月並海

なるちゃんの期待を失った日が、私が死んだ日。

誰でもよかった。 私の三つの約束を守ってくれるひとならば。本当に誰でもよくて。ただ眩しい髪が目についたから、私はその男に決めたのだ。

保健室に入り浸っている少年がいた。 そこそこ優秀、そこそこ運動だって出来る、どこにだっているちょっとだけ大人びた高校生。 彼の入室理由はいつも同じ。 どうでもいいのに、どうでも…

上手く現実を泳げない彼女、それさえ掌に閉じ込めたいと思う彼。

web夏企画参加作です。 使用お題：「朝凪」

機械人形と人工生命体が会話する、終末地球で夏と言い張る話。

わたしの脳は誤変換を起こしている。 彼のピアノの音に限り。 ピアノ馬鹿な彼が大好きな「わたし」のある夏の日常話。 結局は惚気話かもしれない。 #web夏企画さま（ http:…

「#web夏企画　あの夏を幻視する」（http://un09.net/s2/ ）のお題に沿って書いたものです!

知り合い以上で友達未満。同じゼミの遠影くんと、今年の夏は流星群を見にいく。

それは、夏休みのある日のこと。 少年と少女と、近くの恋の記憶。

夏、田舎町。海辺の町営プール。 悩める男子高生が出会ったのは、ミステリアス（？）な『カモメのお姉さん』。 彼女と交わす約束とは。 「#web夏企画　あの夏を幻視する」 http…

八月十日 私の十六歳の誕生日に、祖母が自殺した。 私に読んで欲しいと祖母が残した一冊の日記。 そこには祖母と一人の女性の悲しき恋が綴られていた……。 ※縦組み推奨

ある夏の日。私営の博物館、相模原博物館は長く続いた役目を終えた。館長の相模原織江は館を取り壊すことに決め、アルバイトの平木と共に展示品を片付け始める。 ――ふと、視界に何かの影が…

入道雲が浮かぶ暑い夏の日、5年ぶりに実家へ帰った私は同級生の彼女と道端で再会する。 そのことを切っ掛けに彼女との会話の中で私は夏にあった出来事を思い出していた。 綿津見様の#…

夏期講習の帰りに、あの人を見つけた。僕がいつも通る美術学校で見かける人だ。 その後ろ姿を見て、僕はそっと彼に近付いた。彼の目は真っ直ぐで、嘘をついたことのない赤ん坊のような瞳だっ…

夏の海、灯台に住むミドーには決められた仕事があった。それは灯台からの観察記を毎日つけるということ。 空模様、風、海、鳥山、気温、風見鶏の動き、灯台の周りの薔薇、磯の小魚たち……海…

中二の夏、僕は見知らぬ女子高生と不思議な出会いを体験した。 ―――ペットボトルが繋ぐ縁。 それが僕と明日美さんとの出逢いだった。 中坊男子と女子高生の不思議な往復書簡物語です。…

群青の空と海、水に浮かぶ小さな駅。十七歳の少年は夏の風景広がる不思議な場所で、ある少女と出会い、そこが死後の世界であることを知る。 生前の自分が祈った「彼女と〈理想の夏〉を過ごす…