さて、どんなホラーになるんだと読み進めたらいくら経っても怪異はでてこなかった。なんだこれではただの本格ミステリーではないかと思っていたら、本格ミステリーでした。
え、京極夏彦ってホラー作家ちゃうん?
上の感想は、ホラー小説家ありきで考えた感想だった。本格ミステリーなら納得感のある冒頭である。なんとおそろしきは我の偏見なりがく。
いやまあ、人間の心理というホラーはしっかりあった。
子供を殺された女の恨み、怨恨、執念そういうものを描き出した傑作なのだろう。
女性の恐ろしさ。復讐する為になんでもするところ。
そういう心理をこれでもかと描いていたのが印象的だった。
やはり心理の面白さを描ける作家は強い。
小説はやはりそういう心理的リアリティーがあってなんぼだという認識を新たにした。
それが自分にあるかはしらん。