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読書メモ⑬

 相変わらず『愛人に浮気をされた』にオーガニック検索から来る人たちがいるのですよ(-_-;) 
 先日、新たなキーワードが拾えたんです。「便利な愛人」「愛人を手放す」
 ……愛人を手放す!?Σ(゚Д゚) どうしてそんなワードから『愛人に~』に繋がるのか不思議です。あの主人公は手放す気はさらさらなさそうなんですがね。


『行きて帰りし物語 キーワードで解く絵本・児童文学』斉藤次郎著(日本エディタースクール出版社)

『ホビットの冒険』の主人公ビルボ・バキンズが作中で書き綴った回想録のタイトル「ゆきて帰りし物語」。究極のところすべての冒険は行って帰ってくるだけ。だけどこのAからBに行ってA’に戻ってくる、という基本構造に「知って」「変わって」「気付いて」というからくりがてんこ盛りになってるのですよね。
 この本で取り上げてるテキストは絵本と児童文学なので、子どもたちの精神的変化を読み解くものが多いのですけど、日々「気付いて」「知って」いかなければならないのは大人も同じですよね。
 そういう意味で安心したのは、「行き」も「帰り」もしなくても日常の中で「行きて帰りし物語」は描けるということ。

「「ここ」を「ここ」と知ることが(「私」を「私」と知ることと同じように)、「行きて帰る」ことのすべてだからである。「ここ」から「あそこ」に行くと思っていたのは錯覚にすぎない。「あそこ」に行けば、そこはもう「ここ」である。「行く」は「行う」とも読む。つまり、「生きる」ことそのものなのである。」(p249より)

 印象的だったのは、読書そのものが「行きて帰りし」体験に近く、作品を創作することも「行きて帰りし物語」なのかもっていう言葉です。確かに。


『社会をつくる「物語」の力 学者と作家の創造的対話』木村草太 新城カズマ(光文社新書933)

 面白かったです。副題のまんまです。法学者と作家のふたりが知的好奇心の赴くままに法律とSF、あとは歴史や物語といった観点から現代社会について考えたことを話し合ってます。ふたりとも話が上手なので専門的な説明もわかりやすく、へえーって思うことがたくさんでした。
 AIと将棋の話題とか、秀吉とトランプは似てるとか。『指輪物語』を当時のアメリカの社会情勢からさらに引っ張ってトランプ政権を読み解いてみたり。このあたりはものすごくおたくっぽくて(笑) 楽しく読めるのですけど、人間がものを考えなくなっていることや読解力の問題、あらゆることのスピードが速すぎるということ。怖くなります。
 結論を急ぎすぎてしまう現在。だからこそ思考に時間をかけなくちゃならない。たまにはスマホやテレビやあらゆるメディア機器から距離を置き、ゆっくりお茶でも飲んでぼーっとする時間をつくらなければなりませんね。それこそこれ、法律で決めればいいのに。

62件のコメント

  •  法律を決めちゃえば、人はそれに合わせるのだそうです。破るって行為も決まりがあってこそですけど~。
     いついつの何時から何時までスマホ機器に触るなとかってどっかで条例施行したらおもしろいなーと思います(笑) みんなスマホいじりすぎー。
  •  『行きて帰りし物語』……。

     わかった。そうか。これぞ今の多くの小説が失ってしまったストーリーなんだ。
     完結したストーリーなら、そこに何かがなくちゃいけない。行ったきりでもいい。それなら、行ったきりなりの納得がなきゃいけない。何かがダメで別の世界に行ったのなら、解決がなくちゃいけない。それがストーリーなんだ。


     ストーリーには、帰結がある。結末がある。
     妄想の連続はストーリーじゃない。これは、すごく大切な気がする。行ったきりの異世界モノは完結しない。だからこそ、それで成立している。

     ウェブ小説からストーリーが失われたことについて、僕は不思議に思っていました。なるほど。そういうことなのか……。
     
  •  完結しなければ物語じゃないってそういうことですよね。未完の大作なんて言ってもらえるのは巨匠だけ。完成されてなければ評価なんてされないはずなのですけどね。

     ウェブ小説の出発点がケータイ小説であるなら、OLが通勤の合間に書いたストーリーのない日記みたいなのが特徴といえるのでしょうけど、小説投稿サイトというからには、小説=物語に発展しないとならなかったのですよね。読者が物語を選んでくれなかったのか……。

    「なぜ成長を描かなくなったのか?」ってテーマの本もあったので、ちゃんと読んだら紹介しますね。
  •  完結だけじゃなくて、エピソードをただ積み重ねただけでも、ストーリーとは言えないですよね。
     ギルドに行く。美少女になつかれる。魔王と戦う。組み合わせて構成している訳でもない。ただ、時系列にそって並べているだけ。そんな作品があまりに多いのにうんざりします。

     ストーリーのある作品には、読んだあとにこういうことが言いたかったのかってものが
    残るんですよね。僕はテーマという小難しい言葉には違和感があったんですが、そういう視点で考えると理解できます。

     奈月さんなら「好きになれ」ですね。
  •  そりゃあ、テーマにしろモチーフにしろ、柱がきちんと立ってないからでしょうね。当然土台もない。なにも残らないのは当然ですよ。

     でも、つくづく思うのは、無料で素人の作品を読む多くの人たちはそこまでのものは求めていないだろうということ。そもそもweb小説を書籍化するところに齟齬があるのじゃって気がします。
  • 奈月さま

    「ここ」を「ここ」と知ることが、「行きて帰る」ことのすべて……。すごいです。これは目からウロコです。なるほどー。特別な場所にシフトしなくてもいいのかー。読書そのものが「行きて帰りし」体験というのも納得。

    私もお話を書くときや、お話を読むときはいつも、「往きて帰りし」を意識していますけど、なんかひとつ視野が広がった気がします。

    もう一冊の方も面白しろそうです(新城カズマさん、『15×24』という超傑作ラノベがあります)。それにしても、奈月さんの取り上げる本はどれも面白そう。実は、前回の『ポピュラー文学の社会学』もすっごく惹かれて、amazonの中古で240円だったのでポチっとなしちゃいました。

    前回もいろいろとコメントしたかったのですけど、ぼーっとしているあいだに乗り遅れてしまったのでした。はううう。

    「なぜ成長を描かなくなったのか?」というテーマの本も、ぜひまた教えてください! これもすごく興味あります。

    成長を描くということは、いろーんなことがいっぱいあった、ということが描かれているわけですよね。そういう大変なことをひとつひとつ乗り越えなくちゃ成長しませんから。でも、そもそも、ラノベ1冊分、アニメ1クール分で、そんなのできるわけないじゃんと思ったりします。もしかしたら何かやり方があるのかもしれませんけど。
  •   新城カズマの、私は読んでないのだけど。1990年台に手掛けたPBMゲーム『蓬莱学園』について詳しく話してくれてて面白かったです。人間が集まるといろいろなことをやりだすひとがいる、ここで人間の行動が読めるようになった、とかって。
     こういうタイプの人って、時代の先を先を読むのだろうけど、現実がどんどんフィクションに追いついてくるって話してました。新しい現象だと思って小説にしようと考えてると、現実に追いつかれちゃうって。コワイ時代だね。

