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IT部が舞台の新作(百合……?)を書きました

 前回の近況ノートで、IT部と経理部のお仕事百合小説のプロット案を書きましたが、それとは全然違うプロットでIT部のお仕事小説を書いてしまいました。

『出版社のIT部にはチート能力なんて無いから全力で戦うことにした』

 全7話、約2万字で、今日完結。前回プロットで構想したのとは全く違う形ですが、アラサー女子二人がコンビになって、困難と戦うストーリーです。

 きっかけになったのは、前回の近況ノートを書いたあとで発生したKADOKAWAグループへの大規模なサイバー攻撃事件です。社内システムにランサムウェアを仕込まれて、グループ会社のニコニコ動画も含めて、ネットで公開している公式サービスと、社内の業務システムが全面停止してしまうという大惨事。
 さらに、一般ユーザーの膨大な個人情報や機微な情報も人質に取られて、多額のお金を要求されているそうで、2024年6月27日現在も対応継続中です。


 この作品では、公開されているサイバー攻撃の状況と対応を参考にはしていますが、KADOKAWAのIT部の内情を知っている訳でもないので、あくまでもモデル小説ではなくフィクションです。自分の知見で、きっとこんな風な状況になって、こんな対応をしているんじゃないかな、という想像で書いているだけ。

 主人公は、IT部で女子初のグループリーダーになった大橋ゆみ子。リーダーになった昇進祝いで、メンバーとしこたまワインを飲んで家に帰った深夜に、電話で叩き起こされます。
 電話をかけてきたのは、チームメンバーの田中君。君付けで呼んでいるけど、金髪ベリーショートで、両耳に二つずつピアスを付けていて、実年齢より十歳は若く見える可愛い女子。でも中身はボーイッシュで酒豪なので、主人公の大橋はこんな風に思ってます。

『ニコッと微笑むと、本当にかわいい。これでアラサーかつあんな中身なのは、本当に詐欺だ』

 うん。そこはかとなく百合味が漂いますね。でも、安心して下さい。そういう展開はありません。


 この田中君、昔、過労で倒れるほど頑張って開発したシステムをサイバー攻撃でやられて、被害が拡大するのを防ぐために、自ら電源を切って、ケーブルを抜くハメになり、号泣する。
 また、デビュー前から応援していた新人作家さんが、ネットでデビュー作の宣伝ができなくなったから助けて、とSNSで投稿しているのを見て、理不尽だとブチ切れます。
 見た目可愛いけど、熱い子なんです。好きだなあ、こういう女子。

 一般の読者さんには難しいIT用語を使って、どこまで主人公達の危機感や焦り、悔しさ、憤りをリアルに感じてもらえるか。ルビやセリフをあれこれ工夫してみましたが、効果はどうだったでしょうか。

 よろしければ、作品を読んで感想など聞かせていただけると、飛び上がって喜びます。

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