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<s>23年</s>クシナダ異聞振り返り雑文

本体はFC2ブログにあるんですが、そうえいばカクヨムでフォロー下さってる方もおいでかと思いコチラにも。リンクは消してあります。ここのルールようわからんので。

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 23年最終夜ということで、ちょっとまとまった字数の雑文を書こうと思い久々にこの投稿画面を開いています。
 もうブログの書き方なんて忘れちまったよ俺は……って感じなのですが、ツイッタの青い鳥が亡骸となってしまった都合上、お知り合いが色んなSNSに分散しちまった…という理由もあって、複数SNSに同じ長文をポストするよりは、久々にブログでも使おうか……と思い至った次第であります。

 さて。23年の上期は陰陽師と天狗眼のコミックス1巻発売(※小説3巻原稿に追われていたわたくしはノータッチ)だとか、小説3巻・潮騒の呼び声発売だとかありました。発売日ってのは確かに記念すべき日なんですが、己の作業はだいたい1ヶ月前くらいに終わっているし、なんやかんや自分の手を離れた後に起こるイベントなので……3巻発売の頃は旅の空だったりしました、今回。原稿に追われていたのは2月くらいまで。なので自分の中の印象としては、3巻の内容は「22年に書いてた」というイメージが強いです。
 いうて、ギリギリまで(おそらく担当編集殿の胃をキリキリさせながら)めたくそに頁数超過した原稿の調整に追われていたので、1月2月もかなり頑張って書いていたはず。もう記憶が無いけど。

 で。表題が「23年」じゃなく「クシナダ異聞」の振り返りであります。何故か。
 ひとつには、じゃあ「23年に書いたのは何やねん」と問われると「クシナダ異聞ですね」という話だからです。いま字数を数えてみると、定職にもつかず遊んでたワリには引くほど少ないんですがね、書いた量が……。でもインプットも込みで、かなり力を注いでいた23年でありました。県内の図書館から参考文献を取り寄せたり、神楽大会を2度ほど観に行ったり。まだまだ作中には出せてない部分も含めて、色々と下ごしらえをした期間でもありました。

 舞台は広島県安芸高田市(作中では安芸鷹田市)。ネタは神楽。敵は今までで一番悪い奴。字数も第2部「冬山の隠れ鬼」を大幅に超える予定です。
 この話を書き始めたのが、実は2019年冬でした。己の呟きを辿ると、19年12月に連載を始めています。(カクヨム上の記録はそれより後になってますが、多分コレ一回非公開にした都合とかだと思う…)19年は年の前半に冬山を片付け、秋に潮騒を書き上げ、更に冬からクシナダを始めている…この頃の己、どうやってたんだ……? マジで謎な勢いで書いているな。

 いや、知っているんです。コレね、実家を離れて一人暮らしをしながら、寿命削って書いてました。糖尿病患者なのですが、ヘモグロビンA1cの値がヤベえところにあったから、ホントにガチのマジで寿命削りながらでした。最高11%とかまで行ったかもしれない。実家を出ていたのは「地元に自分に向いていると思える職がないから」で、寿命削りながら書いていたのは17年に家を出るときに、「何かしらの【結果】が出るか自分が諦めるまで創作を頑張る」と決めていたから。
 当時は新卒の職場を病気退職(※精神科案件)した後で、まともに働けなくなった身体を抱えて自立支援を取り、正社員として働ける展望もないまま「なるようになれやァ!」の腹づもりでやれることをやろうとしてました。し、そんなアヤフヤすぎる状況ゆえに、志も決意もなーーーんも誰にも言わず(まあツイッタでは漏らしていたと思う)仕事を決め家を出ていました。