    『ポピュラー文学の社会学』これ、ページ数はたいしたことないのに、読みながらあれこれ考えちゃって、持論と合わせて咀嚼するのにすっごい時間がかかります。私が紹介したのは私の着目点からのものなので、Han Luさんはどこに注目されるのか~。
     って、私ももっと細々語りたかったのですけどね。ジャンルごとの考察も興味深くて。SFと想像力についてや、ミステリーのテンプレにこだわるパズルミステリー好きのこだわりが他のジャンルにも広がりつつあるとかっ。あうう、このこだわりには私も身に覚えがあるのでドキッとしました。

     図書館で文学論の棚に行ったらこういう気になるタイトルばかりで~~。私たちが悩むようなことは、学者がとっくに考えてたのだなって感じ(笑)
     ただ『ポピュラー文学の社会学』もそうなのだけど、現象として納得はできても、その功罪や、じゃあどうすればいいのかってとこまでは言及してないのだよね。そこは自分で考えなくちゃならないのかな、と。
     以前Han Luさんが一般文芸もラノベ化しつつあるって言ってくれてたけど、そのとおりなのだな、と。上からどんどん崩れてきてるんだなって。そうなると、逆に底辺(悪い意味じゃなく)であるラノベの質を底上げすることが効果的なんじゃって、ラノベが小説(物語)を救うのか? って、さよラノみたいなことを考えてしまったのでした。
  • 奈月さま

    新城カズマさん、昔から書かれていたんですね、私が知ったのは最近で……。『われら銀河をググるべきや』という評論(?)もよかったです。時代の速度、怖いです。私たちは急ぎすぎている気がします。

    『ポピュラー文学の社会学』むっちゃ読み込まれてますよね。私も読んだら感想書きたいですけど、ちょっとびびってます。でも、奈月さんの取り上げていたポイント、どれもすごく関心があって、例えば「芸」のお話とか、すごくよく分かります。

    今は、なんとなくなんですけど、過渡期だという気もしたりして。いつかガラッと変わっちゃうまでの。仮に変わっちゃうとしても、分かりやすいもの、ポップなもの、エンタメ的なものってなくならないし、やっぱり強くてしぶといと思うんです。だから、そうですね、上から崩れていっても、もしかしたら……というのは思いますね。ほんと、さよラノみたいですね。

    さてさて、ノートへのコメントへのコメントです。実は、私も映画版を除くと、マンガ版が一番好きです。押井監督が撮ると、もう別モノになっちゃうので(うる星やつらもそうですね)。ゆうきまさみさん、最近は全然読んでないんですけど、好きでした。『究極超人あ~る』とか。昔々、月刊OUTっていうアニメ情報誌にアニパロ描かれてて。

    内海課長ねー。私、バドと内海課長の組み合わせ、好きでした。すっごい上から目線ですけど、ああいうキャラクターを作れるようになったんだー、すごいなーと思いました。でも、一番好きなのは後藤隊長ですけどっ。
  • Han Luさん

     月刊OUT……。
     もちろん知っていますよ。

     実は昔、投稿してたりして。堀井雄二のコーナーで入賞して『でたまかパンティ』をもらってたりして。(これ、当時の投稿者の中ではステータスだったんですよ)

     もちろんペンネームは違いますが、いや~、恥ずかしくも懐かしいことを思い出してしまいました。
  •  だよねー。後藤さんだよね~。カミソリな過去を持つ昼行燈、最高ですっ。
     しのぶさんとの微妙な距離感が良かったから、劇場版で男と女感を出されちゃったのはやだったなー、私は。OVAの「ふたりの軽井沢」は好きだったけど。

    『鉄腕バーディー』ってゆうきまさみだよね。アニメしか見てないけど、いろいろすげえと思ったよ。これ。

     ああああ、月刊OUT! みのり書房だよね~。アニパロといえばみのり書房。(って、私はファンロードが好きだったけど)
     みのり書房発行の高橋なの(『あなたの知らない銀英伝』のひと)の『ダンディドラゴン』(伊達政宗のパロディ)を手放しちゃったことが未だに悔いで~~。また読みたいなあ、あれ。復刻版もなかなか見つからなくて(涙)

     この時代ってアニパロも面白かったよねえ。
  •  あ、油布さんに先を越されてた……。

     月刊OUTは文章でしたもんね。

     
  • 油布さま

    ななななんと、OUTに投稿、しかも採用されてらしたとは。私はあの頃はまだ自分が何かを書いたり、投稿したりするなんて思いもしませんでした。投稿する人たちって別次元の人たちみたいで。しかも、OUTに載る人たちって、レベル高かったですよね。すごいなー。堀井雄二さんのコーナー、ありましたね。ということは、私、油布さんの投稿読んでいるかもしれないんですね。不思議な感じです。

    奈月さま

    後藤さんはねー。ずるいですよ。あんな人が実際にいたら、むっちゃモテますよ。のらりくらりかわすんでしょうけど。確かに、劇場版では二人の微妙な距離感がなくなっちゃいましたね。しのぶさんの昔の男とか出てくるし。二人とも隙がない。大人の男と女だね。「二人の軽井沢」よかったねー。しのぶさんがかわいくて。

    『鉄腕バーディー』、ゆうきまさみさんですね。私はその頃漫画もアニメもあまり見なくなっていて未見ですけど。今でも描き続けているのはすごいと思います。

    ファンロード! なつかしー。毎月買ってる子、いました。アニパロといえばファンロードでしたよね。OUTは文章の投稿と、あとはアニメの評論みたいなのを一生懸命読んでました。楽しかったなー。
  •  ファンロード面白かったですよね。シュミ特の大事典のコーナーが好きでした。みんな上手いこと考えるなあと。同人誌で真似したことあります(爆)

     調べたところアニメージュもファンロードも続いてるみたいですね。今見てもネタがまったく分からないだろうなあ。
  • 奈月さま

    こんにちはー。

    カクヨムコン短編の件、教えていただいてありがとうございました! ぜんぜん気づいてなかった……。

    そして! 奈月さんも中間突破おめでとうございます! しかも2作品(だよね?)。よかったねー。特に、「幼馴染が魔王になったらしいので捜しだして更生させます」すごく好きなので嬉しい!

