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「川の主」初期稿

川の主(https://kakuyomu.jp/works/16817330654563592337)を投稿しました。これは2016年7月27日に投稿した「主」を修正したものになります。

投稿したと書いていますが、既にそのサイトからアカウントは削除しているのでHDDに保存していた古のデータを修正している感じです。

中には私でも本当に意味が分からないものもあり、困惑してますが、全部よく分からない勢いだけがあってより困ります。

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 私の趣味は釣りだった。
 あくまで『だった』。






 アウトドア系女子を気取って川釣りスポットに休みのたびに行っていた。
 その頃は釣りスキルも上がって私は調子に乗っていた。

 だからリボ払いで高い釣竿を買った。

 しかし川に到着し、目を離した少しの間に釣竿とルアーがなくなっていた。
 まだ支払いも残っているのに!
 私は血眼になって犯人を探した。
 まだ近くにいるはずだ!
 だが人影すら見当たらない。

 結局見つからず、その日は家に帰ることにした。

 どうしても諦められない。
 一目ぼれしてようやく買う決心がついたものだったから諦めろという方が無理だ。

 その日から休みの度に犯人探しをする為、その川に来る釣り人に聞き込み調査を行った。ほとんどが顔見知りだ。
 その中の数人が同じようなことを言った。
「そりゃ川の主に取られたんだな」


 主……。
 じゃあ余計人のもん盗るなよ……。
 1%でも確率があるのならオカルトでもなんでも構わない。ひとまず、近所で一人暮らししている老人に主について聞くことにした。

 ズバリ、主に遭遇するにはどうすればよいのか。

「サツマイモ持って川沿い歩いてたら出てくるよ」
「釣り竿取り返せる?」
「あー、諦めた方が良いねぇ……」

 人の犯人の方は聞き込み調査も芳しくない。
 主の方を探すことにした。


 次の休み、両手にサツマイモを持って川沿いを散歩した。我ながらアホみたいな光景だったと思う。
 しかし効果はすぐにあらわれた。

 後ろを何かがついてくる。


 ぺたぺた。ぴちょん。

 ぺたぺた。ぴちょん。



 私は振り向いた。
 何もいない。
 後ろにてんてんと、水たまりと足跡が続いてる。
 足跡には水かきがついていた。
 生き物はいないが、横の草むらに私の釣り竿が揺れているのを見た。
「わ、私の釣り竿!!」
 瞬間、とんでもない勢いで草むらを釣り竿が走る。川に向かっている。
 追いかけたが、捕まえることはできなかった。

「た、高かったのに……」
 オカルト世界の生き物なんて警察の管轄外に決まってる……。
 泣き寝入りしか出来ないのか……、私はやけくそでサツマイモを川に全力投球した。

 びちゃん。

 足元で水音がした。
 見ると私のすぐ近くにびちゃびちゃの宝くじがおいてある。
 釣り竿代ということか。

 交換期限が迫っていたので、すぐに宝くじ売り場に向かった。


 ――宝くじは当たっていた。
 300円の当たりくじ。



 サツマイモ代だってか、バカヤロー。

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