みなさまこんにちは。お久しぶりです。カイエです。
本当に久しぶりに新作を公開いたしました。
小説のタイトルは「ロタチオン」。
ごく短いお話ですので、お付き合いいただければ嬉しいです。
本当はもっと春爛漫のタイミングで公開したかったのですが、多忙すぎてそれどころではありませんでした。
でも、外に一歩踏み出してみれば、それはそれは見事な葉桜。
桜の花が舞い散る中、公開するなら今日しかない! 行ってしまえ! というわけで、覚悟を決めてエイヤと予約ボタンを押しました。
一応、週に一度程度の更新予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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「ロタチオン」は、ぼくが個人サイトで公開していた作品のリメイクとなります。
といっても、フォーマットを整えて、文章がおかしいところを直したりした程度で、内容は公開時とほとんど変わりません。
物語は第二次世界大戦前夜に始まり、開戦から終戦、そしてさらにその先へと続きます。
倫理観や政治的・宗教的思想などはできるだけ当時の世相に照らして書いたつもりです。
友人の助けを借りて山形のご老人に古い方言を監修してもらったり、歴史や事件について勉強し直したりもして、ぼくとしてはなかなかの意欲作でもありました。
その甲斐あって公開当時はなかなか評判も良く、とくに女性からたくさん感想を頂きました。
どこで知ったのか、驚いたことにかなりのご高齢の方からもうれしいお便りを頂いたりもして、ぼくにとっては思い出深い作品です。
反対に、実際にあった事件を舞台にしたことや、登場人物の戦争や政治的な思想について批判的なご意見もいくらか頂きました。
言うまでもなく小説の登場人物とぼくは別人格なのですが、これはなかなかむつかしい問題です。
勉強不足を恥じるばかりですが、そういう意味でも思い出深い作品となりました。
ぼくとしては、純粋に「恋愛小説」を書きたかっただけで、登場人物に何かを代弁させるつもりはありません。
他の作品同様、登場人物はみな自立した人間だと考えています。
あくまでフィクションとしてお楽しみいただければ幸いです。
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紹介文にも書きましたが、この小説は実は拙作「魔物の森のハイジ」の元となっています。
……といってもストーリーは似ても似つきませんし、キャラクターの性質に至っては真逆もいいところです。
きっと「どこが元やねん」と思われることでしょうが――でも、どこかで「ハイジに通ずるテーマ」を感じていただけるのではないか……と期待している次第です。
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以前、近況ノートで「過去に読んだ話をすっかり忘れて、自分でも気づかずに設定を模倣してしまう恐怖」についてお話したことがあります。
実はそれがこの小説のワンシーンでして、それが何というお話だったかはネタバレになってしまうため、すべてが終わってからお話しようと思います。
その暁には告解のうえ、真摯に謝罪しようと思います。
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それでは皆様、少しでもお楽しみいただければ幸いです。
またお会いしましょう。