    エブリスタの総評はあとで見にいってみます。

    取り急ぎ。ではでは~。
  •  いやあ、私も期待はしてませんけど。本命はエブリスタのyomyomで。今回の二作は、書いてはみたもののあっちに出すには合わなさそうだったので、短編部門に入れてみたって感じで。まさか残るとは。でも最終的に受賞できなきゃ中間突破だろうと意味ないって思ってるんで。公募でもそうですよね。
  •  中間選考、おめでとうございます。

     自分で出してなくても、嬉しいですね。楽しみにしてます。
  • 中間突破されてたんですね!
    おめでとうございます!!
  • 奈月さま

    シリアスゲームノベル大賞の総評、読みました。なるほどー。確かに真っ当です。私、これまでレジェンドノベルスってまったく気にしてませんでした。HPで既刊を見ましたけど、ちょっと年齢層が高めな感じなんですね。今はまだ異世界モノがメインみたいですけど、もしかしたらこれからは変わっていくかもしれないですね。いわゆるラノベを卒業した人向けのレーベルに育っていってほしいですね。

    yomyomもそろそろ中間発表ですよね。通過してほしいなー。yomyomu編集長さんの一問一答、今回の視点のお話はなかなか面白かったです。ちょうど奈月さんが推敲の企画に「青い導火線」を出されてて、多視点のことに触れられていたのを読んで、あれこれ考えていたところだったのでタイムリーでした。群像劇なら三人称多視点が適していると私も思うのですけど。

    ではでは、また~。
  • 油布さま

     ありがとうございます。初の短編部門ですからね。どんな作品が選ばれるのか、楽しみです。


    lagerさま

     ありがとうございます。おかげさまで突破できました!

     あ、あと「青い導火線」すっごい読み進めてくださってるのは嬉しいのですが~~。大丈夫ですかね? 無理しないでくださいね。この後、修羅場のオンパレードになるので。そっと読むのやめてもらっても大丈夫ですからね~~。


    Han Luさま

     こんなレポートもありました。

     https://kakuyomu.jp/works/1177354054888357274


     カクヨムコン前の前応募作を対象にした講評なんかでも視点について注意するってなかったでしょう。視点の問題って書き方の幅を狭めちゃうことにもなる鬼門なのかなあって思ってたので、きちんと注意喚起してくれてるのは頼もしかったです。それくらい重要なことだものね。自分も過去にはそうだったから大きなこといえないけど、視点についてちゃんと考えてない人が多すぎる。

     でもそう、その作品にはその作品の最適解の視点があるわけだから、それを選んでけばいいのだけど。
     私は何の疑問もなく三人称多視点で小説を書き始めちゃった人だから、それも心中語混じりまくりで。だから青陵学院シリーズのあれが、いちばん書きやすいのです。でも、場面転換ごとに視点主が変わるならともかく、同一場面でぐるぐる変わるのは、やっぱり腕が問われるよねえ。うまく書けるようになればいいのだけどねー。

     ではでは~。
  • 奈月さま

    教えていただいた、レジェンドノベルのレポート、すごく興味深かったです。ありがとうございます。こんなことやってるんですね。出版社も大変だなー、とついついそんな感想になってしまうんですけど。

    でも、こういうスタンスでやっていますということをちゃんと説明する場を設けてもらえるのって嬉しいですよね。セルバンテスの位置づけがいまひとつよく分からないですけど。

    エレを書いていた時に、今ラノベを読んでいる人たちがもう少し大人になったら、きっと今のラノベじゃ物足りなくなるから、その時に楽しんでもらえるようなレーベルってニーズがあるはずだと思ってました。結局今はそれがキャラ文芸なのかなぁ。でもちょっと違う気がするんですよね。

    三人称多視点。確かに同一場面で視点が変わるのは読みにくいですけど、これ、どこまでを同一場面とするかにもよりますよね。

    少しずつですけど、今、「青い導火線」を読み返しています。改めて読むと、確かにバリバリ多視点なんですけど、ひっかからないです。それってたぶん、一番最小単位の場面内では視点人物や心中語の移行は起こってないからじゃないでしょうか(このあと出てくるのかも?)。

    改めてノートに書こうと思ってるんですけど、実写映像作品やアニメ作品では、シーンごとに中心となる視点人物がころころ変わるのって当たり前ですよね(一人の人がずーっと出ずっぱりなんてことの方が珍しい)。同一場面内で複数人物のモノローグ(心中語)が普通に出てきたりもします。例えば「青い導火線」をそのまま脚本にして、映像化しても、何ら問題はないはず。でも、一般的に小説だと三人称多視点は読みにくいって言われる。最近それが不思議で……。

    でもその前に。三周年記念企画がなんかすごいことになってます。みなさん、こんな短期間でなんであんなにすらすらと書けるんでしょう。しかも、私がフォローしている人たちの作品、結構完成度が高くて。準備してたの? 私もできれば参戦したいんですけど、時間が……。ううう。奈月さんはどうですか?

    ではでは~。
  •  Han Lu さんのコメントを読んで思いました。
     三人称多視点の件。映像作品なら当たり前、その通りですね。じゃあどうして、それじゃあダメとか、読みにくいと言われるのか? それは特性を利用した表現方法にあると思うのですよ。

     映像作品は映像と会話で表現しなくちゃいけない。心中語はナレーションを使うことになりますが、最小限にしないと見づらい作品になりますよね。ナレーションばっかりの作品を効果を狙って成立させることは可能でしょうが、それはあくまで特殊な例です。
     
     マンガは紙面に書かなきゃいけないから、長いセリフは向かない。それこそ読みづらくなっちゃいます。

     それぞれ映像作品であることを生かすなら、マンガ作品であることを生かすならという前提では、表現方法のセオリーみたいなものが生まれるっていうことですね。

     小説にそれを当てはめてみましょう。
     小説の強みは思考に直接に訴えかける感情移入です。その場合、その特性を十分に生かすためには、思考にスムーズに入っていけるように書く必要があるはずです。

     つまり、小説という表現媒体の特性を生かすスタンダードな手法を採用したい場合、三人称多視点は向かない。例えばナレーションの多すぎる映画のようなものだ。ということになります。

     俳句は五七五がもっともしっくりいく形です。破調というものもあるそうですが、破調を成功させるためには、さらに高度な熟練が必要とされるようです。小説も同じようなものではないでしょうか。
     
  • Han Luさま

     ねー。出版社って大変ね。でも文化興隆が出版社の意義であるのなら活字文化の存命に尽力してほしいところではあります。ていうか、責任だと思うのよね。

     そうそう、セルバンテスは講談社が立ち上げたって前振りだけど、レジェンドノベルの直属っぽいのだよねえ、そもそもサイト自体がどういう機能を目指してるのかが(拾い上げは当然としても)イマイチはっきりしない(カクヨムの読者選考=新文芸みたいに)。様子見だねえ。

