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2024年振り返り

 という名の、クシナダ異聞振り返りです。
 24年もあと2日ということで、今年も回顧とご挨拶を。といって、毎年こんなことをするほど殊勝な人間ではないのですが、じつは昨年末に23年振り返りをやっていて、その時の文章を読み返すと何やら感慨深かったもので、ついでに今年もやってみるか、と。
 去年⇒https://kakuyomu.jp/users/althlod/news/16817330669253187872

 こちら読み返すと、この時ウンウン唸っていたクシナダ異聞山場の、本丸攻めをしたのが24年でした。怨鬼vs由紀子の辺りです。この当時、まだ本文はおそらく怨鬼過去を書き上げたくらいで、由紀子ターンは下書きノートにあっただけだと思うのですが、その後本文を起こすに当たり、更にしんどい思いをしたり、それ以上に、予想もしなかった美郷の変化を見られたり…(※途中から美郷が「どうしても広瀬を間に合わせたいんだ」って言い始めたのは、アレは元から決まっていたことではなくて、計算「以上」の動きをし始めた部分でした)。
 自分的には、由紀子を通して自分が過去に悩んだこと、10年かけて得た結論の総決算をしたい、去年も書きましたが「おそらく刺さる人間はほんの一部だと思うんですけど、この世のどこかに正面から刺されてくれて、自分と一緒に地獄でのたうちまわってくれる人が居て欲しい、という祈りのような想いと共に決めた展開」を書きたい、という一念で組んだ展開で、まさかそこで美郷のメンタルに変化が訪れるとは予想してなかったもので…(笑)
 けれど結局、最終盤、ここで訪れた美郷の変化が怨鬼との決着にまで帰結したので、まあ、頭の中で妄想するよりこうして「作品」として出力した方が面白いというか、実際に「書いた」甲斐というのはそのへんだったなあと思います。

 でまあ、ヒイヒイ言いながら本文を進めつつ、実は水面下でクシナダ前半が4巻として書籍になるということで、その準備もしつつ…。春頃はなので、花盗人の改稿をしたりしてました。付け焼き刃で能の勉強とかね…。それから、ご縁あって4月からアルバイトに出始め、原稿に追われて1ヶ月ほど休職したりしつつ(すごい身内の縁からの縁故採用&ご理解のある雇用主ゆえ許された)、4巻改稿・校正、クシナダ完結を走り抜けました。今年はコミカライズが完結し、そちらの作業が手を離れたのもあってお勤めに出られましたね。全2巻、ありがとうございました。

 そして今は解放感に浸り……とはいかず、実は体調悪くしまして虚無の年末年始を迎えております…。せ、背中が痛い…慢性膵炎の疑いで、CT検査のはずが主治医のミスにより検査年明け順延で診断の決着もつかぬまま、そろそろ1ヶ月半ほどそこはかとなく具合が悪いです。膵炎だったら酒は飲めんし揚げ物も控えろって言われるし、元から糖尿あるのにさらにボロになった体を引き摺って生きねばなりません、辛い。
 しかしまあ、実際問題なんかずっと痛いので、だめかもしれない。
 検査も出来てないので、そんなモンヤリした気持ちだけ抱えての年越しです。ちくしょう、ようやく10年来の怨念をクシナダ異聞に昇華して、人生のタスクをひとつ終えたと思ったらこれか!!! もう少し楽に生きさせろや!!! の気持ちで一杯でありますw
 まあ仕方が無いのではありますが…。昨年も触れましたが私は20年来の糖尿患者でして、美郷に「白蛇いるせいで夏が辛い」みたいな微妙なしんどさを背負わせたのも、自分のこういった持病による面倒臭さとか、あとは新卒職場でメンタル壊して、物凄く疲れやすい体質になったこととか、その辺を投影したいな~という気持ちがあったような気がします。20代後半~30代前半の体調がボロボロだったおかげで、今年40になりましたが「衰えた」感はあんまり分かりません。いいんだか悪いんだか。でも消化器はボロになってたらしい、うーん。

 そんな景気の悪い話は置いといて、クシナダ異聞完走にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。引用したとおり、昨年末はまだ「誰かコレに刺されてくれ、私と一緒にのた打ち回ってくれ!!」って一人で言ってる状態でしたが、実際に出力した結果、レスポンスをたくさん頂きました。
 不定期更新に毎回お付き合い頂き、リアルタイムで一言ずつ下さった方々、ご縁あって終盤や完走後にお読み頂き、熱いご感想を下さった方々、折々に感想投下してくださった方々、本当にありがとうございました。由紀子は十ウン年前の自分だったし、ヤッサンも「そうありたい」と今思う自分だし、誰かの同意が欲しくて「表現」をするワケだけれども、今回のお話は本当に「私のこと」過ぎて、一体どの程度「私じゃ無いひと」に届くのか、同意が得られるのか、本当に怖かったです。
 ある程度、「振り落とされる人」が出るのを覚悟の上で「私のこと」を書くことに注力したし、結果、やっぱり多分振り落としてしまった方もいると思います。今回ばかりは申し訳ないけれど「そういう仕様」でした。それで寂しい思いをされた方がいらっしゃれば、本当にごめんなさい。そのうえで、同意を下さった方にとても勇気づけられたこととても感謝しています。
 そして、今回の話は何重にも「特別」と「普通」、「他人」と「私」、「あっち」と「こっち」、「弱者」と「恵まれた立場」といった対立構造を重ねたつもりでいます。美郷と広瀬、亜沙美と由紀子、由紀子と広瀬。それから、ずっと自分は「こっち」側だと思いながら僻み続けた怨鬼。でも立場次第、その時次第、相手次第で自分がどちら側に立っているかは変わると思っています。その辺が表現できていればいいんですが……。いま、読まれた方が「私は『語られる側』ではない」と思ったとしても、もしかしたら今後の人生どこかで、気持ちが由紀子や広瀬と重なる時が来るかも知れない。その時に、彼らの物語がエールになればいいなと思います。

