休日ということもあり、あれこれ読書をする。
ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を読んだのは、ウン十年も前。
高校に上がる前の、暇を持て余していた春休み。
祖父の本棚を漁っていて、飴色に変色した文庫本を見つけた。
その本は、叔母が大学生だった頃おそらく中古で購入したもので、さらには彼女の手による鉛筆や赤青のボールペンによる書き込みが…彼女の性格を表しているように女性の文字にしては実に豪胆な筆跡の…あちこちにあり、ひどく読みづらいものだった。
はじめのうちは気になって仕方のなかったその書き込みも、いつの間にか目に入らないほど夢中になって読み耽っていた自分を、今でも鮮明に覚えている。
まさに、読みどきだったのだと思う。
そして、この話が、どこへ向かうのかというと『鳥』である。
恥ずかしながら、知らなかった。
ヒッチコックの映画で有名な『鳥』が、ダフネ・デュ・モーリアの短編が原作だったことを。
……いやはや無知とは恐ろしい。
結論から言うと、当たり前であるが、二つは別物である。
映画は勿論、素晴らしく面白いが、私的には、断然、原作の方が好みだ。
また『鳥』は、今の私の読みどきだったと思う。
『レベッカ』を読んだあの頃に、読んだとしても今ほどの恐怖を感じ得なかったのではないだろうか。
そのほか、短編ばかりを読む。
そんな、土曜日。