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私信:夏野鈴生さま

近況ノートを拝見して驚きました。これを読まれるかはわかりませんが、どうしても書いておきたかったので、記しておきます。いつか夏野さんの目に届いたらいいなと願いながら。

常々夏野さんの描かれる世界に興味を持っていつつも、私は感化されやすい性質があるので、なかなかそちらに伺うことは叶いませんでした。
でもいつも夏野さんの文章を拝見しながら、なにを読んで過ごしたらこんな世界が描けるんだろうと興味津々に思っていました。何作かの著作、エッセイを拝読しているうちに、少しずつその不思議なベールの中の姿が見えてくるみたいで、私はあなたの文章を読むのが好きでした。

私も実はカクヨムを去るか悩んだんですけど、アカウントを残しておこうと思ったのは、夏野さんみたいな素敵な人とたくさん出会えたからです。正直あなたが残るなら私も残ろうと思った。あなたの書いたものを読めるならここにいてもいいと思った。

夏野さんからいただいたレビュー、それから私的ヨム日記の記事。スクショを撮って残してます。本当に嬉しかった。
ここに来てまだ間もないころに発掘していただいて、それから素敵なレビューまで頂いて。あのときのどきときをなんて表現したらいいんだろう。
瓶の中の人魚を書いているとき、どうしても先を書けなくなって、ADELEのROLLING IN THE DEEPっていう裏切り者の男に充てた恨み言を綴った怖い歌を聞きながら書いてたんですけど、なんとなくその理由が、夏野さんからいただいたレビューを読んだ時にすとんと腑に落ちたんです。ヘンな話ですけど、書いてる私よりも読者の皆さんのほうが上手に物語を解釈してくださってる気がして。
私の書ききれなかったものが、あなたの頭の中にはあるのだなと感じました。うまく説明できない。

聞いていた歌に、あなたの裏切りを知った時私は、その頭をぶちぬいてやろうと思った、っていう怖い歌詞があるんですけど、私は私情から物語のヒロインにそういう感情を背負わすことが出来なくて。そんな作者の物語から、彼女の悲しみをあなたが感じ取ってくれたなら、こんなに嬉しいことはないです。いつかお礼を伝えたいと思っていたのにこんなタイミングになってしまった。

色々事情もあると思うので、今すぐ戻ってきてくれとは言いません。ただきっとまた会えると信じて待っていようと思います。私の拙い物語を見守ってくれて、ありがとう。すてきな言葉をたくさん紡いでくれて、ありがとう。

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