 さて、そんなところでしょうか。
 今後の予定ですが、一応なにかしらタスクはありつつ、体が元気で、リアルお勤めで稼ぎながら余裕があれば、いよいよ長編第五部を…のまえに、書きかけて放ってある晩春から初夏の怜路の話があるので、そのへんを片付けたり……うーん、まだ書く予定のものは色々ございますね。長編五部は夏の話、これが終われば「巴市」というか「美郷と怜路」の話は一段落…と思っています、が、クシナダより短いんじゃ決まりが悪いうえに、片付けられないネタが溢れてしまうので、たぶんクソ長連作になるんじゃないかな五部……いや誰が書くんだよ私か、やべーな。
 巴市以外も、書きかけて積んでる話はあるので、たまにはその辺も触りたいんですが…取りあえず今は「背中痛くておもんねー」ってなってます。病気平癒! 病気平癒!!!
 コミカライズは一段落しましたが、なんだろ、ボイスコミックも嬉しかったし、願望を申し上げれば広島弁できる方によるオーディオブックとか実現せんやろか……妄想・願望ですが。
 それでは、今年も一年ありがとうございました。来年は、昨年今年ほど追い込まれた書き方をする予定は…今のところないのですが、何かしらご縁があれば頑張りたいです。
 来年もよろしくお願いいたします!


 イラストは、クリスマス絵にした白太さんと雪蛇です。

6件のコメント

  • こんにちは。
    まずはお身体を大事になさってくださいね。
    今年はクシナダを追いかけられて楽しい一年でした。色々考えさせられましたね。
    でも抜き身の日本刀を持って屋根の上から説得する美郷君の姿と言葉がすごく印象に残っています。(ちょっと違っていたらすいません)
    まずはご自愛くださって、調子がよい時に作品を投下して頂ければ幸いです。
    来年が良い年でありますように。
  • >しがらきさん
    お気遣いありがとうございます…! トホホでございます。
    騒がしく更新したり告知したりの一年、お付き合いありがとうございました。一緒に楽しんで頂けてよかったです!
    美郷のあの場面のあの台詞は、それを言わせたくてこの話を組み立てた、みたいな部分なので嬉しいです(*´∀`*)

    来年、良い年にできるよう体調気をつけたいです。
    しがらきさんもよいお年をお迎えください~!
  • 体調が良くないとのことで、心配です
    どこか痛いところがあると、心も沈んでしまいますよね
    私ごとですが、今年は母を見送りました
    気持ちが崩れそうなとき、美郷さんたちの物語の中へ旅をすることで少し浮上でき、とても助かりました
    これほどはまれるお話しに出会えて感謝です

    お体、早く良くなられますよう、お祈りしております
  • tonarinobaabaさん>
    ご心配ありがとうございますm(_ _)m 仰るとおり、痛い所があると気分も沈みますし気も散って、年末やるべき色々が投げ出されております(汗)
    そして、お母様を。それはお寂しゅうございますね。私の書いたお話が、どなたかの息抜きや癒やしになれたと知り、とても有り難いです。お教え頂きありがとうございます。

    せめて痛みを気にせず過ごせるようになりたいな~と思います。ありがとうございます!
  • 年跨ぎの不調を抱えながらの投稿ありがとうございます。
    遅れてきた読者でもしかすると頓珍漢なコメしてたかもしれませんが、終盤並走できて、完パケした作品を「読む」だけでは得られない「書く」ことの辛さと楽しさの両方を味わわせていただいた、と思っております。こういった場所で直接交流させていただくのは初めてで、昨年から今年にかけて、「私」のうちの結構大きな部分を占めていました。逆に応援していただいてたような気がします。
    しんどいことも糧に替えて、何とかご無事でお過ごしください。
    今年一年楽しませていただきありがとうございました。
  • >瑞鬼 愁さん
    コメントありがとうございます!(*´∀`*) 終盤の並走ありがとうございました~! 嬉しかったです!!
    リアルタイムで「書いてる」奴の呻きごと作品を味わって頂けたようで嬉しいです。私がぎゃうぎゃう呻きつつ書く様が、こう、同じ「書く」方の励みになってればホントそれ以上はないです…!
    もう痛いものは仕方がないので、何かしらまた作中に活かせるようにしたいと思います…トホホ。
    こちらこそ、今年一年ありがとうございました!
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