少し前に、第7回のカクヨムコンのホラー部門で特別賞を受賞した、『鬼妃秘記(キヒヒキ)』という作品を読んでいました。すごかったですね。止まらなくて久しぶりに一気読みしましたよ。まるで貴志祐介さんの小説を読んでいるような迫力がありました。こんなすごけりゃ、そりゃ受賞するわな、と思いました。こんな作品が普通に読めてしまうカクヨムって恐ろしい。
その『鬼妃秘記(キヒヒキ)』の作者さんの近況ノートに、気になる記述がありました。
作家の浅原ナオトさんが亡くなったらしい。
浅原ナオトさんといえば、カクヨム発作品でテレビドラマ化もされた『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の作者さんです。
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』は、僕が初めてカクヨムというサイトを覗いたころ、『横浜駅SF』とともに気になっていた作品です。こんな文芸的なクウォリティの高い文章を書いている人がいるんだと思いました。僕がカクヨムで活動することを後押ししてくれたきっかけの一つの作品です。
浅原ナオトさんは、病気により38歳の若さで亡くなられました。
僕はこれまでに複数、余命を宣告された女性を題材にしたお話を書いています。
それは、小林麻央さんのブログを読んだ影響です。
市川海老蔵さんの奥様であった小林麻央さんは、生前ブログにて自身の闘病の様子を綴っていました。そのブログは、多くの人に勇気を与えました。
小林麻央さんが亡くなった時、僕は仕事帰りの電車の車内に流れているニュースでその事実を知りました。すごくショックでしたね。もっと生きていてほしかった。
生きたくても生きられない人たちがいる。
今を生きている私たちは、そういう人たちに顔向けできる生き方をしているだろうか。
生きていることはあたりまえではなくて。すごく恵まれていることで。
だからせめて、精一杯生きよう。
そんなことを思う、今日このごろです。