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読書メモ⑧

 現在「女神墜落」が中途半端なところで更新が止まってしまっています。私の気持ちが変わって、納得いくまでインプットが必要だと思ったからです。私自身が納得できるところまで世界観が組み上がれば、あとはさくさく行けると思うので、それまでしばらくお待ちくださいませ。

 ということで古代ギリシアを猛勉強中。読書もギリシアに振り切ってます(極端) ワタシ、資料に関しては質より量なのですよ。とにかく読み漁ってます。
 今回は参考になりつつ、読み物としても楽しめた本を紹介します。


『神々と英雄と女性たち』長田年弘著(中公新書1384)

 美術作品(主に陶器画)を通して神話や時代背景を解説しながら古代の人々の心の歴史をなぞる興味深い一冊です。
 著者はヘロドトスの『歴史』を「平易な読み物の体裁で書かれ」「つねに同じ体温の、穏やかで着実な文体が見いだされる。」と絶賛しています。意識されているのか、この本も文章が読みやすく歴史探求の世界に引き込まれます。学術書の類を読み慣れてない人にもお薦めです。
 当時題材として人気のあったアマゾン伝説についてかなりの尺を割いて読み解いているのが面白かったです。「男性中心の社会体制を揺さぶる、既存秩序の逆転」ほほう。抑圧している女性に逆に踏みつけられたいって倒錯の願望があったのでしょうかねえ(多分違う)


『古代ギリシアの歴史』伊藤貞夫(講談社学術文庫1665)

 古代史と一口に言いましても、私が詳しく知りたかったのはペルシア戦争以前の前古典期と区分される時期についてで、この本はまさにその知りたかったポリス成立の流れが分かりやすくて良かったです。
 重装歩兵戦術について、いわゆるファランクス(密集体形)がいつ成立したかの考察、それとペイシストラトスのクーデターについての解説が面白かったです。


 その他、参考になった本をメモしておきます。

『古代ギリシアの旅』高野義郎著(岩波新書780)
『ギリシアの古代』ロビン・オズボン著/佐藤昇訳(刀水歴史全書81)
『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』今川香代子訳(丸善株式会社)
『図説ギリシア』周藤芳幸(河出書房新社)

8件のコメント

  •  僕も最近、自分にもインプットが必要だと感じています。
     小説を書いて、インプットをしてだと時間がなくて、どうしても本を読むのを後回しにしていました。アニメやドラマを見るくらい。そろそろ、この近況ノートにあるような本もじっくり読みたいなと思っているところです。

     古代ギリシア、いいですね。古代ローマもそうですけど、多神教の世界には親近感がわきます。日本人ですからね。
     ひとつの宗教、考え方に固まってしまうと自由でのびのびとした社会は生まれにくいんじゃないかなんて感じます。

     多神教だったころのギリシア・ローマ。儒教に凝り固まる前の春秋戦国時代の中国。その頃の方が、人間が自由な発想をしていたような気がするんですよね。

     

     
  •  〇〇年ぶりに大きな図書館に行ったら、何かが弾け飛びました……。
     児童書と一般図書しかない分館と違って、専門書がたくさんある~~。パラダイス!

     学生時代読破した全集本の新装版が出てたりして、日本史や伝承の勉強もまたしたくなりました。
     実はワタシ、小説より学術書の方が好きかもしれない、なんて今更ながら思いました。
  • 奈月さま

    ホントだ! ありがとうござます。

    『眠りの森』も入ってる。拍手〜。パチパチ〜。なんか嬉しさ二倍。

    最終候補、ダメかぁ。ううう〜。わかったよ、もっとすごいの書いてやるよ!
  •  わーい。あかつきさん。お久しぶりです。

     知識がないなりにふんわりぼんやり上手く書き上げる技術も必要かな~って挑戦してみたのですけど、マニュアル人間の私にはとうてい無理でした(T_T)

     私は絶対的に知識が足りてなかったので書物に走ってますが、インプットって読書だけじゃないと思います。インスピレーションはどこからもらえるか分かりませんから。あらゆる体験がインプットになりますよ~。
  • こんにちは~(*´▽`*)

    しっかりインプットされている奈月様は、すごいです!

    私は最近は、ぜんぜんインプットができていません……(買ったものの読めていない『古代ローマの庶民達』と『古代仕事大全』を横目で見つつ……)

    『神々と英雄と女性たち』も『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』も、本棚にありました。こちらは、ちゃんと読んでいました(笑)

    古代ギリシャ・ローマとひとくくりにされることも多いので、ローマ物を書いていると、ギリシャ関係の本も自然と多くなります。

    資料をちゃんと見てから書きたいというお気持ち、わかる気がします。
    今連載中の自作も、16世紀ドイツが舞台で、ふわっと、中世風で書いていますけれど、それでも流し読みも含めて10冊は本にあたりましたし。
    どんな生活していたの? とか、どんな服を着ていたの? とか、書いていると色々と気になることが多すぎて……(><)

    インプットされた後の奈月様がどんな物語を紡ぎ出されるか、楽しみにしつつ、のんびり待っております(*´▽`*)
  •  大反省で猛勉強し始めたところ、古代ギリシアにどっぷり漬かって、どこを目指してるのだろうかと軽く迷子になってる自分がおります(極端)

    『古代仕事大全』今、読んでます。これ、面白いです。装丁もきれいで良いですよね。飾り枠やカットの絵もきれいで見ごたえあります。ただ、大半がローマに関することなので、私的にはもっとギリシアを~~といじいじしてます。

    「ん?」と気になって筆が止まると、集中できなくなっちゃいますもんね。事前の勉強大事です⤵⤵
  • 奈月様も『古代仕事大全』を読んでらっしゃるのですね!
    しかも、感想までお教えいただいて、ありがとうございます!(*´▽`*)

    私も早く読まねば……!
    今回のカクヨムコンはまたもや古代ローマ物で参加していますが、やはり好きな時代は楽しいですね(*´▽`*)
  •  自宅に資料があるなら良いですね。私は図書館頼みなので。でも蔵書が多いとそれはそれで探すのが大変になるのですね……
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