     レジェンドノベルは、Han Luさんがエレに託したように、ラノベの上位を目指してる、と感じるのだよね。キャラ文芸はあれ、一般文芸の下位でしょう。まさにポピュラー化。似て非なるものな感じがするよね。
     前回のコメントにも書いたけど、ラノベの上位を確立するのは急務だと思う。なのでレジェンドノベルに期待してます。

     まさかの読み返しΣ(゚Д゚) うう、ありがとう。ええと、そうね……剣ものもそうだけど、リメイクするときにかなり気をつけたから。でも運動会話の「つわものたちの夏」なんかは我ながらひどいです。直しようがない(-_-;)

     フクロウ盛り上がってるよねー。ちょっと私も時間がなくてムリです。ムリムリ。長編モードなので、いま。「女神墜落」が思わったら、今年こそドラゴンブック向けに冒険ファンタジーに着手しようと考えてます。うまく書けるかなー。不安だけど……。


    Han Luさま  油布さま 

     多視点について。私も気になってました。ていうのも、今ギリシャの古典を読んでるからで。推敲企画の関係で『今昔物語集』を少し読み返したりもしたので、ますます思ったのですよ。古典はみんな三人称多視点ですよね。
     口承が元になってる世界中の叙事詩は多分みんなそうだと。語り手(詩人)が視点主で様々な人物について語る群像劇ですよね。その視点があちこちに飛ぶ上に、古典て主語の省略が多い。それでも当時の読者は理解できてたわけですよね。口承で披露されていた頃には、聴衆は知識人だけじゃない、農民だって楽しんでいたはずです。語り手の声の抑揚などの要素も大きかったのでしょうけど。

     平安時代の『源氏物語』だってフランスの『モンテ・クリスト伯』だって、明治の大ベストセラー『不如帰』だって三人称多視点です。『三四郎』は三四郎に固定した三人称単視点だけど、三四郎の心中語が地の文に交じってたりする。それで読者は楽しめてたのですよね……。

     とすると、三人称多視点が読みにくい読みにくいってされたのは現代だからこそ、のように感じます。

     これ書きながら思い出したのですけど、大正時代に田山花袋が提唱した「平面描写」と、それに反対して岩野泡鳴が唱えた「一元描写」っていう方法論があって。
    「平面描写」は、作者の主観をまじえずに、描こうとする対象を見たまま、聞いたまま、触れたままに、現象的平面的に描写する手法で、「一元描写」は作品中に作者の主観を移入した人物を設定して視点をそこに固定して描写を一元的に固定するって手法です。一元描写は当時の個人主義の反映である私小説の手法を理論的に提示したものだって言われてますが。

    「平面描写」は古典的な三人称多視点だといえると思うのですね。小説の技法でよく言われる神視点、でしょうか。人物の内面には踏み込まない。
    「一元描写」は主観を備えた三人称単視点、更に発展したのが一人称といえると思います。

     なぜ私小説=一人称がもてはやされたのかは、人物の内面を描くことに適していたから。純文学はそこに徹していたからだと思うのですね。
     一方で大衆小説=エンタメは以前Han Luさんの指摘にあったように三人称が多いのですよね。これはやっぱり内面よりもストーリー重視で、多視点が必要だったから、ですよね。
     内面を深く掘り下げた心理模様を楽しむなら一人称、ダイナミックな物語を楽しむなら三人称、という使い分けになる気がするのですが、そう事が単純なわけでもないのですよねえ。

     えと、微妙に話が逸れちゃいました(汗
     現代以前には普通に楽しまれてた多視点が読みにくいっていわれるのは、現代人の読書力の低下といっちゃえばそうなのでしょうけど。

     そうそう、ワタシ大体、視点のブレって言い方が気に入らなかったりします。視点のことを考えずに無意識にそう書いちゃうなら「ブレ」だろうけど、ちゃんとカメラワークを意識してる書いてる場合は「移動」であって「ブレ」じゃないのだよ! と声を大にして主張したいのだけど「ブレ」で統一されちゃうよね。
     そうそう、キャラの性格についても。実はね、「眠りの森の」にもらった某評価メールで、郁子のキャラがブレてるって指摘されたのだけど。ブレじゃないよ! 心の揺らぎだよ! 急に大胆になったり寡黙になったり、思春期にはよくあるよね! 大体、気持ちがブレない人間なんていないよね! なんでも「ブレ」で済ませないでよ! なんて思ってしまったのでした。

    「ブレ」にはうるさいくせに、人称の変化や一人称多視点は受け入れられてるところが訳がわかりません(-_-;)
     ああ、話がそれた。ごめんなさい。


    映像と文字について。

     これも古典を引き合いに出しちゃいますと。古典の文章はすごく映像的ですよね。平安の女房文学は視点の移動がとてもカメラワーク的です。庭先の花の描写から始まり、池の向こうの遠景に視線が流れていくのが分かります。日常を室内でだけ過ごしていたからでしょうけど。

     これは映像がない時代、言葉で全てを表現して伝えようしたからですよね。口承での聴衆にしろ、読み手にしろ、文章から脳裏に思い描く映像は読み手の数だけ違っていたと思います。読書の醍醐味ってそれだと私は思うのです。

     ちょっと変な例えになっちゃいますけど、昔『アルスラーン戦記』のマンガ同人作家さんたちの間で、ダリューンは短髪か長髪か、で議論がすっごい盛り上がったことがあったんです。天野氏の口絵では短髪だけど~~みたいな。映画化されたときには短髪だったけど、それでも長髪ダリューンを書き続けてる人もいて。
     映像化や挿絵が少なかった時代の楽しみだったわけですよね。キャラクターの容姿や風景を想像するのって。

     それがメディア化が当たり前になって、小説の描写も映像を固定させるようなものが求められるようになったのかなって思います。ラノベでいえば女の子キャラのカタログ化です。
     でも、この外見を描くことにシフトしだしたっていうのは『ポピュラー文学の社会学』でも指摘されてることでラノベだけの問題ではないのですよね。以前からHan Luさんが言ってくれてるように、描写過多、読者の想像力を狭めてしまってる。

     結局、映像って強いのですよね。人間は認識力のほとんどを視覚に頼ってるのですもの。
     油布さんがおっしゃるようにそれぞれの表現媒体の特性があるから、映像で受け入れられる視点の移動が、文章ではそうはいかないっていうのも当然なのですけど。文章を映像化する空想力、あるいはやっぱり単純に読解力が低下してるんじゃって感じてしまいます。読解力って簡単に落ちてしまうものらしいですから。
  •  郁子のキャラのブレ……。
     キャラ設定をして、人形みたいに動かしている人はそう思うでしょうね。キャラが人間として作中で生きるという意味を知らない人なら、むしろ当然の反応です。