 なんでそんな昔話まで始めるんだよって? エエじつはですね。19年終わり~20年頭にクシナダ異聞を始めました。当時のわたくしのメンタリティは、作中の篠原氏そのまんまであります。もう鉄バール引き摺って徘徊するしかない気分だった。上階の人間は足音クソみてえにうるせえし。職場の先輩はワケわかんねえくらい感じ悪い(本人に悪意はなく、絶望的に私とコミュニケーションの感性が合わないだけ)し。体調もクソだし。歳は歳だし(30代半ば)。向いてる仕事も職場も見付からねえし。
 で。20年3月。メールが届きます。それが、『巴市の日々書籍化』の打診でした。(改題して「陰陽師と天狗眼」になります)
 ………クシナダをね、書いてる途中で……あの、地獄みたいな介護医療院を書いてる辺りでね……自分の背負ってた怨嗟みたいなものが……浄化されてしまったのだ…………。

 いや、単に書籍化するってだけは、まあ、めちゃめちゃ嬉しいですし夢叶った案件なので当然気持ちにプラス影響しますが、それだけじゃなくて……頂ける装画が素晴らしかったり、担当編集様がすごく丁寧に所感を下さったり、ネットギャリーを介したレビューがすさまじく今まで浴びたことのない量の感想だったり賞賛だったり……もうその時点で、それまで浴びてた「作品へのレスポンス」の軽く10倍くらいにはなっていたろうと思うのですが。大変ありがたいことに発売時に援護射撃いただいたのもあって、その後もバンバンお手紙とかご感想とか色々……本当に色々沢山大量に浴びまくる日がやって参りました。
 いや、もう、マジで。それまでを砂漠としても(※実際にはお知り合いに構って頂いてたので草原レベル)湿地帯になるくらいの雨(感想)が……潤いが…………。溺れるレベルで……。

 で、応援頂いた結果、2巻3巻と続刊しました。20年1巻、21年末に2巻、23年上期に3巻。
 ……4巻のアナウンスは、出来ないんですけどね。出るとも出ないとも。でも、とうとう、クシナダ書き始める前に書き終えてたところまで、全部書籍化されちゃったんスよ。書籍化される前の自分と、された後の自分はもう……メンタルが別人なんスよ……いや別人って言って人格変わったわけではないですが、湿度の低い草原に生えている場合と、熱帯雨林に生えている時では、きっと同じ樹でも形態や生態が変わるやろ……? 雨量と湿度が違いすぎるので……。
 何の話をしているかといえば、つまり「書籍化を味わった3年間を経て、3年前の鉄バール引き摺った怨鬼な自分が組み立てた話の続きを書く」ターンがやってまいりましたwww 

 創作メモ読み返して思うこと。クッソww だいじょうぶかこいつwwwww(大丈夫では無い)
 ヤバいメンタリティしてるよ。そのヤバいメンタルをぜーーーーんぶブチ込んで、読んだ人も地獄に引き摺り込む気で書いてるよコレ。知ってた。記憶はあるもん。相手を正面から突き刺す気で書いてた。

 そして。今。その、「おうお前も地獄に巻き込んでやらァ!!」の精神で、おそらく刺さる人間はほんの一部だと思うんですけど、この世のどこかに正面から刺されてくれて、自分と一緒に地獄でのたうちまわってくれる人が居て欲しい、という祈りのような想いと共に決めた展開をヒンヒンいいながら書いています。
 当時はそこまで思い至らなかったんだ。「誰より先に、誰より一番キツい思いをするのは、他ならぬ書く己である」ということに……!!! まあ思い至ってても決めたでしょうけど。いやマジでキツい。この3年間で癒やされ浄化された古傷みたいなモノを必死こいて思い出しながら、細かい設定を決めるひとつひとつに自分で抉られて軽く病みながら書いています。

