ヴァヴィヴヴェ病と名づけとカッコよさ

登場人物の名前でも地名でも作中用語でもいいのですが、むやみやたらとヴァとかヴィとかヴとか使いたかったことってありませんか。
隠すな、わかるぞ。私はあります。

日本語にない音なので、なんだかカッコよく見えてしまうのですよ。創作しようかという人が、たいてい一度はかかるハシカみたいなものじゃないかと思っているのですが。

私はこれをヴァヴィヴヴェ病と呼ぶことにしています。

一種の中二病のようなものではあるので、年をとると徐々におさまるというか、なんでもヴにしちゃうの逆に恥ずかしくない? と感じて、数が減っていくように思います。公開している自作でも、ヴのつく名前は使っていないはず……ん?

ヴィクラム。

いましたわ。ヴィの人が。
過去編に出ている王様の名前です。

いいわけをします!
作中に出ている生き神様・イザヨイのモデルにしたのがネパールのクマリだという話は、コメントへの返信でもところどころで書いているのですが、クマリについて調べるうちに、ネパール語もいくつか目に入ってきちゃうんですよ。これがもう、とても異国の言語感がありまして。
日本の創作物で使われる外国語って、だいたいが英語で、がんばってドイツ語とかフランス語とか行く人もいるかもしれないんですけども、多くはヨーロッパ語圏なわけです。アジア系の言葉を使う人は少ないんじゃないかなと。

中華風の後宮ものとか流行ってるらしいので、中国語に行く人は多少いそうですが、ネパール語を使う人はまずいないだろう、と思いました。珍しいから特徴になるかなぁ、くらいの感覚だったんですが。

で、人物とか地名とか、ほとんどネパール語から持ってくることにしました。

まぁ、実は主人公がいきなり例外で、あれは昔ドキュメンタリー番組か何かで見た「どこかの国の古い言語でなんとかいう意味の言葉」です。詳細はまったく覚えておりません。響きがいいからなんとなく記憶していて、そのままキャラにつけました。初期案の頃からこの名前だったので、変更する気が起きなかったというのもあります。
一応検索もしてみたのですが、リチャードソンジリス、っていうリスの飼育の話ばかりが出てくるので、他の創作物と被ってなさそうだし、もうこれでいいや、と思いました。

閑話休題。ヴィクラムの話です。

ネパールで実際に使われている暦にヴィクラム歴というのがあります。外交の問題もあるので西暦も併用してるんじゃないかと思うのですが、一般的にはこれが通用しているらしいです。ビクラム歴と表記する資料もあったのですが、ヴィクラムの方を先に知ったのと、こっちの方がカッコイイと思って名前にしちゃいました。

……ビよりヴィをカッコイイと思ってるんじゃん、私。ヴァヴィヴヴェ病の根治は難しいようです。

このヴィクラム歴、西暦で言うと4月中旬くらいが新年になるそうですが、1月がバイサーク、2月がジェトです。このあたりは、名前が必要になった順に上からつけようとしていた形跡がうかがえますね。
また、作中で起きた革命を「月曜日革命」としているんですけども、これはソムバールが月曜日のことだからです。誰もわからないだろうと思って遊びを入れていました。

こんな感じで、まったく人名ではないものを人名にしているので、ネパール語がわかる人が読んだら怒られそうなんですけども、まぁわかる人に読まれることもないだろう、と開き直っております。わかっても笑って許していただければなぁ、と思っているんですが。

これ、欧米人が日本語をおもしろがって使うのと似た感覚なんじゃないかと思うんですよね。ゲイシャ、スキヤキ、フジヤマ! コンニーチワ!

2件のコメント

  • うんうん、ビはヴィだしブはヴにしちゃいますよね。わかります。英語圏の名前だとBかVかで決まっちゃうので、ヴにしたいのに無理で泣く泣く諦めたことあります。若い頃はラ行の多用も見られました。

    『十月のイザヨイ』のキャラ名はネパールのカレンダーから取ってたんですね。神無と神在月も月名だし、統一感があって良いのではないでしょうか。
    生まれた月や曜日の名前を人名にする……日本でも弥生ちゃんや葉月くんがいますし、意外と外国でもありそうです。ウェンズデーとか。
  • シュクラバール(金曜日)とかシャニバール(土曜日)とかも、音がきれいな上に異国感があって使いたかったのですが、「なんとかバール」が続くとややこしいな、と思い断念しました。逆に、これは使えないと思ったのはブダバール(水曜日)なんですけども。日本人が聞くと、何か違うものを連想しそうな気がするっ。

    あと、誰とは言いませんが辞表さんがいます。
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