「紅匣婚姻譚」完結しました。
超短期集中連載となりましたが、お付き合いくださった皆様、宣伝等にご協力くださった皆様、すべての方に心より御礼申し上げます。
本当に皆様のおかげでなんとか完結まで漕ぎつけることができました。
このお話は5月に別の長編(※ネット未公開)を書き上げてわりとすぐに構想をはじめました。ほかに並行して別の短編なども書いていたんですが、構想約1か月、執筆3か月弱程度の作品となりました。
期間的にはそこそこ時間があったのですが、生活のほうでさまざまに変化があった時期で、書くことが物理的にかなわない日がかなりあり、一時はもう間に合わないのでは??という不安でいっぱいだったのですが、なんとか書ききれて、こうして読者の方に読んでいただくことまでできて、本当に幸甚でした。
まあちょっと、無理やり短期で連載する形となり読者さんには負担になってしまったかもしれず、申し訳なかったのですが…!(本当は毎日1話ずつ連載したかったです…!)
このお話はカクヨム恋愛小説大賞【ナツガタリ'25】「和風ファンタジー×契約結婚」部門の応募作となります。
とくべつ読者選考などはないようなのですが、もしちょっとでも面白かったよ、と思われた方は評価や作品フォロー、応援のハートやご感想などいただけますとたいへん励みになります。
すでにくださった皆様、本当にありがとうございます! 元気もりもりになりました。
細々とでもお話を書くことを続けていられるのは皆様のご反応のおかげです!(誇張ではなく!)
ずっと恋愛も絡んだ少女小説っぽいものをメインで書かせてもらっていますが、ここまで全面的に恋愛メインっぽいものを書いたのははじめてのような、そうでもないような気がするので、読者さん的にどうだったんだろうというのが作者はめちゃめちゃ気になっています 笑
初稿が上がったあとは原稿ハイになって、これは一生縁がないと思っていた「溺愛」タグを付けてもいいのでは??と血迷いかけたのですが、さすがに終盤までの流れをよくよく吟味した結果、自重しました 笑
個人的にはけっこう楽しく書けたので、またそのうち直球恋愛ものに挑戦したいです。いやでも結局なんか成長ものジュブナイルっぽくもなっちゃったので、いつもどおりの私の話に落着した気もしますが…。
夫婦ものを書くのは人生初でした。なんかあの人たち、終章でも中学生みたいなことをやっているので、いまいち夫婦感がなかったですが 笑
物騒で殺伐としたブラッディなお話ではありましたが、終わってみるとハッピーエンドというか、やさしい結末になったのかなと思っております。
主人公・ヒーローともに癖があるというか難がありすぎるキャラクターで、おそらく読者の方を相当いらいらさせてしまったのではないかと思いますが、見捨てずに見守ってくださった読者の方々には本当に頭が上がりません。
以下、ちょっとネタバレを含む話です。
このお話は、まだこの先の構想が多少あるというか、ここまでで開示していない設定が色々ある作品になります。
今回のラスボス・白鷺院については、実は鴇坂家よりも色々設定を詰めていたので、そのごく一部しか出せなかったのも、うわ~もっと書きたかった!という思いでいます 笑
ヒール役の清久を擁護するつもりはないですし、かならずしも悪役を物語上で理解してあげる必要も理解できる存在として描く必要もないと個人的には思ってはいるのですが(あるいは、理解されたくない悪役もいると思うので)、白鷺院とはなんだったのか、みたいな部分は私が書きたいところではあって、続編が書けるならそのへんを書けたらいいなという思いではいます。
他家も名前しか出せていませんし。他家については本当にさらっとしか書いていませんが、この五つの匣やら代償やらこの国の歴史やらの設定に頭を悩ませたのも今ではいい思い出です。どうでもいい情報ですが、おそらく五匣家の鳩崎家と鷹嶺家はめっちゃ仲悪いです。
なんかこう、この話でなくてもなにかしらの自分の作品が一個でもいい結果に結びついたらこの先を書けないかな~!などと作者的には思っていたりもします(そう言いつつもまだプロットの影も形もないんですけど)。