     誤解を恐れずに書けば、小説書いている人の意見は逆に参考にならない場合があります。自分の作品を基準にして評価しているから、それを超えた優れた部分は見ない。分析しない。ひどい場合は無理やり理屈をつけて否定する。
     自分で認識を歪めているんですよ。

     カクヨムの少なくないユーザーは、自分がいつか小説家になれると思っています。他の人の作品を上から目線で評価して、これなら勝てる(もしくはいつかは勝てるようになる)と思っているわけです。そのために自分とはかけ離れた他人の才能は認めないという前提で、思考を構築しているわけです。同人サークルにありがちな思考です。

     奈月さんのキャラクターは凄いですよ。
     ブレとか書いた人に、じゃあ、お前の書いた物見せてみろ……と言いたいところですが、時間の無駄になるのでやめておきます。
  •  ありがとうございます……。

     評価メールをくれたのはエ〇〇〇タ編集部なのです。なので余計にがっかりしました。郁子は一般受けしないってことかもしれないですけど。後味が悪い、とか。修司と聡の直接対決があったほうが良かったとか。
     いや、あれ、わざと対峙させないように書いたのですけど。恋愛の一方通行を描いたのだけど、みたいな。全部裏目に出てる感じの指摘をもらってしまってがっかりでした……。まあ、指摘は指摘として捉えて、今度はそれが的外れにならない場所に出せばいいんだって考えてはいます。
  •  エブリスタ、コンテストが盛んなのでその点でおすすめです。閲覧数とか人気とか関係なく選考してる感じがします。
     エブリスタ大賞の各部門で優秀100作品に入れば、選評メールがもらえるのです。もらえる意見はやっぱり貴重ですからね☆
  •  編集部がそのレベルかあ……。でも、100作品に選評をしているのなら、下読みみたいな人の評価なのかもですね。

     映像と文学について。

     映像的な小説を書くなら三人称多視点、アリですね。平家物語じゃないですが、語りを意識した作品ならその方がいいのかもしれません。
     そして一人称視点は私小説の流れ……なるほどと思いました。

     結局は、成功しているかどうかなんですよね。

     僕の場合は、三十年前は三人称単一視点で書いていたような気がします。生きたキャラは自分の願望を投影した主人公一人だけだったから、それしか書けなかったんですよね。他のキャラはストーリーで動かすだけの背景です。
     そのレベルの作者には、それしか選択肢がないってことです。まあ、現実を理解し、それじゃあ通用しないっていう判断能力があったことが、僕の救いであり絶望でした……。

     キャラクターをちゃんと生かす能力があれば、どっちもできるんですよ。
     自己を投影したキャラしか書けなければ、一人称もしくは三人称単一視点にしないと破綻するってことでしょう。だから、文章を読んでいて違和感を覚える時、そういう指摘が多くなる。そういうことなのかと思います。

     
  •  そんなに読み込んでない、一般的な読者の反応といえばそうなんだろうなって思いました(;^ω^) そういう読者の関心を引き付けるには文章よりもお話の面白さなんだろうなあ……。

     でもそう、映像的な文章もそうだし、人称視点を使いこなすのもそうだし。基本の力がないとダメなんですよね。

    >結局は、成功しているかどうか

     ほんと、そうですね。腕をあげるのみです!
  •  ウケないというより、その賞と合わなかったって可能性のが高いと思いますけど。ほんと、どこで何がウケるかはわかりませんから。

     エブリスタ、とりあえず新規投稿時には読まれますよね。私、公募に出すのに一度削除した作品を再投稿したら、その直後には閲覧数がけっこう伸びて。あとは週末に見に来る人が多い感じですね、圧倒的に。スターはもらえませんけど。
  •  案外、まったくほったらかしのpixivが閲覧数すごかったりするのですよね(;^ω^) 今覗いてみたら、カクヨムやエブリスタではまったく読まれてない長編シリーズの閲覧数が100以上伸びてました。更新もしてないのにどこから見つけてくるのか不思議。ユーザーが多いのかな。
  •  とりあえず覗いてもらえたのは、懲りずにコンテストに出したからかもしれません。その後の閲覧数からすると最後まで読まれてる感じはしないのですよね⤵

     pixivはユーザーが多いのですか。イラストと二次創作の強みですね。私もとある少女漫画の二次創作を捜しててpixivを見つけたのが、投稿を始めた最初なので。

     でもこうやって交流できるのはカクヨムだけなのですよね(;^ω^)
  • 『二番目のボタンはもらえなくても』に星をくださってありがとうございます。
    三周年企画、初めて参加しましたがなかなか難しいです。ですが面白くはあるので、これからもアイディアと時間の余裕があれば参加していきたいですね。
  • 奈月さま

    すみません、ちょっと時間が経っちゃいました……。

    古典って(全部じゃないですけど)、私のイメージでは、絵巻物っぽい感じなんです。空の上の高ーいところから見下ろしてる。ああいうのって、場面場面で登場人物がくるくると変わったりしますし、俯瞰してるので、三人称多視点的なんですよね。

    例によって話が逸れますけど、一点透視遠近法が出てくる前の、平面的な絵巻物って、遠近いくつかのレイヤーが重なっている感じがします。古典の文章はすごく映像的というのにも関係してくるんじゃないかないなーと。で、その手法って、アニメーションそのものなんですよね。背景の上にセル画を乗せる、みたいな。すみません、ちょっと前にこういう話を絵描きさんとしたので。

    田山花袋の「平面描写」と、岩野泡鳴の「一元描写」、面白いです。そういえば、以前も、心境小説と、近代詩について教えてもらいましたよね。で、やっぱり私、どっちかというと「平面描写」に惹かれます。作者の主観を一切交えない文章って、一度書いてみたい。でも、自分ではついつい一人称で書いちゃうんですけど。

    前に奈月さん、「猫と桜」書かれてましたよね。あれ、すごく好きでしたー。(そしてなんと、私あの作品に★をつけていなかったことに気付くという……)

    あと、青い導火線のコメント返信を読んで思ったことを。

    そうなんです、たぶんですけど、視点主がころころと変わっても、読み手が混乱しないやり方ってあると思うんですよ。で、そういう小説ってちゃんとあるんじゃないかなと。例によって、思いつかないですけど。

    あとそれから、視点主を隠す話。
    >すぐに読むのを止めちゃうような人が多い中では、リスクも大きいかも
    これ読んで、あーそうだよなーと思ったことが。上にも書かれていますけど、私も「小清水くん」でエブリスタ編集部から評価メールもらいました。で、そこで、主人公たる僕の登場が遅いところが気になった、という指摘をもらったんです。あらまー。

