---------- 閑話休題:猫! ----------
「チハル、お茶入れたわよ?」
サフィーナは床で転がる千春に声を掛ける。
「んにゃー。」
「ゴロゴロゴロゴロ・・・・。」
「チハル様、良いんですニャ?」
「・・・あのぉ・・・なんで僕まで・・・にゃ?」
千春、三珠、マクリ、そしてデンハが床に寝っ転がり呟く。
「千春、いつまでやってるの?」
春恵はクスクス笑いながら厨房から出て来る。
「猫なのー。」
「吾輩は元から猫にゃ。」
「マクリも一応猫ですニャ。」
「僕も・・・まぁ、猫なんですが・・・にゃ。」
「デンハ、ニャー慣れた?」
「なれません・・・にゃ。」
呆れるサフィーナと春恵。
「チハルさーん、いつまで日向ぼっこするんですぅ?」
「んー、いつまで~も。」
「ほら、千春、お菓子も作ったわよ?」
「お菓子できたー!?」
「出来たわよマドレーヌ、だからこっち来なさい。」
「はーい!ミタマ、マクリ、デンハ!食べよ!」
千春はバッと立ち上がりソファーに飛び込む。
「チハル!ソファーに飛んじゃダメ!」
「はーいサフィーママー。」
「本当にお母さんみたい。」
フフッと笑う春恵は千春の横に座る。
コンコン
「ふぁぁい!!」
千春の返事に答え、ナッテリーが扉を開ける、扉が開くとエンハルトが入って来た。
「チハル・・・何してるんだ?」
「おはひたべへふ。」
「チハル?口に入れて話さない。」
「ふぉっ・・・ん!お菓子食べてた。」
「うん、俺の質問が悪かったな、今大丈夫か?」
「だいじょばない、忙しい。」
「お菓子食べるのにか?」
「あと猫してたから。」
「猫?」
「そ!今日は猫なのにゃ!」
どういう事だ?とエンハルトはモリアンを見る。
「今日は猫になったので、猫の様に過ごす日・・・だそうです。」
「へぇ、そうか、それならしょうがない、母上にはそう伝えておこう。」
「んぐっ!!!」
千春は思わずお菓子を飲み込み、息を詰まらせる。
「あらあら、もう~千春ったら。」
ポンポンと背中を叩く春恵と、飲み物を差し出すサフィーナ。
「げっふぉ!何!?お母様が何!?」
「呼んでたぞ?」
「用事は何て?」
「さぁ?行ってみたらわかるんじゃないか?」
エンハルトの言葉に千春は立ち上がる。
「猫じゃなくて良いのか?」
「うん、このまま猫になってたら首掴まれて連れていかれる未来が見えた。」
「・・・あり得るなぁ。」
「おかぁさんちょっと行って来る!残り取っといてね!」
「はいはい、まだ焼いてるから大丈夫よ、アイトネ様の分も有るから。」
『呼んだー!?』
「まだ呼んでませんよ?」
『ハルのいけずぅ~。』
「何処で覚えたんですか?ソレ。」
『ウカちゃんに教えてもらったの。』
「マドレーヌ食べます?」
『勿論!』
「アイトネ!私の分残しておいてよ!」
『善処します。』
「ちょー!!!!」
「チハル、行くぞ。」
「やー!ハルトーのいけずぅー!!!!」
千春はエンハルトとサフィーナに腕を掴まれ連れていかれた。
「騒がしいにゃぁ。」
「ミタマ!もっと食べて!」
「イロハ!吾輩の胃にも限界あるにゃ!マクリにリンクするにゃ!」
クスクス笑う春恵、キョトンとするマクリ、そしてオロオロとするデンハ、今日もジブラロールは平和だった。