公募勢としては、とりあえず一個でもいい結果が出ないと、ひたすら新作をつくるしかないので…。
なので、この続編云々はチラシの裏の落書き程度に思っていただけたら幸いです。
ただ続編書きたい!と思えるお話にまた出逢えたこと、本当に幸せだなあと感じています。
せめてそのうち番外編くらいは書けたらいいな~と思っています。
和風近代ものお約束の銀座デート回(作中では吟座表記)みたいな。
晞子はお嬢で、基本おうちに外商とかが来てくれるタイプのお買い物が多そうなので、百貨店でショッピングとかたぶんしてみたそう。本編中はずっと和装だったので、洋装とかもしてもらいたいですね。深景あたりはそれよりもしっぽり温泉街とかに新婚旅行にでも行きたそうにしてますが 笑
個人的には古賀と新田の凸凹バディももっとじっくり描きたかったんですけど(捜査もののたたき上げのおじさんデカとお堅い新人くんの鉄板コンビはべただけどいいですよね)(クソデカボイス)!!! 紙幅とコンセプトの都合上、割愛。ちょっとでも新田の変化が見えていたらうれしいです。彼はたぶんツンデレです。
あとこの話はあくまで和風近代ファンタジーで、「大正初期っぽいけど色々と史実とは異なりますのでご注意ください的ななんちゃって和風世界観」なのですが、時代感の演出のために様々なご本にお世話になったので、書名を掲載させていただきます。
主な参考文献(順不同・敬称略)
『東京の下層社会』紀田純一郎 ちくま学芸文庫
『東京風俗志 上・下』平出鏗二郎 ちくま学芸文庫
『絵で見る 明治の東京』穂積和夫 草思社
『歴史群像シリーズ特別編集 決定版・図説 明治の地図で見る鹿鳴館時代の東京』監修 原田勝正 学研
『大正ロマン手帖 ノスタルジック&モダンの世界』石川桂子 河出書房新社
『華族令嬢たちの大正・昭和』華族史料研究会編 吉川弘文館
『明治もののはじまり事典』湯本豪一 柏書房
『明治ものの流行事典』湯本豪一 柏書房
『日本人のすがたと暮らし 明治・大正・昭和前期の身装』大丸弘・高橋晴子 三元社
『明治大正昭和に見るきもの文様図鑑』長崎巌監修・弓岡勝美編 平凡社
『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』監修 田中禎彦 写真 小野吉彦 X-Knowledge
ほかにも色々お世話になってはいるのですが、とりあえず主だったものということで失礼いたします。
あ、あとうちにはこれの前に書いた和風近代F作品のおかげで日本の洋館の資料は何冊かあるのですが、日本家屋の資料が絶望的に不足していたので、鴇坂家のおうちはネットを徘徊して見つけた会津武家屋敷の西郷頼母邸をふんわり参考にさせてもらっています。いつか行きたい!
気になる方がいらしたらネットで検索してみてください。平面図などが見られます(お屋敷の平面図などを見るのが大好きな者のうわごとです)。
これらの書籍・資料なしにはこの話は到底形にはできませんでした。ありがとうございました!
(ところでなにかいい日本家屋の資料をご存知の方、こそっと教えてください! 私は昔から書店の建築関係の棚をうろつくのが大好きで、大きい本屋に行くとかならずにやにやと棚を眺めてしまうクチなんですが、なんかこう、さらっと色々な家屋やら建築様式に触れているタイプのいわゆる日本建築史みたいな資料って結構見かける印象なのですが、私の探し方が悪いのか、ひとつの建物を執拗に解説したり舐めるように写真を撮ったりしたザ☆文系にもやさしいビジュアル重視の日本の家の本ってあまり見かけない気がします。ちなみに中川武さんの「日本の家 空間・記憶・言葉」とか、谷崎潤一郎さん&大川裕弘さんの「陰翳礼讃」とかはすごくすきです。でも間取りとか全体図とかそういうのが載ってるやつも欲しくて…)
後半はただのオタクトークみたいなことになりましたが、とにもかくにも、このお話にお付き合いくださった皆様、重ねての御礼になりますが、本当にありがとうございました。
またなにかのお話でお会いできましたら幸いです。