嬉しいです(*^^*)
  • > 古森さま
    おめでとうをありがとうございます!
    “兎姫”もお読みくださり、お星さままで大変感謝しております(* .ˬ.))
    どこから見つけてくださったんだろうと、とても嬉しくなりました^^

    ネトコンネタ、息子さんとのやりとりがとても素敵でコメントしたかったのですが、人見知りしてしまって…|ω・)
    こんなところですみませんが、読ませていただきありがとうございました!
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