 キツいキツい言うてますが、書けていることは単純にありがたいです。UPったら反応も貰えて、どんだけ贅沢しとんねん我という気持ちでいっぱい。
 それに、ネタや展開を決めた3年前には、まだジクジクと疼く生乾きの傷だったところが、古傷になっている。つまり、自分の中にある程度答えを出せている。これは凄くありがたいことです。出せてなければ、書きながら絞り出すのが常なんスけど。冬山での、怜路から美郷へのお説教とか。「頼れることを恐れるな。無常であることに怯えるな。今じゃないことは、またその時に考えろ」というヤツは、ほんっっとうに、この話のためだけに自分の中で絞り出した結論でした。アレはアレで、書いて良かった、書いたからこそ自分にもよい影響が得られた案件なのですが。
 でも、いまさら、3年前の構想を見返して「遠くへ来たな」と思えたことが、何よりありがたいことだとしみじみした23年でした。

 結局、2巻作業と好きになれない職場の並立が無理すぎて、21年に退職して実家に帰っています。
 仕事を続けられなかったのは残念ですが、17年に実家を出る時に自分に掛けた呪いというか願掛けというか、そういうアレは成就して帰ってきたことになる。
 そんな中で、改めて向き合う過去の自分。それが今年、3年ぶりに連載再開したクシナダ異聞でした。

 何度かSNS上でも言及していますが、クシナダ異聞はまふまふさんバージョンの「命に嫌われている。」をエンドレスリピしながら瞑想して組み立てた話です。

ttps://www.youtube-nocookie.com/embed/eq8r1ZTma08

 これと、メガテラゼロさんバージョンの「君の神様になりたい。」を交互に聞きながら、夜の年の瀬を運転していた情景が、クシナダ異聞の情景として脳裏に焼き付いています。

ttps://www.youtube-nocookie.com/embed/2OvsScIZptk

 雪だか雨だか降る年末。何かの用事で吉田方面に出た帰り道(友人と会いに広島市まで行った帰りかもしれん)。
 上の2曲を聞きながら、広瀬と、美郷と、あときっと由紀子のことを考えていました。凄くそれがイメージとして残っています。今日、また雨の中、暮れた大晦日の夜を運転していました。今日は買い物帰り。こんな情景を見ながら頭の中で何度も何度もこね回した場面を、ようやく、三年越しに書くのだ……と。
 サビのシーンまで年内に辿り着けなかったのは残念以外の何物でもないのですが。
 けど、ああ、私がんばったんだなあ……まだもう少し頑張れるんだなあ……。

 そんな風に思える大晦日でした。
 大変素敵なことです。
 そして、感謝や希望と共に年を越せるのは、応援くださる方々のおかげでございます。
 ほんとうに、今年一年。今年だけじゃなくて、去年もおとどしも。ありがとうございました。

 来年も、何卒よろしくお願い申し上げます。


2件のコメント

  • 陰陽師と天狗眼を買って読みました!面白かったですよ〜。本屋さんに行って、何気なく手に取ってあらすじ見て購入。知らない作家さんの本を買うのは勇気が入りましたが(たまに拒絶する作品があったりするので)自分に合ってたのか3巻まで購入致しました(笑)今回色々読んで何か共通点が!娘も精神的病気で何年も病院通ってます。うちらが死んだら娘はどうなるのかと心配でもあり…そして命に嫌われている!!孫がやっている音ゲーで知ってた!64のおばあちゃんなのに。共通点があって惹かれたのかと思ってしまいました。アニメ化しないかなぁと密かに期待してますよ〜。4巻が出るのも期待してますので、頑張って下さい!長々と失礼しましたm(_ _)m
  • @kumagai0508 さん
    コメントありがとうございます! わ~ご購入ありがとうございます!!(*´∀`*)
    そして、なるほど何かしら共通点あればこそ、読んで頂いて琴線に触れるモノがあったのかしらと思います。メンタル疾患は一度引っ掛けると風邪ほど簡単には治りませぬが、(10年スパンにはなりますが)お薬と環境を合わせてゆけばまあまあそこそこ暮らせる程度にはなるな…というのが、今のところの感触です。娘さんも、よりお健やかに過ごされる一年でありますように。
    そして音ゲーでボカロ曲! 時代ですねえ…! ぜひぜひ、また朗報をご報告できるように精進して参ります。ありがとうございます!
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