    主体を明らかにしない一人称のプロローグを付け足していることもあるんですけど……。

    これって要は、「みなさーん、この小清水遥っていう人が、この小説の主人公なんだよー。わかったかなー?」っていう意味の文章を最初に入れるべきということなんですよね。

    そうしなければ、今の読者は(特にWeb小説では)すぐに読むのをやめちゃうと、編集部側では判断しているのだろうと私は解釈した次第です。私、もう別に何が来ても驚きませんから、いいんですけど。

    奈月さんの言うように、単純に読解力が低下してると私も思います。でも、人々の読解力を低下させているのは、誰なのでしょう。

    ええと。まだまだ色々と語りたいのですけど、いったんここまでで。

    ではでは~。
  • 奈月沙耶さん

    『私は1番好きな男の子を、2番目に好きだと言った。』に、星をくださってありがとうございます。
    あんな作品ですみません。本当は書きながら、「女子はこんなんじゃなぞ!」ってコメントが届けばいいのにと思っていました。結果、「こういうの実際ある」、「分かる」と言うコメントが多数届いちゃいましたけど(;^_^A

    もちろんこの話の人間関係は、悪い例です。上下関係なんて無い、仲良しな友達関係が、広がっていく事を祈ります。
  • 無月兄さま

     いえいえ。こちらこそありがとうございます。

     3周年企画、大盛況なのでうずうずしちゃいますよね。でも連載しながらのあの時間制限はキツイ。ネタが降ってくれば、私もこの後も参加したいなーとは思ってます。


    あかつきさま

     この後読みに行きますねー。


    無月弟さま

     こちらこそありがとうございます。

     それはそれは(;・∀・) 感想は読者個人の経験によるところが大きいから仕方ないですね。そういうコメントが集まっちゃったのですね。だって、同意のコメントせずにいられないですもん、あれ。ドンマイです(こら)
  • 奈月沙耶様

     今晩は。
     ご作品『あなたの後ろで』、実に考えさせられるお話でした。
     それから、 この度は私の作品『2番目の相手』に星をつけてくださりありがとうございます! 大変嬉しいです。今後とも何卒よろしくお願いします。
  • 奈月沙耶さん

    『熱出して夢心地なアイツに、お見舞いの花を』に、星をくださってありがとうございます。
    今回のお題、シチュエーションラブコメでしたけど、これで良かったのかな?普段からラブコメは考えているのですけど、使えそうなネタはとっくに使ってしまっていたので、話を考えるのに苦労しました(;^_^A
  •  難しいですよね、シチュエーションラブコメ。たぶん、ふたりの関係に独自性があって、読者には本心が見え見えの、駆け引き的なシーソーゲーム的なやりとりを楽しむラブコメかなって気はするのですけど、すっごいアイディア勝負ですよね。私は発想力がないのでとてもとても……⤵
     でも、ぽんとワードだけ出されるお題より勉強になります。次はどんなお題が出るのやら~~
  • 『妹な私』に星とレビューをくださってありがとうございます。
    シチュエーションラブコメの定義が分からなかったので、普段から想像していた『初恋と幽霊』のif世界を書いてみました。

    普段の想像では啓太も活躍中で、ラブコメと言う意味では彼の方が適任なのですが、果たしてこれは発表できるクオリティなのかと言う疑問があって、今回は彼の登場は見送りとなってしまいました。啓太、こんな時まで不憫です。
    また機会があれば、今度は啓太の話もやってみたいです。
  • Han Luさま

     そうね。『源氏物語絵巻』の吹抜屋台はあれ、まさに室内を俯瞰してる。濡れ縁から手前と奥で、畳のへりの長さを変えて遠近感を出してる。平面なのにミニチュアちっくなんだよね。上から箱庭を覗いてる感じ。
     絵巻物って左から右に時間が流れるってお約束があったり、その法則で行列が進む場面なんか辿るとパラパラまんがみたい。アニメーションちっく。
     雲(霞)もあれ、時間や空間の変化を表現してるって聞いた気がします。平面の中で動きをすごく意識してるのだねえ。

    「一元描写」の内面的描写がもてはやされる中で、「平面描写」の詩と詩論は徒花だったのだねえ。このままいくと三人称多視点が徒花になる時がくるのかなあ。一人称多視点が幅をきかせるようになったりして。みんな違ってみんな良い、でいろんな手法のものが評価されてほしいところだけど。

    「猫と桜」ありがとー。

     冒頭で主人公はこの人です。これはこういうお話です。てのをがんがんがんと、分かりやすく提示してかないとダメなのね。くどいってほどに。ええ~そんなの、なんの面白みもないじゃんねえ? 冒頭に、ナレーションで前振りを入れる感じ?
     確かに、これはどういう話なんだ? ってよくわからないまま読み進めるのってしんどいけど。ああ、そういうこと、てAHA体験みたいのが楽しいのじゃんね。そこまで読者を引っ張れるかが腕の見せ所なのだろうに、これって書き手の労力を省こうとする行いともいえるかも。むうう、小説を安易なものにしちゃってるのは編集部の責任か?

     主人公の登場が遅いって。島田荘司の御手洗シリーズの『斜め屋敷の殺人』なんて、最後の数十ページでやっと主人公の探偵といつものキャラクターが登場するんだよ? 『異邦の騎士』なんて、最後の最後で、この主人公は彼だったのか! ってなるんだよ。
     安易な書き方ばっかり推奨してたら、そういう面白みのある作品がなくなっちゃうよね。やだよ。
     新しい傑作は生まれない時代がきちゃうのかなあ?
  • 無月兄さま

     if世界のスピンオフ。ファンには嬉しいですよね。おお、ぜひ啓太にも出番を! うう、でも報われない彼が好きだったりもするからなあ(鬼畜)

     シチュエーションラブコメ、難しいですねえ。しっかり世界観ができあがれば、書くのも楽しくなりそうですけど、これって掛け合いに終始するのかなあ、ストーリーはどうなの? とか。最近の作品を知らないので、流行りに乗るのはやっぱり無理そうです⤵

     次のお題もなるべく参加はしたいですね!
  • 奈月沙耶さま、こんにちは。

    この度『二番目に生まれた私』に応援、レビュー☆を下さり、ありがとうございます!

