「ユキノホタル」についてのお話をひとつ。
このお話に出て来る花街にはモデルになった町があります。
私が最初に就職した地に、このような昔の花街跡が残っていました。
まだお読みでない方にはネタバレになるのですが、昔は町中にそう大きくはない運河が流れており、そこから人や道具、食料などを運搬していたようで、その運河跡が今は道路になっています。
現在は歓楽街になり、料亭や割烹、スナックや居酒屋などが軒を連ねています。
その中の一件の料亭が私の仕事上のお客様で、そこは昔から料亭と芸者置屋を営んでいたところだったようです。
その頃の絵が額に入れられ飾られていたり、昭和の初めころまでは芸者を置いていたようで、その時の名簿や帳面も見させていただきました。
詳しくはわかりませんが、明治の頃でしょうか?法律で売春が厳しくなっても、赤線のように身売りをする地は存在したわけです。
田舎に行けば少しばかりの賄賂でお役人様は目を瞑ってくれていたようで、裏帳簿なども当時はあったのでしょう。そんなお話を聞いたり、聞かなかったり。
このお話しを書こうと思った時に、ならばせっかくだしモデルにしようと思い書き始めました。
前にも書きましたが、昔はこのような吉原ものや、遊女、女郎物の作品は数多くありました。普通の時代劇にすら吉原に売られた娘の話しとかも出て来るように、親に売られるだけでなく、人さらいにあい意味も無く売られる話とかもありました。
その頃の記憶や、覚えている知識を元に書いたので、正直資料集めとかは本当にしていません。漢字や時代の確認などにネットを使ったくらいです。
なので、都会の吉原などではなく、地方の田舎の片隅にあるような町の話しと思って読んでいただけると何となくわかっていただけるかなと思います。
書いていてとても楽しい?サクサク書けた感じで、書きながら昔の様子を伝えられたらなと思ったりもしました。
私は祖父が明治生まれ、祖母が大正生まれなので、子供の頃の古い家にはその当時の物がまだ家にゴロゴロありました。
私が中学の時に立て直したので、その時に全部処分したんですが。
祖父は火鉢をそばに置き、煙管(キセル)で煙草を吸うような人でしたし。
酒を飲むときにはチビリチビリではなく、お銚子から一気に口に含むような飲み方をする人で、ユキを水揚げした長間がこのような飲み方をします。と、書きました。はい。
そんな風に人間臭さを感じてもらえると、少しは面白くなるかなと思います。
今週末には完結予定です。もう予約投稿も終わっております。
長々とお付きあいいただき、ありがとうございました。