相変わらず『愛人に浮気をされた』にオーガニック検索から来る人たちがいるのですよ(-_-;)
先日、新たなキーワードが拾えたんです。「便利な愛人」「愛人を手放す」
……愛人を手放す!?Σ(゚Д゚) どうしてそんなワードから『愛人に~』に繋がるのか不思議です。あの主人公は手放す気はさらさらなさそうなんですがね。
『行きて帰りし物語 キーワードで解く絵本・児童文学』斉藤次郎著(日本エディタースクール出版社)
『ホビットの冒険』の主人公ビルボ・バキンズが作中で書き綴った回想録のタイトル「ゆきて帰りし物語」。究極のところすべての冒険は行って帰ってくるだけ。だけどこのAからBに行ってA’に戻ってくる、という基本構造に「知って」「変わって」「気付いて」というからくりがてんこ盛りになってるのですよね。
この本で取り上げてるテキストは絵本と児童文学なので、子どもたちの精神的変化を読み解くものが多いのですけど、日々「気付いて」「知って」いかなければならないのは大人も同じですよね。
そういう意味で安心したのは、「行き」も「帰り」もしなくても日常の中で「行きて帰りし物語」は描けるということ。
「「ここ」を「ここ」と知ることが(「私」を「私」と知ることと同じように)、「行きて帰る」ことのすべてだからである。「ここ」から「あそこ」に行くと思っていたのは錯覚にすぎない。「あそこ」に行けば、そこはもう「ここ」である。「行く」は「行う」とも読む。つまり、「生きる」ことそのものなのである。」(p249より)
印象的だったのは、読書そのものが「行きて帰りし」体験に近く、作品を創作することも「行きて帰りし物語」なのかもっていう言葉です。確かに。
『社会をつくる「物語」の力 学者と作家の創造的対話』木村草太 新城カズマ(光文社新書933)
面白かったです。副題のまんまです。法学者と作家のふたりが知的好奇心の赴くままに法律とSF、あとは歴史や物語といった観点から現代社会について考えたことを話し合ってます。ふたりとも話が上手なので専門的な説明もわかりやすく、へえーって思うことがたくさんでした。
AIと将棋の話題とか、秀吉とトランプは似てるとか。『指輪物語』を当時のアメリカの社会情勢からさらに引っ張ってトランプ政権を読み解いてみたり。このあたりはものすごくおたくっぽくて(笑) 楽しく読めるのですけど、人間がものを考えなくなっていることや読解力の問題、あらゆることのスピードが速すぎるということ。怖くなります。
結論を急ぎすぎてしまう現在。だからこそ思考に時間をかけなくちゃならない。たまにはスマホやテレビやあらゆるメディア機器から距離を置き、ゆっくりお茶でも飲んでぼーっとする時間をつくらなければなりませんね。それこそこれ、法律で決めればいいのに。