季節の変わり目というのは、心身ともに負担のかかるものだ、と最近見に覚えることが増えてきました。
身体は重く疲れが取れず、爽やかな風とは別に、心はどんよりとしているのです。
しかし、そういう季節だからこそ筆が乗ることを実感します。
タイトルにも書いたのですが、桜とはいいものです。
最近、花見をしに京都御苑や円山公園の方へ訪れたことがありまして、私としては桜というのは漠然といい物だと思っておりました。
日本の四季のひとつを象徴する物として、抽象的なイメージが先行して、その素晴らしさに目を凝らすことなんてあまりなかったのですが、いざ桜を見に行こうという気持ちで、じっくり見てみるとしみじみとした感動を覚えたのです。
しだれ桜が植えられた御苑は薄桃色と桜色が満開に咲き誇り、私はしだれ桜の五枚の花弁を見た時に、星のようだと思い、桜の木の下から見上げて見ようと思った次第でございます。
すると、しだれ桜の枝が、細く垂れ下がっているのが流れ星の尾っぽのように見え、まるで星が降り注いでいるように見えたのです。
そう思うと、桜の木というのは、流れ星の木に見えるのですが、発見はそれだけではなく、木には苔が生え、苔の中に混じるように細長い草が生えてるのを見て、幾千年も前の人々と心が繋がるような気さえしたのです。
この発見を書きたい思いで雑記を記しているわけでございますが、やはり筆が乗るのもまたこの季節なのは今も昔も変わらないのではないか、と深く考えさせられました。