おかげさまでカクヨムコン5エントリー中の拙作「吾輩は異世界転生した猫である」が無事完結&10万字突破しました!
ここでは、本編では語らなかった裏話などを綴りたいと思います。はい、要するに「ヒトリゴト」ですね。
第2回目は「登場人物」について書いてみます。
これらは基本的に、本作のベースとなった御存知、夏目漱石先生・著「吾輩は猫である」から発想を得て、こけばしなりに一捻りした形で物語に取り込んでいます。
【登場人物紹介】
・吾輩(マダナイ)
これはもう皆さまお気づきのとおり、誰もが知る「吾輩は猫である」の冒頭の一文からヒントを得ました。一見して出オチ感がはんぱないですが、今となっては非常に愛着のあるネーミングになっています。
・神官(クシュン)
これは人間側の主人公である英語教師、「珍野苦沙弥」から名付けました。「偏屈な性格で、胃が弱く、ノイローゼ気味。あばた面で口髭をたくわえている」と散々な人物像ですが、これは漱石自身がモデルだと言われています。受け継いだのは神経性胃弱と名前だけです。「苦沙弥→くしゃみ→クシュン!」割と分かりやすい変名です。
・友人(ラビリス)
クシュンの幼い頃からの友人であり同僚である彼女のモデルは、苦沙弥の友人で美学者、ホラ話で人をかついで楽しむのが趣味という粋人「迷亭」です。近眼で眼鏡をかけているところも似ています。「迷う」から「迷宮」をイメージしたので「ラビリンス→ラビリス」という流れですね。
・国王(ゴルトン)
ゴルジアスターゼ城を治める尊大なる王様のモデルは、巨大なカギ鼻が目立つ「鼻子夫人」こと「金田鼻子」。作中でも正しい名前が出てこない金田夫人ですが、いくら「吾輩」でもセンスが酷い! なので獅子鼻にして男性にさせていただきました。「金→ゴールド→ゴルトン」です。
・王女(エギスタ)
溺愛され甘やかされて育った国王の一人娘のモデルは、実業家・金田氏の娘「金田富子」です。「わがまま→エゴイスト→エギスタ」としました。
・戦士(トジュロー)
クシュン、ラビリスの幼馴染で、戦士・刀鍛冶であるトジュロー君のモデルは、苦沙弥、迷亭の学生時代の同級生「鈴木藤十郎」です。「九州の炭鉱にいたが金田氏のはからいで東京詰めになる」という経歴を持つことも「南方のナインシュ鉱山(ナイン→9、シュ→州)で鉱石堀に従事していたところを国王の命で呼び戻された」としました。当初はもっと板挟みになって苦しむ筋書きだったのですけれど、どうも憎めないのでかなり良い奴になっています。
・魔導士(コルドー)
クシュンたちの魔法学校時代の後輩にあたる魔導士コルドーのモデルは、演奏会で富子にひとめぼれする「水島寒月」です。本作では彼の歌声と自由な生き方にエギスタ姫の方が惹かれることになります。「寒い→コールド→コルドー」ですね。割と印象の薄いキャラになってしまいました…。
・吟遊詩人(ウインド)
コルドーの幼馴染であり友人であるウインドですが、名前だけ寒月の友人「越智東風」から拝借しました。どちらかというと性格は迷亭寄りで軽薄飄然としている彼ですが、最後の方のなんとも恰好の良い彼らしい台詞は自然と浮かんできたから不思議なものです。「風→ウインド」ですね。
・三毛猫(キャリコ)
神官寮の向かいに建つ舞踊教室の教師に飼われている見目麗しい雌猫キャリコは、「三毛子」です。ただね…ここも大いに不満でした。「吾輩」が想いを寄せていることにも気付かず、猫風邪をこじらせて死んでしまうのです…。これがのちに「吾輩」をより厭世的性格にしてしまうきっかけなのですけれど、そうはいかない! 本作では最後まで出番があります。「三毛猫→calico cat→キャリコ」です。
・黒猫(シュバルツ)
冒険者ギルドで飼われている雄猫シュバルツは、「車屋の黒」からです。恰幅のある一帯のボス的存在であり、数多の争いに勝利した代償として片目が潰れていると歴戦の猛者という印象ですね。「黒→シュバルツ」です。
主な登場人物は以上ですが、小ネタとして「李さん」は苦沙弥先生宅の下女「おさん」から。意外と洒落てるな、とこけばしさんは大変ご満悦です。
また魔王ボッティヌスですが、これはもう何となくとしか言いようがありません。正体不明・外見すら定かでないところはクトゥルフ神話などを参考にしています。
そうと知って名著「吾輩は猫である」と本作を比べて見ると、新たな発見が見つかるかもしれません。宣伝。
どっとおはらい。
では、またいずれ。