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キャンバスが完結しました(※ネタバレ有)

 拙作「自由のキャンバス」がようやく完結いたしましたので、後書きのような思い出話のような雑談をします。
 最終話まで読了の方が読まれることを前提にしています。ネタバレが含まれますので、ご注意ください。気になさらない方は良いですが、未読では特に楽しくない内容と思いますのでご了承下さい。

 この作品はそもそもあまり読者が居らず、最新話を上げて一日以上経っても10PV程度の、とにかくダントツの不人気を誇る愛らしさでした。
 なので、完結したからってそれをお待たせしていた人って誰やねん状態ですが、それでも更新するとすぐに読んでくださっていた方が十名ほどいらっしゃって、その方々へ特に感謝の気持ちでいっぱいです。長くお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

 この作品は当初、一話目だけをお試しとして先走って公開し、まともに連載を始めたのは2019年の年の瀬でした。
 つまりたった全36話を完結させるのに、私は一年と七か月も掛けてしまったわけです。
 では早速、苦労して完結させたこの作品の話をしましょう。

◆紹介文について
 初っ端から「ほのぼのファンタジー百合」だと宣ってるんですよ。底抜けのアホです。
 最後まで読むと問題は「ほのぼの」よりも「百合」を謳ったとこにあるって分かるんです。
 途中、酷かったですよね。オリビアの相手になりそうな女性二人が両方死んでる状態があるわけです。作者本人「百合がどっか行ったwww」って笑い転げました。
 どちらかと言うと完結後の未来が百合なんでしょうね。書きませんけどね。脳内妄想でお楽しみください。

◆苦労したところ
 一番は筆の進みが遅かったことですが、これは何度も言っているので割愛して、二番目に苦労したのは「おとぎ話」です。
 自分で組み込んだロジックなので文句を言うのはおかしいんですが、「何で物語の中で更に物語作らなあかんねん」と思いました。しかも読者はいちいち出てくる小さなおとぎ話の詳細なんてどうでもいいわけで。短い文章の中で「おとぎ話」っぽい話を、しかもラスボスになる「神」に関連させて作らなきゃいけない。加えて、それらが「神」に関連することが判明するまでは、ストーリーの中でふと思い出すみたいに出さなきゃいけない。
 本当に大変でした。
 もっと上手いやり方は幾通りもあったと思います。反省点でもありますね。

◆悩んだところ
 アイリーンを殺すかどうかは最後まで悩みました。
 そもそも処刑がなければ、あまりに王様の印象が優しくなり、逆らっても軽んじても怖くない人になります。だから処刑はされるべきだと思いました。その部分は避けようがなかったわけです。
 ただ、フォードガンド国の王様は、物語が完結した後もあの人なんです。
 なので、彼女が処刑されたままで物語が閉じたら、未来を想う時にその部分がどうしても引っ掛かるんじゃないかと懸念しました。彼女らの未来は本当に明るいのかなとか、嫌な心象を国王に抱いたまま終わるのです。
 それもちょっと嫌だなぁと思って、「取引に応じて命までは奪わなかった」という落としどころにしました。
 優しくはないけれど、悪い人でもない。そんな感じに落ち着いてほしかったわけです。
 何より、三人旅を想像するのも楽しいでしょう(笑)。

◆最後
 同性三人の旅なら安心って。本気でオリビアに惚れてる二名だから駄目でしょ。とか突っ込んではいけない。
 アデル様は分かっていて遊んでいる気もしないでもないですね。本当に安全を考えてもいるだろうけど、食えないお茶目なおばあ様です。一方で、誰でも(どっちでも)良いからオリビアを幸せにしてほしいとも思ってるとは思いますよ。

◆余談その1
 そういえばカルロはヴィオランテが好きという設定があり、プロットではどっかに告白シーンがあったはずですが、今になって読み直すと、ねえな。いつの間に没にしたんだろう。全然覚えてなくて笑えます。
 ただ改めて読み直すと「もしかしてジオヴァナはヴィオランテが好きなのでは?」と思いました。設定にはありませんでしたが、割とオイシイかもしれない。カルロとジオヴァナが昔から本人の知らないところでヴィオランテの取り合いをしてたとか、絶対に楽しい。
 ちなみに設定では、ヴィオランテはカルロが自分に好意を寄せていることを、ちゃんと知っています。が、関係を変えることを望んでいないことも知っている為、知らぬふりをしていました。しかしジオヴァナがヴィオランテを――というのは設定に無かったので。もしそうであったとしたら、それは気付いていないんでしょうねぇ。熱いねぇ。
 なお、カルロはヴィオランテと同い年で十六歳。ジオヴァナは一歳年上の十七歳です。出してない気がする、この設定。ぽろり。

◆余談その2
 この作品を書き始めた理由とか、お話を作るにあたって考えてたことを別の近況でもちらりと触れています。気になる方はこちらも合わせてどうぞ:
 https://kakuyomu.jp/users/ametolisten/news/1177354054914684445


 めちゃくちゃ長い雑談近況になってしまいました。
 私、思いの外この作品を愛していたんですね!!
 こんなところまでお付き合いさせてしまってすみません。ありがとうございました。

 この作品は書いていて苦しかったけど、でもやっぱり本当に楽しかったです。

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