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秋映

 秋ですね、寒い。さっそく風邪を引いて寝ていました。
 もう元気。


 ところで最近エッセイをよく読むんですけど、おすすめしたいのが二本。

 ひとつめはこちら。

   星の王子様って誰だろう。/ 紅蛇 さん
   https://kakuyomu.jp/works/1177354054883544689
 
 若い、フレッシュ、可愛い。可愛いって安易に使うとハラスメントになるのでは……とか思ってためらったんですけど、やっぱり可愛いですね。もうなんですかね、なんていうかなー、言語化しがたい魅力があるのでぜひ御一読されたし。青春ってそこにあるだけで尊いんだなって思いました。


 もうひとつはこちら。

   林檎さんのこと/瀬夏ジュン さん
   https://kakuyomu.jp/works/1177354054884057661

 林檎ファンの林檎ファンによる林檎ファンのためのエッセイ。読んでるうちに「すごいわかる……!」と思い始めて最近また椎名林檎を聴いています。

 平成風俗。すごく良かったんですけど、ソロ名義で新しい曲が作られなくて過去作のカヴァーばかりになっていたのが悲しくて、あんまり聴きこんではいなかったんですよ。正直『茎』シリーズと『浴室』ばっかりじゃないか……! と思っていた。どのバージョンも味があって良いんですけど、やっぱり新作が聴けない、と思うと悲しさは募る。
 でもこのエッセイを読んで魅力を再発見というか、そうだなーって深く共感しました。

 事変も『大人』がすごく好きで、やっぱり亀田さんと林檎さんの組み合わせはいいなぁと改めて思ったんですけど、次いで『娯楽』がちょっと安っぽく感じてしまって。でもこちらのエッセイを拝読しているうちに、あれも一種の転換点だったのかな? と思うようになって、改めて聴いてみたら発見が多かった。『大人』まではシングルも全部買ってたんですけど。『群青日和』に収録されてる『顔』がめちゃくちゃ好き。『遭難』『ダイナマイト』『心』の流れもやばいですね。

 浮雲さんの手による『OSCA』は歌詞が男の子!って感じでいいですよね。伊澤さんの曲もポップで好きなんですけど、どうしても歌詞が林檎さんに比べると物足りなかった。椎名林檎ソロ名義のアルバムは、いつもこちらの予想をはるかに超えてくる感じが好きだったんですけど、『娯楽』はどれもポップミュージックとして優秀な、あくまで優のつく作品ばかりだなぁという印象で、作り込み過ぎた曲の好きな私には少し物足りなく感じてしまったんですけど、そう言えばあの頃メンバーが入れ替わってたんですね。ファンの人の熱い声を聞いていると、なんだかバンドって生き物なんだなぁと思いました。娯楽のミラーボールとかキラーチューンとか好きです。復讐もいい。

 もうちょっとクレジットとかちゃんと読みこもうかなとか。愛ある話を聞くのはやっぱり楽しいなとか。色々思いました。で、あとCD買います。『SPORTS』と『日出処』。浮雲さん加入の辺りからゴシップ的な記事も増えたりして、実はちょっと避けてたところもあった。もう一回ちゃんと聴きたいなと思いました。


 カリソメ乙女の日本語のバージョンが好きなんですけど、これってどこかに収録されてたりするんですかね。今更だけど友達が事変のラストライブ観に行ったって言ってたのがうらやましくなってきた……。

 実は紅白のパフォーマンス録画したりしててちょくちょく聴いてたんですよ、椎名林檎さん。アルバムを聴くというところまではいってなかったんですけど。五輪の引き継ぎのパフォーマンスも録画している……潜伏期間と言ってもけっこう症状は顕在化していたのかも。再熱というか再燃というか、もう一回聴いてこよ。



 眠れないから加筆をする。

 茎が今手元にあるだけで3バージョンあるんだけど、今聴いたらすごいいい。大名遊び編は英語なんだけどこれの歌い方すごくすきで、なっしんぐざっとあいにーどなう からの盛り上がり方すごいのにそれを一切引きずらずにさくっと次の曲に向かっちゃう林檎さんはめちゃくちゃ男気ある。あそこの絶唱だけでこのシングル買う価値ある。

 カルキに収められてるバージョンは日本語なんだけど、これも意味が伝わってきてなおよい。諸行無常の話なんだけど人生ととるか色恋ととるかは人によりそう。かなり強い意志で自立を誓うんだけど、言ってるそばからどうか、どうか、誰か。 ってもたれかかりたくなる気持ちすごくわかる。根を強くはらないと自分では立てないもの。泣けた。

 平成風俗に収められてる茎はかなりスローテンポで歌詞も英語。しっとり聞けていいかもしれない。演奏がゴージャスですね。前2つの焦燥感がかなり薄れていて落ち着いた印象。

2件のコメント

  • 阿瀬さん!


