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ブッシャリオンが生まれるまで①

 いきなりの自分語りで恐縮ですが、自分は実は、この手の小説コンテスト参加はブッシャリオンが初めてです。昔書いたオリジナル作品は友人にしか見せたことが無いし、Twitter小説を書くようになってからは二次創作がメインでした。
 いきなり十万字の物語を書け、と言われて出来る人は限られています。少なくとも自分には無理でした。ですが、昔の偉い人も言っています。「困難は分割せよ」と。
 Web小説には、一話8000字程度のものが珍しくありません。それを更新期間中だいたい毎日投下するのが普通のスタイルです。『これなら出来るかも』と思いました。やりました。無理でした。
 8000字は意外と長いです。小学校の頃、たかだか数枚の原稿用紙を埋めるのに何時間もかかったことを思い出してください。その約7倍の質量が毎日襲ってくるのです。
 ですが、そこで諦めたら試合終了です。8000字で駄目なら、更に分割すれば良いのです。半分の4000字。そして更に半分の2000字。ところがそうなると、別の問題が発生します。その分量で、読者が満足してくれるのか?
 耳を澄ましてみましょう。『Web小説は面白いけど長い』……そんな声が、聞こえてきませんか?
 聞こえるなら、きっと電波を受信できている証拠です。それはさておき、自分は発想を転換しました。『字数を書く』ではなく『内容を圧縮する』ことを目指したのです。
 Web小説は、つまりは連載です。なので、字数ではなく『次読みたいかどうか』を指標に置いたのです。ある意味、週刊漫画的とも言えるかもしれません。字書きとしては邪道かもしれません。
 幸いなことに。自分は文章の圧縮、つまりは要約は得意でした。中学時代には『レ・ミゼラブル』を400字に要約したこともあります。長い文章を書けない短所は、方針を転換した瞬間、長所に変わりました。
 それでも、『本当に2000字でも書けるのか?』という疑念は拭えませんでした。そして、字数稼ぎを目指していた頃に聞こえてきた、あの忘れもしない「アイエエエエエ!」の声。
 この辺りについては、またの機会に。

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