とある二人のごろごろおうち時間。

私は、走らねばならない。 この魔王城から落ち延びて、務めを果たさなければ。無二の友との約束だ。自慢の素早さで、人間たちの目をかいくぐってみせるとも。

接客業でものをいうのは、直観力なんじゃないかと、私などは思うわけです。

そろそろあなたが帰ってくるから、お夕飯をつくりましょう。

突然ホーム画面に現れた見知らぬアプリ。 うっかり起動してしまうと、「スマホのマホ」を名乗る者からメッセージが。

黒猫のシピとくらす、代書屋のおじいさん。　おじいさんはある日、「自分のためには文字を書かないの？」と問われますが……

死刑執行前、最後の一夜。最後の晩餐を終えた囚人エディのもとへやってきたのは、天使（アンジェロ）という名の神父だった。

加戸川市立第二中学校に一年間限定で編入してきたのは、どこをとっても尊い本物のお嬢様、花山院琴子だった。私は教室の席が隣だったというだけで、彼女の最初の友達になるが……

ある朝、私は七十歳の誕生日を迎えたことを機に、終活を思い立つ。親も子も夫もいない、一人きりの自由な終活が始まる。

或る旅人の前に突如現れた白亜の宮殿。「望みを叶える代わりに、帰ることはかなわない」帰らずの迷宮だという。白い鴉に導かれるまま、旅人は迷宮へ足を踏み入れる。 ※作中の「迷宮」とは…