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タソは胸を張った!

https://kakuyomu.jp/works/16818093078131375490/episodes/16818093079055270777


タソだって頑張ってるもん!

昔みたいに働いてないけど、それでも毎日生きてるんだもん!

時々、涙が止まらなくなるけど、人目なんて気にしないもん!

タソは一流の精神障がい者になる!

「そうだー!」
「いいぞー!」
「もっと壊れろー!」

ふふふ。心の中のお友達は、いつだってタソの味方なんだあ。

この子達にも、いつか人格と名前が芽生えて、立派な解離性障害に発展するのでしょう。

まだ統合人格みたいなお友達は現れなくて、記憶を失ったり、顔つきが変わったりはしません。

たまに、演技する人もいるそうで、担当医の田村先生は、そのような演技はすぐに見破るそうです。

でも、そんな田村先生も、タソの解離を認めた事件がありました。

それは、まだ「障害」というレベルのものではなくて、でも確実に「別人」だったそうです。

1人は「冷静な男性」で、2回目の保護入院の際に、当直の先生が対応したそうです。
タソはその時の記憶がなくて、気がついたら隔離室に入れられていました。

2人目は「泣き虫な子ども」だそうで、病院に連れてきた奥さんが目撃しました。
初めて泣きじゃくるタソを見て、異常だと感じたそうです。

タソは時々、自分の意思に反する「意見」が聞こえます。

初めて聞いた時は不気味でした。

どこから聞こえてくるのか、声の発生源がわからないのです。
遠くから聞こえてくるようで、「え!?」と思うと、今度は耳元で聞こえてくる。

でも、これが聞こえてくる前兆はわかるようになりました。
毎回、耳鳴りのような聴覚の違和感があるのです。
まるで、虫が耳元で羽音を鳴らしているような、不気味な空気の振動を感じます。

田村先生は、タソのこのような症状を、「双極性障害では説明のつかないこと」と断言しました。

近い将来、タソは進化するかもしれません。

適応障害。
双極性障害。
統合失調症。
解離性障害。

そして、田村先生に言われてショックだったのが、

「自己愛性パーソナリティー障害」の可能性。

これは人格障害のひとつですが、その特徴は、
「自分は称賛されるべき人物と感じる」
「自己評価が過大」
「手柄を横取りする」
「共感性がない」
と、かなり人聞きが悪いです。

え、タソは「褒められたい願望」は強いですが、自己評価は低いし横取りなんてしないし。

共感性がない。

これは当てはまるかも。

自分がわからないなあ。

自己愛性パーソナリティー障害の方は、世間一般的にはかなり嫌われているようです。

タソは嫌われ者なんだ。

先生にも嫌われてるんだ。


悲しい。

つらい。


良いことなんて何もない。


1件のコメント

  • >錆びた猫さま

    1日1日、少しずつ生きていくのです。
    入院中に出会った女の子も解離性障害でした。
    彼女の場合、発狂したり、急にドスの効いた太い声を出したりしてました。

    対人関係、深くなるほど辛くなりますね。
    でも、心の中では「友達」を欲しがっていて、それでいて、傷つけるのも、傷つけられるのもこわい。

    だから、僕は自分も相手も傷つけないように生きていくことにしています。
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