安里紬（小鳥遊絢香）

愛する妻と、愛おしい娘。 笑顔の絶えない毎日が、堪らなく幸せだった。 そんな日常が、ずっと続くと思っていた。 当たり前だと思っていた。 失うことなんて、考えたこともなかった―…

少女は嬉々として様子で、声をかけてきた。 「ねぇ、お兄さん。私を殺してくれない？」 これが、俺と真白との出逢いだった。 心の傷を抱える二人が出逢い、生きる意味とは何か、…

痛い。 ────どこが痛い？ わからない。 ────悲しいの？ わからない。 ────何があったの？ 思い出せない。 ────翔べる？ もう翔びたくない。

※この話は『無口な中野くん に恋しました』の続編となります。 無口で、みんなと騒ぐことなく、いつも一人で窓の外を眺めている中野くん。 あなたが、私の彼氏になって三か月。 …

【角川ビーンズ文庫より発売の『５分後にキミのひと言ではじまる恋』に掲載されています】 無口で、みんなと騒ぐこともなく、いつも一人で窓の外を眺めている中野くん。 そんなあなた…

僕の部屋にある窓。 君はそれを、絵画のようだと言った。

あらすじを書くほどでもない、短いコメディーです。

本屋で働く本が大好きな、藤原琴音（二十二歳） ずっと憧れている人はいつも本を買いに来てくれる落ち着いた雰囲気を持つ、黒崎怜司。 人見知りが激しくて、恋愛経験もない琴音が怜司の…

記憶を遡ると、幼い頃の私の隣には、すでに貴方がいた。いつもヒーローみたいに助けてくれた。 貴方といる時だけは笑えた。泣きたい時も、優しい笑顔の貴方を見ると落ち着くことができた。 …

満開の桜の木の下で始まった私たちは、満開の桜の木の下で終わりを迎える。 始めから分かっていたことなのに。 覚悟していたことなのに。 こんなにも苦しいなんて、本当は知りたくなかった。

ある雪の日に、突然訪ねてきたのは、雪を名前に持つお前だった。 なぁ、今日がお前の日なら、俺はどんな願いも聞いてやるよ。 だから────。

付き合って３年。 私達もいい歳だし、そろそろ結婚も考えたい。 そんなタイミングで来た私の誕生日。 私の方は心の準備できてるよ。お洒落なこととか、サプライズだとか、そんなことは気に…