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「あるステップファミリーのさよなら」あとがき

覆面6に出したやつのサルベージに成功。
よかった、まだ残ってた。カクヨムに投稿するのに改題だけしました。

さて、これ企画用で、字数制限があったので設定が全部出しきれなかった、という裏話がありまして。
ついでに裏話もサルベージできたので当時のままそっくりここに残します。


主人公の内縁の夫(A氏と仮定)の妻(作中での「奥様」。B子と仮定)の話。
B子はA氏と結婚しますが、二人の生活はすれ違いが多く、寂しさから作中に出てこないC男と浮気しました。C男の血を引く男の子を産みましたが、そのままA氏との結婚生活を継続します。A氏はB子の予想以上に子煩悩で、男の子とはとても仲のいい親子になりました……が、めでたしめでたしとは行かず事実はやがてA氏の知るところとなります。A氏は大変傷ついて母子を追い出します。
追い出されたB子は息子を連れてC男をあてにしますが、そう都合良くいかずにC男にも捨てられます。(<元々短い期間の浮気で、子供が生まれてからは疎遠)
B子がA氏に送った離婚届は、提出されていませんでした。
B子を愛していたA氏は、自分がいなくなればB子は浮気相手と結婚して幸せになるのだろうと思ったので、それを妨害する意味でわざと離婚しなかったのです。
そのあとB子は実家の助けを借りながら息子を育てますが、志半ばで病魔に襲われ、主人公にA氏のことを託して亡くなります。B子はラスト、A氏を愛していたか? いやあ、それなりに幸せになってて欲しいなとは思ってるでしょうけど、誰を一番愛していたかって、多分息子。主人公の人柄を見た上で、おそらく「息子になにかあったらこの人がなんとかしてくれるんじゃないか」って思ってる。

B子の息子。B子の実家にて、母と祖父母の中で育ちます。
父と呼んだのはA氏だけだったので、母親から実はA氏と血が繋がっていないと聞かされた後も父親として密かに慕います。が、その一方で母と自分を捨てたというしこりもあり、複雑な感情を抱き続けます。(自分はお母さんの浮気で生まれたと知ったあともお母さん大好き)
主人公の第一印象は「お父さんを奪った女」。ですが主人公のあっさりさばさばした性格を前にして、お父さんを取り合う相手ではないんだと納得しました。<というか「この女の人はお父さんのことを好きなわけじゃないんだ(ほっ)」という勘違いをした。
遠くの大学を出て(仕送りなし)商社に就職、家庭も持って、そのつど主人公に連絡先を知らせる律儀な性格。お母さんに言い含められたからで、主人公を頼ろうとかそういうのは一切ありません。<親の心子知らず。
やがてA氏と最後の対面。年取ったなあとか、憎いとか、懐かしいとか愛しいとか。入り交じって何もいえませんでした。
戸籍上実の子なので財産などは全部彼に行きます。

A氏。
B子たちを追い出した数年後、夫と死別した主人公と再会。二人は大学時代の友人同士でした。
離婚届は出してなかったとはいえ、頭の中ではB子は別れた女房。バツイチ同士会話も弾みまして。最初は主人公の相談にのるだけのつもりだったのが、なぜか主人公の二人の息子に懐かれてしまいます。子煩悩でしたから子供に懐かれるのは嬉しい。そうして子供たち目当てに足繁く通ううちに、別れた女房とは正反対の性格の主人公がまぶしく思えてきて、そんでもって、なんとなくそういうことになりました。最後まで二人で「一体なんで自分たち、こうなったんだろうね?」といってるような(笑)
B子のことにけりをつけるためにも、主人公にプロポーズしますが(何度も!)断られます(何度も)。とどめは思春期だった長男からの「おとうさん(=A氏のこと)がもし本当に母さんと結婚したら、俺、祝福できる自信がない」という台詞。これですっぱり主人公を正式な嫁にするのは諦めました。
B子が死んで、急にその息子が気になりましたが(よその男の種とはいえ、かつては実子としてかわいがっていた子)B子の両親から猛反発をくらって、彼を引き取ることはできませんでした。<引き取ってたらまた一悶着。
最後の対面ですが、あの小さかったガキがいいおっさんになったなとか、B子のおもかげがあるとか、やっぱり俺には似てねぇなぁとか、色々思うのですが自分も離れていた年月分色々あったわけで、「人生そう捨てたもんじゃねぇな」くらいの気持ちで笑うだけにとどめました。
もしもの話ですが、もし主人公が自分の子を妊娠したら彼はすっぱり離婚届を提出し、主人公がどれだけ嫌がっても籍を入れるつもりでいました(<長男次男もこの頃には丸くなっています)。ま、できなかったんですけどね。

最後に残した書類は何だったのか。遺産相続の書類でもいいし、婚姻届でもいいです。作者は決めていません。だからそこ、ぼかしました。多分お金関係じゃないかなー……。

主人公の孫。
いじめられっ子の引きこもりで、あまり明るくない青春を送りましたが大学で株とインターネットが結びついたらデイトレードで才能開花。
株の売買で生計を立てていますが、おばーちゃんから見たら相も変わらず「引きこもり」。

主人公。
鉄火肌の姉御。夫を愛してて、夫に死なれて、そんな中で再会した昔馴染み(A氏)とバツイチ同士で意気投合。A氏のことは「愛して……愛して? いやあ、どうだろう。まあ、いたほうがいいんだろうけど」的な。
二人の息子はとうに手が離れた気分で、すっかりさばさば。あやしげな株の仕事をしている孫息子は、ちょっと心配。
きっとこのあと前から目をつけていた老人ホームみたいなところに入居すべく手続き。なかなか入れなくて家を処分できないでいる。

書いた主軸が女のどろどろした情念というかマグマみたいな「火」だったので、語り口はむしろあっさりさばさば、軽くなるようにしました。というか私はどっちかというと奥様みたいな性格の人より主人公みたいな性格のほうが書きやすいです。
あっさりした性格の人だけど、胸の内は表面にでてるほどあっさりなんかしてないよ、みたいな。

以上。
……これ、そのまま書いてたら長編にできたな。

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