改めまして、偽物川のお礼などです。
まずは拙作をお読みくださった皆様、大変ありがとうございました。一言感想、コメント、レビュー、ハートや星などの評価、どれも大変うれしく、ありがたく、とても励みになります。
こちらのお話は、お題「ニセモノ」に対して、偽物と本物の境目ってなんだろう、と考え始めたところから派生していきました。「言葉」や「人の想い」については特に境目が難しく、その時は心の芯から本当の感情だ、間違いなく本物の言葉だ、と思って発していても、状況や相手が変わったり、年月を経てから「違ったなぁ」と気付くことは私はとても多いです。自分で自分が信用なりませんが、それはまた別の問題として。(と脇に置くことを覚えて人は成長する。)
書いている最中、頭の中に流れていた曲はCoccoさんの「強く儚い者たち」でした。美しいけれど脆い、綺麗だけれどビター。今回はそういった手触りのお話を書きたいと願っていたので、ご感想など拝見するにつけ、概ね成功したのかなと嬉しくなりました。ありがとうございます。
あと、三つあるエピソードのうちで自分で書いてて楽しかったのは貴族の娘です。私の中の性格の悪い部分がじゃりじゃり出ているかと思います。お楽しみ頂けたら嬉しいです。
そして、評議員の皆様には大変丁寧な講評を頂き、とても感謝しております。
偽物川に参加させていただくのは今回で二度目になります。前回は、カクヨム自体に参加して間もない状態で、ここにどんな猛者が集うのかを把握せずに飛び込みましたので、今にして思えば無知の強みが出せてたのではと。我がことながら面白く思います。
今回はさすがに、「カクヨム界隈は実はプロ作家が紛れてる世界」だと飲み込んだ上での参加となりました。せっかくなので、こんなお話を書いてみたいけれどどうだろうか、と思っていた手触りに挑戦してみました。結果、賞にはまったく及びませんでしたが、とても丁寧に読んで頂き、温かなお言葉や、鋭いご指摘を頂戴し大変嬉しくて、あらためて「お話を書くことは楽しいことだ!」と噛み締めております。何なら小躍りしています。
せっかくなので、頂いた講評でギクッとしたり、そうなのそうなの!と首がもげるほど頷いた辺りをご紹介したいと思います。
偽の教授さんの講評より
>ただ、一つ肯定的に評価する上で難しいのは、代筆屋と呼ばれる存在のあまりの存在感というか存在性の薄さ。
⇒これ!まさに!私がお話を書きつつも手を離してしまった部分です。さすが鋭くていらっしゃる……戦慄の教授です。もう少し代筆屋さんそのものに言及していれば、きっとまた違った展開にもなっていたでしょうね。なかなか、こう、掘り当てられず、しかもいい感じの景色になってしまったので、ではこの辺で……となってしまったのでした。うーん、頑張ろう。これはきっと次回への課題になる。ありがとうございました!
偽の星座さんの講評より
>代筆屋さんは、自分がぼんやりと覚えている本心の欠片に思いをいたすことはあるだろうし、それは溜息につながることもあるかもしれない。でも、代筆屋さんはコーヒーを飲みながら暮らしていく。その暮らしは「不幸」を感じさせない。
⇒ここです、この、代筆屋さんがため息をつきつつもコーヒーを飲んで生きていく場面が頭の中に綺麗な絵として浮かんでしまったので……しまったので。なんと言うかその、「割り切れないもの」が存在するという事も結局は真実のひとつで、偽物が偽物として暮らす場面には、それなりの美しさや、そこからしか見えない景色もあるのだと。そんな訥々した場面を書きたかったのでした。舵を切ってしまったのでした。
登場人物たちが本心(手紙の内容)に気づかないままでいるのは、ドライさや、ほろ苦さを出せたらと思って封をしたところなので、そこまで考察頂いて飛び上がりたい気持ちです。ありがとうございました!
偽の輪さんの講評より
>森の奥で孤独に過ごす代筆屋には、人との関わりが産む誰かに見せたい自分というものが乏しく、だからこそ見てくれの自分と『ほんとうのところ』がほとんど一致している。
⇒えー!それ、すごい素敵な考察だ……言われてみれば確かにその通りです。例えば仮面を被るのは、または、役割を演じるのは、見せる相手がいるからですねそうですね本当にそうです。(膝を打つ!)ああ……これが書いている途中の私に降りてきてたら……。時すでに遅し。こういう事を含めて、感想や講評をして頂くのって、本当に本当にありがたいです。また、ビターテイストもしっかりと読み取っていただきまして、大変うれしいです。ありがとうございました!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
カクヨム界隈のみなさまにとって、今後も素敵な創作ライフが続くよう願いつつ締めとさせて頂きます。ありがとうございました!!
【第五回偽物川小説大賞 結果発表&講評】
https://note.com/tantankyukyu/n/n8e344a032f4d【参加作:代筆屋さん】
https://kakuyomu.jp/works/16817330654703437562