「誹謗中傷性が高い文書。しっかり調査するよう指示した」(12/25(水) 18:30配信MBSニュースの見出し)と、某知事の百条委員会での発言がありました。
この“性が高い”という表現の、得も言われぬ気持ち悪さよ。(個人の感想です)
というのは、結果として「停職3か月の懲戒処分にしました。」(同記事より)という、ある種の“処罰”が現実に実行されているからですね。
つまり……
「誹謗中傷→懲戒処分」はわかるんですけど、「誹謗中傷性が高い→懲戒処分」ということなら、そこに、ゾッとするような恐怖が漂うのですよ。
この“性が高い”って、何なんだ?
世の中に“誹謗中傷”という悪しき行為があることは事実であり、客観的な証拠に基づく明白な“誹謗中傷”は、社会的なペナルティの対象となるでしょう。
しかし“誹謗中傷でない”のならば、それは“批判とか苦情”などのレベルであって、ペナルティの対象とするのはおかしいと思うのですが……
しかもそこに“誹謗中傷性が高い”の、“性が高い”という、なんとも曖昧な表現が挟まることによって、あたかも、“誹謗中傷と同様にペナルティを課されても仕方がない”的な印象が形作られるとしたら、恐ろしい。
というのはまるで、街角で出会った巡査に「お前の態度は違法かどうか知らんが“違法性が高い”から逮捕する!」と手錠をかけられ収監されて有罪判決を受けるようなものではありませんか?
法的には「違法か、違法でないか」だけであって、「違法でない」なら「合法」で無罪放免のはず。
“違法”であることを証明していない、“違法性が高い”だけでは法的な処罰の対象にならないと理解しているのですが……
そもそも、「誹謗中傷罪」というものからして法律の条文には存在しないですよね。
「インターネット上の誹謗中傷は、内容によって名誉毀損罪や侮辱罪などの刑事責任を問われる場合があります。」(北海道警察HP)とあるように、「名誉毀損罪や侮辱罪」に該当するかどうか……が問題なのですね。
「誹謗中傷は有罪!」とは、六法全書に書いてないわけです。
ご教訓としては……
「〇〇性が高い」という言葉の使い方には用心したいね、ということ。
SNSであれオールドメディアであれ、「〇〇性が高い。」という“客観的事実みたいな感じの断定的な言い切り”は十分に警戒して読み取りたいです。
普通は「〇〇性が高い“のではないか”」とか「〇〇性が高い“と思われる”」と、あくまで個人レベルの感想なり推測であることを付言することが多いと思うのですが……