    ステキなレビューをありがとうございます!
    星もあんなにいただいてしまい、号泣です!

    こうなったからには、紅蛇さんとわたしと三人で、日本じゅうに林檎熱ウィルスをまき散らす三か所のゼロ地点になりましょう!
    ↑ 熱にうなされています。

    「顔」いいですよね。初期ギターの晝海幹音さんの作曲。
    ちょっとサウンドの毛色が違いますよね。
    そして「遭難」
    これはもう初期林檎という感じ。まだギター晝海さん、キーボードZさん。

    「娯楽」になると、浮雲さん&ワッチさん加入。
    林檎さんが語っていましたが、東京事変として出発するかしないかのときに二人抜けて、ほんとに惨澹たる状態だったと。
    スタジオに、メンバーがいない。
    途方に暮れたと。

    だから、ふたり新加入で、とにかくバンドらしく再出発!だったんでしょうね。
    みんなで作曲して。

    いい曲なんだけど、林檎ソロが身にしみているひとには、ちょっと物足りないというのは、わかる気がします。
    そのなかでも、わたしは「黒猫道」がけっこうパーソナルな林檎さんを感じて、好きです。

    そして、「SPORTS」
    パーソナルな林檎さんという路線ではないです。
    けど、バンドサウンドとして正常進化。
    すごいと思いますよ。

    またまた渋谷陽一さんの言葉ですが、事変は、壊れそうだった林檎さんがつかんだ救命ボートだった。けど、あんまり助けてくれない。このままじゃ、また壊れそうになるから、バンドとしてガンバんなきゃ! とにかく進む! やりきったら、その先は……。

    表現者、ソロの林檎、復活。

    ほんとに林檎さん、タフだったと思うし。
    たくさんの幸運と、人に恵まれたと思うし。
    たくさんの彼氏にも恵ま———ピィィィ—————強制終了


    せなつ でした。


    PS:カリソメ乙女、日本語バージョンは「三文ゴシップ」です。
    「平成風俗」の英語版もいいですが、これも最高ですね。
    大好きです。

  • 私の至らないレビューで号泣していただけるとは。嬉しいです。もう少し中身のあるレビューが書けたらよかったんですが、今はあれが限界みたいです。

    林檎熱は感染力が高いので、東京五輪までにはもっと勢力を拡大していると思います……! もちろん瀬夏さんのエッセイがその一端を担っているのです。

    初期は古き良きアメリカのイメージというか、レトロポップでしたね。衣装もそのような感じでしたし、ビジュアルもキャバレーチックでした。あのコンセプトもすごくかっこよかったし、椎名林檎さんはカップリング曲まで手を抜かないのが素敵。
    『大人』で邦楽ポップスとしての一種の到達点というか、(ちょっと大言壮語が過ぎますかね;)(気が大きくなっている)『秘密』『透明人間』『スーパースター』大人になった椎名林檎の姿だ。と感動してしまったので、娯楽でびっくりしてしまったんですよ。

    でもメンバーがふたりも変わっていたら音楽性が変わってくるのは当然のことかなと感じました。模索というか手探りの時期だったのかなとか。
    子供を産んで、音楽から離れて、それでもやっぱり戻ってきて、新生ソロとして活動を始めるまでの、林檎さんの軌跡。瀬夏さんのエッセイを読まなかったらこんなふうには感じなかっただろうなと思っています。

    そう思うと、解散してしまったバンドを振り返るというのもすごく、興味深いですね。

    三文ゴシップ! これはもう買うしかないですね。私は椎名林檎さんの、「然様なら!」って言い放つあのラストがすごく好きです。潔い。
    瀬夏さんとお話するのは楽しいですね。質問にすぐ答えてくれるし、シングルのカップリング曲の話もできるのがすごく嬉しいです。タイトルを忘れた曲も、ワンフレーズ口ずさむだけで教えてくれそう(笑)。

    これからもエッセイの更新楽しみにしています。
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