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春告げ あとがきにかえて


 一応最初の連載作品の完結ということで、後書きがわりにここで作品について少し書こうと思います。

 そもそも「春告げ」は、私が数年前に夢で見た内容を、設定を整理し、エピソードを付け足して小説の形に整えたものです。自分が全く登場人物として出てこない夢というのを昔からたまに見ていて、設定やストーリーが小説にできそうなものはメモを取っているのですが、「春告げ」もそういうものの一つです。

 元々が荒唐無稽な夢なので、どんなに設定を整理しても無理矢理っぽくなってしまったところはありますが、夢で見た雰囲気はなるべく壊したくないなぁ、と思って書いています。
 もちろん、実際見た夢とはかなり修正、追加をほどこしてもいるのですが。

 そんな経緯の作品でして、これをきちんと最後まで書けたことは、嬉しく思っています。

 ちなみに、時代設定をタグで架空大正時代としているのは、そもそも全寮制の女学校は大正時代に存在しないらしいことから、パラレル大正時代だと思っていただきたくてそのようにつけています。また、尾羽、という地名が、正直どこかにありそうだなと思ったため、あらすじにモデルとなる場所などは存在しない、と書かせていただきました。

「春告げ」ではこういった事情から、尾羽以外の地名や具体的な時代、場所が限定されそうな固有名詞を避けて書きました。結果、中には明らかにモデルのある小道具なども存在するのですが、これはパラレル大正時代、と思って、深く考えないでいただければ有り難いです。

 この作品を書くにあたって、大量のお茶を飲みました。
 私の思うお茶の楽しみ方が、前面に出ている作品だと思います。
 そういう意味でも、完結できたことは嬉しく思います。

 今後はもっと長いお話にも挑戦してみたいと思っています。
 ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。




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