能登半島地震のこと

現状、テレビやラジオ等であまり大きく取り上げられる話じゃなさそうに思うのですが、今回の地震で火葬場も被災しているという報道があります。

それによると、奥能登の火葬場は全部で3カ所。やすらぎの杜(輪島市)、珠洲市営斎場(珠洲市)、能登三郷斎場(鳳珠郡能登町)で、火葬炉は3カ所合わせて8基。このうち輪島と珠洲の2カ所は損傷により使えず、かろうじて能登三郷斎場で1基のみが、応急修理で稼働している状態とのことです。

ただし、これも1日につき2回までしか使用できません。

日本の葬儀には参列者が遺骨を拾う風習があるため、火葬炉は短時間で急激な加熱と冷却を繰り返しています。一般的な焼却炉と違い、火をつけたままというわけにはいかないからです。
もちろん、それに耐えられるよう作られてはいますが、こんな過酷な運用をしていれば傷むのも早いため、どうしても連続稼働回数に制限があるのです。だいたい1日2回か、多くても3回程度までと思われます。

つまり、亡くなった方の人数に対して、現地の炉があまりにも足りていないのです。おそらく通常時なら問題なかったはずですが、こんな災害を予期して火葬場を拡充しておくことなど無理な相談でしょう。規模が大きければ被害が少ない、という話でもないでしょうし。

当然、現地でまかなえない分は、県内の無事な地域に運んで火葬することになります。ですが、道路の復旧がすすまなければ、これも思うようにはいきません。車を手配するだけでも一苦労ですが、これは10日からは他県の応援も入るのだとか。

また、棺が足りないという報道もあります。これほど多くの方が一度に亡くなることは、普通ならありません。各葬儀社が在庫を用意していなかったとしても、責められるものではないと思います。

何もかもが異常な事態ですが、ともかく、亡くなった方の御冥福を祈るとともに、遺された御家族の心の平穏を願ってやみません。

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