東京事変。言わずと知れたモンスターバンドですね。
ところが、3rdアルバム「娯楽」を聴いて、なんかちがう。と思って以来邦楽から離れて洋楽ばかり聴いていました。
最近読んだエッセイに感化されて、聞き直しています。すごい、いい。
今見たら、「OSCA」まではシングルとアルバムコンプしていた。自分がオタクだったの忘れてた。
ええと、その、言いにくいんですけども、東京事変のアルバムはそんなに好きじゃなくて。でも。
シングルはそれぞれ珠玉ですね、やっぱり。なんで椎名林檎さんはB面まで気を抜かないんでしょう。
三曲、バランスが取れるように組まれてる。そしてアルバムのエッセンスが濃縮されたダイジェスト版になってる。
1stシングル「群青日和」
群青日和
その淑女ふしだらにつき
顔
2ndシングル「遭難」
遭難
ダイナマイト
心
3rdシングル「修羅場」
修羅場
恋は幻
落日
4thシングル「OSCA」
OSCA
ピノキオ
鞄の中身
群青日和はめちゃくちゃかっこいい。当時この曲のイメージイラストとして、壊滅状態にある首都圏でロケットランチャーを担いだ女子高生のイラストを描いていた。建造物が根こそぎなくなって空が青く見えるね、っていうコンセプトで。
このカップリングの「顔」がめちゃくちゃ名曲なんですけど、デュエットの相手が晝海幹音氏でなければなぁという気持ち。これさ、上手くいかないカップルは聴いたほうがいいですよ。
「私はあなたの肩書に惹かれてる」「ぼくもだよ、この角度から見る君の顔は最高」「……私ならもっとろくなことを言うけど」「たとえばどんな? 見当もつかないな」 ……を探してみて わたしのほんとうのかおをさがして
っていう内容の歌なんですよね。自分のこともわからない人が私のことなんてわかるわけないじゃない。そういう君は? 君も人のことは言えないでしょ。っていう部分が心をひりひりさせます。見たいものだけ見てる時点では恋であって愛じゃないよね、でも今はそれが楽しいし、素知らぬ顔して傷つけ合うのって最高でしょ。っていう歌です。たぶん。
遭難もいいですよね。この曲を聴いてからしばらく水に沈む女の子ばっかり描いてました。蓮の花と一緒に。ダイナマイトはカバーなんですけど、格好いい。心はほんと名曲だわ。なんでこんないい曲を惜しげもなくB面に突っ込めるんだろう。
ここまで「教育」に収録されてるぶんですね。ピアノがジャジーでギターがジャッジャカいってる。初期のこの感じ、けっこう好きです。「林檎の唄」の林檎さんが「Guitar!」ってコールする箇所最高です。「みんなのうた」にこんなん出す林檎さんはめちゃくちゃ最高だと思います。「クロール」「サービス」あたりは好きです。「現実を嗤う」もいいですよね。「御祭騒ぎ」もいいんですけど、歌詞がちょっと物足りない……。自己卑下が過ぎますよね。この頃の林檎さんは。まだやれる、もっと余力あるよ! って思ってしまうのがファン心理です…。でもよいスタートでしたよね。期待が高まる。
修羅場はドラマ「大奥」の主題歌。イントロが好きです。恋は幻からの落日の流れがめちゃくちゃオシャレ。大人って感じで、そのままあるばむ「大人」に突入。
「大人」は「教育」とは違って綺麗にまとまりすぎた印象ですね。さすが亀田さん、こういうバランス感覚は絶妙。でももう少し尖ってるほうが私は好きです。
けど、この辺から椎名さんの作詞が輝きを取り戻しはじめたような。「透明人間」などにその片鱗が見えませんか。脱皮。教育の作詞は今までの手癖で書いてる感じがするんですよね。でもこの辺りから新生椎名林檎の気配。たぶん教育は茎のアンコール編だったんだと思います。
OSCAは車に女性、いかにも男の人の書きそうな歌詞、という印象でした。おしゃれですけどね。ピノキオは好きです。鞄の中身がまたいいの。けどこのあとの娯楽で脱力してしまって、「ああ、もうJ-POPに期待をするのはやめよう」と洋楽に浮気をしていました。
でも正直海外の女性アーティストもちょっと物足りなくて。アデルの感情あふれる安定した歌声にシアの悲壮感、乾いた冷たさ、熱っぽさ、カーリー・レイ・ジェプソンのストーリー性のある歌詞にテイラー・スイフトの自己演出、レディ・ガガの先見の明を全部持ったようなアーティストいないですか……
と思ったら国内にいました。椎名林檎その人でした。好きです。もう余所に目をやったりしません。三文ゴシップを注文したのではやく聴きたい……。
ちょっと熱に浮かされているので、好き勝手書いてしまいました。恥ずかしい。
近況ノートを「書きたい欲の高まった時の解消場所」と認識しているのなんとかしないと。