「ビターファンタジー」としてシリーズ化している三作について、あとがき的な解説といいますか言い訳といいますか、なんかそういうのを書きたくなったので、自分の備忘を兼ねて記しておきます。
「ビターファンタジー」は、人外キャラが登場する〝ハッピーエンドではない〟ファンタジーの物語に、勝手につけた自分の呼称です。
もしかしたら正式なジャンルとしてきちんとカテゴリ定義があるのかもしれませんが、好き勝手にごめんなさい。
①「天使に焦がれ 悪魔に願う」(旧題:「天使と男と女と悪魔」)※改題しました
https://kakuyomu.jp/works/16817330661982192119いただいたコメントの返信にも書きましたが、これは昔々に、最初の山々の映像から最後の笑い声まで、ストーリーの全部を夢で見たものです。夢を夢のままにしておくにはあまりにももったいないと思い、なんとか小説の形にしました。
ただ、どうにも思ったように書けず、修正してはしっくりこなくて放置して、また読み返しては違和感が直らず、みたいなことを長い間繰り返しておりましたので、この度、思い切って下記の企画に参加しました。
梶野カメムシさん主催の自主企画
「【先着30名】じっくり読みこんだ本音感想を書く企画2023」
https://kakuyomu.jp/user_events/16817330661249013634こちらで指摘の嵐を受けて、憑き物が落ちたようにすっきりと本文を修正することができました。
童話調の語りで、小学校高学年の子であれば、ルビも含めておそらく無理せず読めるであろうレベルの文章に統一しました。内容を理解できるかどうかはまた別の話として。
夢が元なので、夢で見た以上のストーリー変更はせずに、記念作品として残しておく所存です。
梶野さんがここを見てくださるどうかはわかりませんが、その節は本当にありがとうございました。
それにしてもあんなストーリーの夢を見るなんて、本当に当時の私の深層心理はどうなっていたのか……。夢占いだったらどんな診断がされるんでしょうね。
あんな鮮烈な夢を見たのはあれっきりです。
②「死神を待ち侘びる」
https://kakuyomu.jp/works/168173306619295225122017年に書いた作品だったみたいです。再公開にあたり、少し修正してあります。
「目の前に、死神がいた。」という出だしの一文を思いついて、それに続く物語はどんなものだろうかと考えて創った作品です。
起承転結のない、私なりの「雰囲気小説」ですね。「雰囲気小説」の言葉を知ったのも上記の企画からです。ピッタリだなと思ったのでタグにも入れました。
当初、死神に「あニャたは死ねニャい」とか言わせようかと思いましたが、ダークな雰囲気を出したかったので、やめて正解だったと思います。
③「魔女の病」
https://kakuyomu.jp/works/11773540548884537142018年、最初に書いた当時のあとがき的な文章が残っていました。
【以下、当時の文章転載 ※一部修正】
9月に書いた短編「魔女の病」が、第36回ノベラボグランプリにて最終候補作に選ばれました。
大変光栄です。ありがとうございました。
が、正直悔しいです。
書いてエントリーするからにはやはりグランプリは獲りたいじゃないですか。ねえ!
と言いつつも。
ビターファンタジーとしてシリーズ化している他2編の掌編がありまして、三部作にしたいと思って考えたのが今回の物語でした。
天使と悪魔、死神に並ぶファンタジー登場キャラと言えば、魔女と妖精だなあと思いまして。
偏屈な魔女と妖精の愛情にも似た友情と、人間の男の子との三角関係(?)を書きました。
ぼんやりとした構想は長く練っていたものの、実際にあらすじから本編を書き終えるまでに丸一ヶ月。9月のグランプリ応募に間に合うかも、と気づいたのは締切一週間前で、その時点ではまだ完結していなかったので、少し焦りました。最終日滑り込みエントリーでした。
エピローグはどうしても付け加えたくなったのでエントリー後に追加しましたが、そこまで含めて読んでもらえたような気がするので、ノベラボ公式さんは優しいなあと勝手に思ってます。ありがとうございます。
今回気をつけたのは「おとぎ話の無国籍感を出すこと」。出てくる名前は4人+1匹分しかないのですが、よくある欧米風なカタカナではなく、少しひねって名前をつけようとあれこれ調べました。
最近使う方法は、そのキャラの性格の特徴になる単語を多国言語に翻訳して、その中から響きのいいものをチョイスして名前に使う、というもの。
ジュヌとか、あまり名前として出てこないでしょう? かなり気に入ってます。「真面目な」とかのどこか中東あたりの言葉だったような(忘れた)。
アマもピティスもその方法で、「誠実な」とか「強気な」とかのどこか語から取って少し改変した記憶があります(曖昧)。
ローエとイムは由来があって、ローエは植物のアロエから。何でも治すので。
イムは、初めイル(これも「幻」の単語のどこか語)にしようと思ったんですが、ラ行でローエと被ってしまうので却下とし、
「そういや仏ってバラすとイムだよな」
と思い至ってイムとなりました。なので「幻の花」の形の描写は詳しく書きませんでしたが、実は形としては蓮の花に近いです。仏様の花なので。
そんな裏話でした。
グランプリ最終候補の評として、「ストーリーや人物描写にもうひと工夫ほしい」とアドバイスをいただきました。
わかってます。わかってますよ。ただ、何をどうすりゃいいのか具体的にわかんねえー!!(泣)
ええ、インプットがんばります。こればかりは読まないと勉強できないので。
もっと時間をかけて、短編に収めようとしないで書き込めばよかったかな、とも思いました。ダラダラと長く書いてしまうのが悪いクセなので、今回そうならなくするために敢えて描写や掛け合いを削ったりもしました。難しいですね。
でも、今回でまた最終候補作という結果が残せたのでとてもよかったです。また何か、書きたいと思います。そしていつかは、この上を獲れるようになりたいなと! 思います!
長々と駄文に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
ではまた、お目にかかるときまで。
【転載終了】
当時はまだ創作に対してやる気が漲っていたようですね。
ノベラボという小説サイトは今でも存在していますが、いろいろありましてこの後に退会しております。
2019年、カクヨムに公開する際に加筆修正し、そして2023年9月現在、さらに大きく改稿しました。
ストーリーは変わっていませんが、描写の補完と不要箇所の思い切った削除(丸々一話分)、全体的な本文の修正を行いました。自分比ですが、当初より、ストーリーの濃密さが増えたと思います。
書くことは好きだけど文章力がない、という小説書きとして致命的な短所を抱えているため、描写をがんばろうと思うと頭から煙が出ます。修正のために読み返しすぎると訳がわからなくなり、脳がぐつぐつ煮えたちました。
もう少し期間を置いてから改めて見直して、もし可能なら、来年開催されるかもしれない梶野さんのじっくり感想企画に参加できたらと思っています。
「魔女の病」こそ、「これぞ小豆沢」が詰まっていると思っているので。
以上です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。