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ダフネ・デュ・モーリア

休日ということもあり、あれこれ読書をする。

ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を読んだのは、ウン十年も前。
高校に上がる前の、暇を持て余していた春休み。
祖父の本棚を漁っていて、飴色に変色した文庫本を見つけた。
その本は、叔母が大学生だった頃おそらく中古で購入したもので、さらには彼女の手による鉛筆や赤青のボールペンによる書き込みが…彼女の性格を表しているように女性の文字にしては実に豪胆な筆跡の…あちこちにあり、ひどく読みづらいものだった。
はじめのうちは気になって仕方のなかったその書き込みも、いつの間にか目に入らないほど夢中になって読み耽っていた自分を、今でも鮮明に覚えている。
まさに、読みどきだったのだと思う。

そして、この話が、どこへ向かうのかというと『鳥』である。

恥ずかしながら、知らなかった。
ヒッチコックの映画で有名な『鳥』が、ダフネ・デュ・モーリアの短編が原作だったことを。
……いやはや無知とは恐ろしい。
結論から言うと、当たり前であるが、二つは別物である。
映画は勿論、素晴らしく面白いが、私的には、断然、原作の方が好みだ。
また『鳥』は、今の私の読みどきだったと思う。
『レベッカ』を読んだあの頃に、読んだとしても今ほどの恐怖を感じ得なかったのではないだろうか。

そのほか、短編ばかりを読む。
そんな、土曜日。



4件のコメント

  • 読みどき!
    それ、ホントにそう!
    なんか読みたいなとか、何気に手に取ったらドンピシャだったとか、ストレートにアレが読みたいとか、アレが心に引っかかるとか、なんだっけなとか。

    本が読んでと呼んでるような。

    今、それが私にもあります!
    早速、本棚を漁ってこよう!(^^)
  • 風鈴さま

    こんばんは〜♪

    >本が読んでと呼んでるような。
    おお!呼ばれているときに、ぜひぜひ。
    特に心にピタリ、と来る瞬間ってありますよね。
    そういうときは、以前に読んだ時よりも、寄り添えたりしますし
    また「ああ、この本をもっと若い頃に読んでいたら、さぞかし」という後悔も、あったりするんですよね。

    本の読みどき!!
    そのタイミングよ!
  • ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』

    大好きな作品で、いまだに、時々読んでいます。素晴らしいですよね。
    ヒッチコックの鳥、わたしも知りませんでした。あの恐怖の鳥がいっぱいのところを逃げていく様子とか、すごく印象に残っています。
    本、学生時代にはよく読んだのですが、今なら、どんな作品が読みどきなんだろうって、思わず考えてました。
  • 雨さま

    おはようございます。

    おお!嬉しいです。
    雨さまも、お好きとは!!

    『レベッカ』は、衝撃的でした。
    ダフネ・デュ・モーリアは、実に心の隅をじくじくと突くのが上手いですよね。読むたびにその素晴らしさに感銘を受けます。

    『鳥』は映画が「動」なら、原作は「静」でしょうか。
    そのうえ舞台からして違うので、完全なる別物ともいえそうなほど…。
    読みどきって、なかなか難しいですよね。
    手に取って読んでみてはじめて分かる、というところがまた。
    学生の頃は翻訳の本が好きで、好きな翻訳者によって本を買ったり借りたりしていたので、最近になって新訳となったものを読むと別物に感じたりすることが多々あります。
    使われる言葉、文体の好みってあるのだなあ、としみじみ思うのでした。

    『レベッカ』も新訳になったら雰囲気が違ってしまい、旧訳の方が(読み慣れていた所為も多分にあるのですが)好きな自分がいたりします。

    過去に読んで、あまり好みではなかったものに、違う印象を受けたりするので、時々、嫌々ながら読んでみたりします(笑)
    読んで、やっぱり…と思うときと
    「アレ?」と思うときがあり、
    後者の場合、今が読みどきだったのかな?と首を捻ってみたり。

    素晴らしい本の出会いと、読みどきを探してウロウロしてます(笑)
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