    悲しい話なのですがそんなに暗くならずに優しい雰囲気を目指して書きました。
    評価下さってありがとうございました(^^)
  •  こんにちは~。
     いえいえ、こちらこそありがとうございました。

     きょうだいが平等に扱われるかどうか、難しいですよね。育児の上では、下にきょうだいが生まれると上の子が赤ちゃん返りするからその心のケアを……なんて言うのですけど、でも上の子って、先に生まれた分だけ愛情を独り占めしてたのだよなあ、とも思ってました。ケースバイケースだけど、難しいですね、きょうだいって。お姉ちゃんはお姉ちゃんの思いがありそうだしって考えながら読んじゃいました(笑)
  • 奈月沙耶 様

    『現状二番目な俺たち』に応援コメント、レビューまでいただき、ありがとうございました。あまり『カクヨム』で遊び過ぎだと、運営様からお叱りを受けないかと冷や冷やしております。
    面白いというお言葉も、本当に嬉しかったです。
    カクヨム利用者みんなで、トリ! 叫ぶ日が来るといいなと、夢を見ずにはいられませんね。
  •  わざわざありがとうございます。

     コメント返信で教えていただいたダイスケくんのキャラに萌え~です(≧◇≦) 三人の可愛らしいやりとりを見てみたい。

     いつかクイズ番組でカクヨムが取りあげられたあかつきにはテレビの前で叫びたいですね。トリ!
     ナイスマニアック! 流行らせたいです(笑)
  • 奈月沙耶さま、こんばんは。

    『紙とペンと⚪⚪』
    こちらも閲覧して頂き、レビュー☆も下さってありがとうございます!

    初エッセイだったのでちょっと自信がなかったのですが、読んで頂いて嬉しいです(*^^*)

    それでは改めて。
    ありがとうございました!m(_ _)m
  • 奈月さま

    実は最近、絵巻物に関心があって……。昔はそんなの思ったことなかったんですけど。西洋的な一点透視遠近法が絵巻物みたいな平面的な絵よりも優れているって漠然と持ってたんですけど、そんなことないんじゃないかって。絵巻物っていろんな手法を使ったすごく豊かな表現方法なんですよね。しかも、そう、アニメちっくなんですよ。

    たぶん、内面的な描写と客観的な描写の対立構造って、ずーっと続いている感じがしますね。私はなんとな~く一人称多視点がもてはやされる予感が……。それこそ相互視点なんかじゃなくて、一人称の主観がころころ変わっちゃうような。全員の手札が見れるという点においては、それが一番分かりやすいですからね。

    分かりにくいのはしんどいけれど、よく分かんないものって、わくわくするけどなー。私たちが若い頃って(っていう前提でごめんなさい!)、分かりにくいとか、難解なものとかが必要以上にもてはやされたり、ありがたがったりってあったと思うんですけど、今はそんなことないのでしょうか。

    エブリスタのはWeb小説っていう前提が一応あるのでしょうけど。それでもやっぱり、どうかなーと思います。ただ、@kobuupapaさんがコメントくれてたんですけど、そういうもろもろを飛び越えて稚拙な表現でもヒット作は生まれるわけで。

    多様化って、世界的に言われていますけど、ほんとうにそうなのかなーって思っちゃいます。いろんな手法のものが評価されてほしいですね。
  •  今日は。
     ご作品『抜き差しならない俺たちの関係』、場の転換に感服しました!
     それから、この度は私の作品『こっちにこないで!』に星を下さりありがとうございます! 大変な喜びを噛みしめています!
     今後ともよろしくお願いいたします!
  • Han Luさま

     四大絵巻の『伴大納言絵巻』『源氏物語絵巻』『信貴山縁起絵巻』『鳥獣戯画』はそれぞれ特徴のある技法を駆使してておもしろいよ~。
    『伴大納言絵巻』の応天門の火災の構図は大迫力。「連続式構図」って巻物っていう長さを生かしたものだけど。
    「異時同図法」なんかもおもしろい。中国から伝わった技法らしいけど。同じ空間の中で同一人物が異なる動きをしてるっていう。コマ送りみたいに見えるっていう。検索してみたら、法隆寺玉虫厨子の投身飼虎図っていうのが例としてすごくわかりやすい。お釈迦様が衣を木にかけ→身を投げ→虎たちに食べられちゃうっていう姿が一枚の絵の中に描かれてる。んん、西洋絵画にもある手法か~。何にしろ、昔の人たちのほうが、空間や時間をとらえる発想がダイナミックだったのかもしれないね。現代人はいろいろ知りすぎてしまって幅を狭めてしまってる。空想力についてもそれが言えるのかも。

     一人称で視点(語り)主が代わるの、今の時点でそういう作品の多さにうんざりしてるのに。トリックで、実は同一人物じゃなかった! って引っかけるのなら私だってやってみたいけど。ふつ~~のドラマでその選択をする必要性がわからない。
     恋愛で、男女交互というわけでもなくて、ヒロインとの出会いの後に一話だけ相手男子の視点エピを挟んでる作者さんは「このままだと彼が不審人物みたいだから仕方なく挟んだ」って。仕方なくねえ……。
     キャラクター全員の手札を読者に提示したいなら三人称多視点でいいじゃんね。一人称の利点は主人公に感情移入できやすくなることであって、主人公と一緒に相手の思惑がわからないからこそのハラハラドキドキを味わえばいいのであって~(『それから、教室で』みたいに)。そういう境地に引っ張っていくのが書き手の腕の見せどころじゃないの?

    「人を殴り殺せそうな」って評された分厚い新書ミステリーやハードカバーが売れてた頃もあったのにね。その頃読んでたキャリアウーマン向け雑誌の読書特集で「何読んでるの? って訊かれて宮部みゆきを挙げるようじゃ恥ずかしい。山崎豊子くらい読んでなきゃ」みたいなことが書いてあって。いや、宮部おもしろいからって苦笑いしちゃったけどさ、最近じゃ宮部みゆきも読んでない人多いのだよね、きっと。

     私はweb小説だからって言い訳はいけないと思う。web小説だろうと小説は小説だよ。そんなこと言ってるから安易で稚拙なものがもてはやされる。ケータイ小説が注目されたときは、これを入り口として紙の本にも手を伸ばしてもらえればって願望があったのだろうけど、web小説で満足してる層は、紙の本なんか読まないのじゃないかな。

     多様化が進む一方、その反動で狭隘的になってるのが現状なんじゃないかな。Han Luさんがいつも言うように過渡期なんだろうね。いろんなことが。世界情勢なんか見てると怖いよね。真にグローバルなものの見方や考えが浸透する日がくるといいのだけど、そうでなかったら人類滅亡だよねー。
  • 奈月沙耶さん

    『紙とペンと、届かない恋のポエム』に星をくださってありがとうございます。
    KAC4のお題、『紙とペンと〇〇』について考えて、ポエムを書くという発想から、この話は生まれました。
    作中で出てきたあれが、そもそもポエムと言えるのかどうかは分かりませんが、趣味全開で書きました。ありがとうございます!(^^)!
  •  奈月さん。


     プレバトの俳句査定を見てると思います。

     五七五だけじゃなくて、季語がないのはダメ、季重なりも良くないとか。色々なセオリーがあるけど、それは絶対じゃない。破調の俳句なんかも高い評価を得ることがよくあります。
     
