現在「女神墜落」が中途半端なところで更新が止まってしまっています。私の気持ちが変わって、納得いくまでインプットが必要だと思ったからです。私自身が納得できるところまで世界観が組み上がれば、あとはさくさく行けると思うので、それまでしばらくお待ちくださいませ。
ということで古代ギリシアを猛勉強中。読書もギリシアに振り切ってます(極端) ワタシ、資料に関しては質より量なのですよ。とにかく読み漁ってます。
今回は参考になりつつ、読み物としても楽しめた本を紹介します。
『神々と英雄と女性たち』長田年弘著(中公新書1384)
美術作品(主に陶器画)を通して神話や時代背景を解説しながら古代の人々の心の歴史をなぞる興味深い一冊です。
著者はヘロドトスの『歴史』を「平易な読み物の体裁で書かれ」「つねに同じ体温の、穏やかで着実な文体が見いだされる。」と絶賛しています。意識されているのか、この本も文章が読みやすく歴史探求の世界に引き込まれます。学術書の類を読み慣れてない人にもお薦めです。
当時題材として人気のあったアマゾン伝説についてかなりの尺を割いて読み解いているのが面白かったです。「男性中心の社会体制を揺さぶる、既存秩序の逆転」ほほう。抑圧している女性に逆に踏みつけられたいって倒錯の願望があったのでしょうかねえ(多分違う)
『古代ギリシアの歴史』伊藤貞夫(講談社学術文庫1665)
古代史と一口に言いましても、私が詳しく知りたかったのはペルシア戦争以前の前古典期と区分される時期についてで、この本はまさにその知りたかったポリス成立の流れが分かりやすくて良かったです。
重装歩兵戦術について、いわゆるファランクス(密集体形)がいつ成立したかの考察、それとペイシストラトスのクーデターについての解説が面白かったです。
その他、参考になった本をメモしておきます。
『古代ギリシアの旅』高野義郎著(岩波新書780)
『ギリシアの古代』ロビン・オズボン著/佐藤昇訳(刀水歴史全書81)
『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』今川香代子訳(丸善株式会社)
『図説ギリシア』周藤芳幸(河出書房新社)