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【無事完結】「吾輩は異世界転生した猫である」裏話 その1

おかげさまでカクヨムコン5エントリー中の拙作「吾輩は異世界転生した猫である」が無事完結&10万字突破しました!

ここでは、本編では語らなかった裏話などを綴りたいと思います。はい、要するに「ヒトリゴト」ですね。



まず今回は「どうしてこんなものを書いたのか?」について書いてみます。



出来心…と言ってしまうとそれまでなのですが、一番の要因は故・桂歌丸師匠のコメントをテレビで拝見したことでした。以下引用です。



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「言っちゃ失礼ですけど」と前置きしたうえで「裸でお盆を持って出てきて、何が芸なんですか?と。私は違うと思うな。ああいうのを見て、面白いな、うまいなと思われちゃ困る」とバッサリ。「日本語であり、日本の文化であり、日本の言葉を使って、笑いと取るのが芸人であり、我々、噺家だと思います。だから、大いに日本人に聞いていただいて、日本語を理解していただきたい」と力を込めた。
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こけばしはこの時何故か、自分の執筆の在り方に置き換えていたのです。

落語研究会に所属していたこともあり、落語は、とりわけ古典落語が好きです。

その自分が、目先の新しさや物珍しさばかり気にしている、そして過去の文豪たちが残した名作に目もくれず、流行りばかりに気を取られていることに気付いたのです。



いやね、別に悪い事じゃござんせん。そこを誤解無いよういただきたい。ただ、自分はどうなんだ、と思ったのですね。

前回だったか、カクヨムのコンテストでもこうあったように思います――「過去の作品を現代風にアレンジしたような作品も求めています」と。記憶力が改竄されがちなこけばしです、大間違いかもしれませんけれど、ああ、そういうのもあるのか(by 井之頭五郎)とヒントを得たのです。



常々不満だったのです。

何が?って、夏目漱石先生の「吾輩は猫である」のラストですよ。



本作でもそれをなぞっていますが、最後に「吾輩」は世の虚しさを感じながら、水瓶の中に落ちて溺れ死んでしまうのです。

これってあんまりじゃないですか。「吾輩」はただの猫です。人間観察や洞察力に優れ、文学や哲学にも通じ、ただ日々をのそのそと生きていただけです。やたら賢ぶっていたかもしれない、人間何者ぞと超然として嘲っていたところは確かにあるでしょう。でも、その最期が酔っ払った末の入水事故死とはちょっと可哀想ではありませんか。



なので、決めたのです。

あそこで死んだのではなく、哀れに思った神の悪戯で異世界に招かれたのだと。そういう話を書くのだと決めたのです。



しかし思えば見切り発車でした。普段であれば手元で完結させてから連載を開始するのを旨としているこけばしが、ストックゼロで11月最終週から着手したのですから。他にも2本検討して執筆中でした。これもあまりにお粗末です。スケジュール管理がなってない。大馬鹿者です。



でも、この話はこけばしが書かないと、この世には誰も書く人がいない、こんな無謀で馬鹿々々しくも糞真面目な挑戦をする人がいないと確信しました。

皆さんもきっとそうでしょう。俺SUGEEEEE!とまでは言いませんが、浮かんだアイディアはひとたび思いついたら自分が書かないと駄目な奴だ、と思う筈です。それが作家の性なのですね。



冗談交じりに、やれ「イタコ芸」だとか「降霊術」だとか言っておりますけれど、明治の大文豪の文体を限りなく本物に近い形で模倣しようというのです。これには途轍もない体力と精神力を必要としました。途中、何度も投げ出そうとしました。もうやだい二度と書くもんか!と駄々を捏ねたこともあります。



でもね。
書き続けていると、いつか終わるんですよ。
諦めない限り、必ず終わりは来るのです。

そうして出来上がった10万500字です。

今は皆さんからたくさんの応援やレビュー、★までいただき、誇らしい気分で一杯です!



本当にありがとうございました!



とりあえずこの感謝の言葉を添えて、裏話その1を終わりにしたいと思います。



どっとおはらい。
ではでは、またいずれ。

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