     でもそれってセオリーを身につけた上で、それを無視することのマイナスを計算してからやることですよね。ただカッコのいい言葉を使いたくて書いただけだと、才能無し査定を受けます。そしてここが重要なんですけど、関係のない第三者として見ていると、大して俳句の才能のない人間でもその良し悪しってわかってくるものなんですよね。

     僕はいい物とそうでない物を並べれば、むしろ普通の読者ほどいい物を選ぶようになると思うんですよ。だから苦し紛れやカッコつけで書いた作品は、同じようなものを書いている作者以外には、よい評価を受けることがない。そう思うんですが、どうでしょう。
  • 『カンニングペーパーのススメ』に星をくださってありがとうございます。
    もちろんやってはいけませんし、見つかれば即アウトのカンニングペーパーですけど、作って覚えるならセーフかもしれませんね。

    それと、以前に書いた『初恋と幽霊』のifですが、啓太を主役としたものも書いてみました。『少年は歌詞に想いを綴る』と言うタイトルです。
    宣伝になってしまってすみません(>_<)
  • 油布さま

     ごめんなさい、見てなかったです(;・∀・) 特にその俳句のコーナー、見てられないんです。元の語句なんか跡形もないほど添削されちゃうときがあるでしょう。もうちょっとオリジナルを残してあげようよ……って思っちゃって。

     そうですね、ああいうバラエティー寄りの番組でもプロが解説しているのを何度も見ていれば分かってきますよね。特定の先生の基準に合わせての判定の出し方に寄っちゃう危険はありますが。

     質の良さがわかってくるって、そうやって、評価基準をクリアした良いものに触れていってこそだと思います。
     買い物術でも、まずは高級店へ行って良いものを見て、それからお店のランクを落としていくと、品質と値段の折り合いで失敗することがないです。そういうふうに、まずは良いものを見て目を養う必要があります。粗悪品ばかりを見てたら審美眼は育ちません。ピンからキリまで知ってないと。

     多種多様なものがあってこその文化なのに、供給するものの傾向が偏りすぎているのが審美眼を衰えさせてる原因かもしれないです。食ではプチ贅沢なんて言葉が流行ったり、大人向けのちょっとお高いお菓子が販売されたりしてるけど、文化では、ちょっと無理して敷居の高いものに触れてみる、とはならないのかなー。生涯教育でも最もお手軽であろう読書をアピールしてほしいところです。


    無月兄さま

     レビューで書いてる方がいましたが、私も『ザ・カンニング』を思い出しました。そこまでカンニングに徹する熱意を勉強に向けてれば簡単だったろうにっていう。無月兄さまのはそれをオチに使ってちょっといい話(?)になってるのが良かったです(笑) こういうお話を考え付けるのが羨ましいです……。

     おお、啓太のお話ですか。ハンカチが必要ですね。不憫で涙が出るでしょうから。後で読みにいきますね。
  • 『少年は歌詞に想いを綴る』に星をくださってありがとうございます。
    こちらで宣伝してしまってすみません(>_<)

    啓太を好きと言ってくれる方が思った以上に多くて、そんな声に押されて作者である自分も、最初の頃よりさらに彼に対して愛着が沸くようになりました。それでも基本的に不憫なのは、自分の歪んだ愛の証しと思ってください。

    今回の話も、彼を好きと言っていただけなければきっと生まれなかったと思います。そう言った意味でも、本当にありがとうございました!(^^)!
  •  添削を見ていられないっていう気持ちはわかりますね。あれは芸能人のバラエティ番組だから楽しんで見ているだけで、僕も他人の作品を添削するのは苦手です。前にもどこかで書きましたが、できるだけ作品の内面を変えないように表面を滑らかにしようとするので、中途半端になってしまうのですよ。何回か試みたことはあるのですが、修正後の出来はイマイチでした。

     それはともかく、僕は奈月さんよりも少しだけ楽観しています。
     ある時期席巻したジャンルでも、質が伴わなければ必ず廃れる。やり尽くされればどうせ飽きてしまう。出版社は、今、ラノベというジャンルから利益を回収をしているところなんでしょう。そして出がらしのお茶っ葉になったら、さっさと次へ向かいます。

     最近はメディアミックスが強調されるようになってきました。
     そろそろウェブ小説から、単独で利益を出すのが難しくなってきたのだと思います。近いうちに、力のあるクリエイターが見直される時代になるじゃないかと僕は期待しています。
  • 奈月沙耶さん

    『作り出せ、新たな戦隊ヒーローを!』に、星をくださってありがとうございます!(^^)!
    この話はテレビを見ている時に戦隊ヒーローのCMを目にして、「これだ!」と思って書きました。
    ほとんどノリと勢いだけで作ったお話でしたけど、読んでもらえて嬉しいです(≧▽≦)
  • 奈月沙耶さま

    「紙とペンと美人」に応援とレビューをありがとう存じます。

    用件のみにて失礼いたします。


    水木レナ
  •  奈月沙耶様

     おはようございます。
     ご作品『僕たちのルール』、大変面白かったです!
     それから、この度は私の作品『紙とペンと詐欺師』に星を下さりありがとうございます! 大変励みになりました。大いに愉快です。
     これからもよろしくお願いいたします!
  • 奈月沙耶さん

    『ポエムを書く上での私のルール』に星をくださってありがとうございます。
    KAC5のお題が『ルール』と聞いて、小説を書く上で自分なりのルールを設けている人って多いと思ったのですよ。そこから話を考えていきました。
    この作品では小説ではなくポエムでしたけど、自らルールを設けて執筆活動をしている人は多いのではと思っています!(^^)!
  • 奈月沙耶さま、こんばんは。

    『最初のおめでとうをキミに』を読んで頂き、レビュー☆まで下さってありがとうございます!

    今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
  • 奈月沙耶さん

    『私を愛してくれなかった両親への、感謝の手紙』に星をくださって、ありがとうございます。
    今回は重たいテーマでした。人によっては不快に思う人もいるかもしれませんけど、それを覚悟で、辛い事があっても、幸せになることは出来るのだと言う願いを込めて書きました。
    児童虐待に育児放棄。親の都合で子供が悲しい思いをすることが無くなる事を、切に願います。
  •  奈月沙耶様

     こんにちは。
     ご作品『「おめでとう」』、口の端が歪む面白さでした!
     それから、この度は私の作品『スターコレクターズ』に星をくださりありがとうございます! とても満足で清々しく光栄に思います。
     これからもよろしくお願いいたします。
  • 『妹な君』に星をくださってありがとうございます。

    初恋と幽霊のパラレルストーリーも、藍、啓太、優斗の三人それぞれの視点を書き上げる事ができました。
    具体的に誰と誰がくっつくと言う描写は、本編との兼ね合いもあって避けましたが、いつもとは少し違った三人を書けて楽しかったです。啓太は、そこまで変わって無かったかもしれませんが(;^_^A
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